空飛び猫

  • 講談社
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感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (52ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062058803

作品紹介・あらすじ

ル・グウインの素敵な猫のおはなしを村上春樹が心をこめて翻訳。あらっ、子猫に翼が…。素敵な子猫物語。

感想・レビュー・書評

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  • ふわふわの翼で空を飛ぶ、4ひきの子猫!

    それだけでもう、気が遠くなるくらい素敵なのに
    作者はアーシュラ・K・ル=グウィン、訳は村上春樹、
    挿絵は頬ずりしたくなるくらい可愛らしくて、頁をめくる手が震えます♪♪♪

    「これまで私が愛したすべての猫たちに」という、猫への愛に満ちた最初の一行から
    「ああ!アーシュラ・K・ル=グウィンさま、長いこと遠ざかっていてごめんなさい!」
    と、深い反省の念に押しつぶされそうになる私。
    もちろん心を入れ替えて、この『空飛び猫』シリーズを読破します!と
    誓ったことは言うまでもありません。

    度胸があって現実的なセルマ、賢くて冷静なロジャー、
    ちょっとおっとりさんでユーモアのセンスのあるジェームズ、
    ちびでみそっかすだけど、意外に大胆で好奇心いっぱいのハリエットと
    個性豊かな子猫たちが、卑怯なくらい可愛らしい♪

    都会の路地裏から新しい世界へと飛び立つ子猫たちを見送る
    タビーお母さんと、新しいパートナーのトムが交わす
    慈愛にあふれた会話にぽとぽと涙が零れたり

    おっとりさんのジェームズが「human being」を「human bean」と言い間違えるのを
    にんげん→いんげん、と豆つながりで訳す村上春樹さんのセンスに大笑いしたり

    ありとあらゆる素敵なものがいっぱい詰まった、宝物にしたい本。
    そこらじゅうのこどもたちを集めて、無理やり読み聞かせしたくてしょうがなくて
    キケンなおばさんに変身してしまいそうな私です。

    • kuroayameさん
      ネコも個性ある表情をしていますよね♪。
      私は知り合いの方に進められて以前読んだことのある本で、村上さんの訳がとても魅力的でした★
      ネコも個性ある表情をしていますよね♪。
      私は知り合いの方に進められて以前読んだことのある本で、村上さんの訳がとても魅力的でした★
      2012/11/16
    • まろんさん
      kuroayameさん☆ 

      ほんとうに!顔だけじゃなくて、飛び方とか、最後に出てきた兄妹へのくっつき方とか
      そんなところにまで個性がしっか...
      kuroayameさん☆ 

      ほんとうに!顔だけじゃなくて、飛び方とか、最後に出てきた兄妹へのくっつき方とか
      そんなところにまで個性がしっかり表れていて、うれしくなってしまいました♪
      村上さんの訳、茶目っ気と温かい感動の匙加減がすばらしいですよね!
      2012/11/18
    • まろんさん
      torachanさん☆

      こんな素敵な本があるなんて、この歳になるまで知らなかった私は
      猫好きの風上にも置けないソコツ者です(>_<)
      そう...
      torachanさん☆

      こんな素敵な本があるなんて、この歳になるまで知らなかった私は
      猫好きの風上にも置けないソコツ者です(>_<)
      そうかぁ、文庫版もあるのね。
      文庫だとやっぱり、挿絵がちっちゃくなっちゃってるのでしょうか?

      とにもかくにも、早速図書館に第二巻を予約しました♪わくわく♪
      2012/11/18
  • 2013年8月21日
    絵も訳もすばらしい。翼のある美しい猫たちのお話。

  • 子供の寝かしつけで読んだ。魔女の宅急便のような、ちょっと早めの冒険ものかなと思って読んでいると、突然のバイオレンス。相当に驚いた。冷や汗が流れるような見事な表現だと思う。

    読み聞かせを続けてよいものかと考えたが、ひとまず続けたところ、寝た。年齢的にまだ早かったかもしれないし、読み聞かせには向かないかもしれない。

    最初と最後は、猫好きにはたまらないかもしれないが、私は猫好きではないので本当のところはわからない。

  • ウィスコンシン出身のイラストレーターS.D. Schindlerの挿絵がすばらしいです。
    ルグウィンを片っ端から借りてきたんですが、その中に絵本が混入。普通の猫の夫婦の間に4匹の翼をもった子猫が生まれ、その子猫たちが冒険し、落ち着くHOMEを見つけるという話。
    何の気なしにYOUチュゥブで探してみると、たくさん朗読を発見、やっぱり絵本って読んでもらうことを前提に書かれてると実感。しかも、日本語訳ではどうにもならない意味不明なところが、簡単単純に理解できる。ルグウィンは言葉遊び的なところが多いので、やはり原初で読んでもらう(自分で読むより読んでもらうほうが挿絵に集中できる)。
    https://youtu.be/mIRf1tGZzBs

  • 翼のある子ネコたちの、優しい物語。

    アーシュラ・K・ル・グウィン
    村上春樹
    ネコ
    と聞くだけで、最高の気分!

  • あるお母さん猫が生んだ猫たち4匹には、なぜか、羽が生えていた。お母さんが再婚するのに伴い子どもたちは独立。羽を使って空を飛び、自分たちの居場所を見つける旅に出る――。
    作者のル・グウィンは昨年末(2017年12月)に亡くなり、新聞などでよく取り上げられている。そのなかで本書を知った。彼女がフェミニストであったことも知り、羽の生えた猫は、社会の中で何かしらの生きづらさを抱えるマイノリティの暗喩であり、彼らへの応援歌のようにも感じられた。
    猫の絵が実に素晴らしい。うっとりする。いつまでも眺めていたい。
    それにしても、猫好き村上春樹好きのわたしとしたことが、この本を手に取ったことがなかったとは……。1993年、25年も前に出版された本。
    「あとがき」に「ある親切な読者」がこの本の存在を教えてくれた、とあるが、それは生物学者の福岡伸一さんなのだそうで! 朝日に連載中のコラムで福岡さんが書いておられた。NYの書店でこの絵本を知り、猫好きの村上春樹さんに知らせたく、出版社を通じて連絡を取ったのだという。

    ル・グウィンといえば、の代表作「ゲド戦記」は幼いころから存在は知っているが手が伸びなかった作品。これを機に読んでみようかな。

  • かわいい4匹の、それも羽を持った猫ちゃんのお話。
    力を合わせて生きていく姿にほのぼのします。
    猫好き村上春樹が翻訳している、シリーズ1冊目。
    子猫が human being を human bean に言い間違えるシーン。こういう翻訳は難しいと思うけど「いんげん」とは、さすが!音が「にんげん」に似ていて豆!

  • 村上春樹訳。絵本。
    とても穏やかな物語。
    大人が読んでも癒される。

  • 都会の路地裏のゴミ捨て場を縄張りにしている猫が、ある日4匹の子猫を産んだ。
    そこまではよくあること。
    ただし、その子猫たちは、翼を持っていたのだった。

    後書きで訳者が、こどもへの読み聞かせにどうぞと勧めていた。
    そばにこどもがいなくても、自然と朗読したくなる魅力のあるお話だ。
    原著も朗読したいな。
    続きも読もう。

    1988 アメリカ 児童書

  • 普通にかわいい猫の絵本でした。どうして図書館の大人の本のところにあるんだろう?

  • ゲド戦記の作者さんの本で村上春樹さんの訳と言うことで期待しすぎたかもしれない。
    でも、続編があるとのことなのでそれを読んでからまた考えよう。
    空が飛べるってそれだけで素敵だし。

  • ル=グウィンと村上春樹の組み合わせに手を出した本です。翼を持つ猫のきょうだいたちの物語。何故猫に翼が? ということもスルリと書いてあるのが、すごいなと思わされますね。これもひとつの個性というところでしょうか。イラストも含めて素敵な作品です。

  • とある本がたくさん置いてあるカフェで手に取った一冊。絵がすごいかわいかったから。もう一度じっくり読んでみたい作品。その後原書も読みたいな。読み終わった後ほんわかします。あとがき読んで村上春樹さん翻訳を知りました(^^;

  • 羽のある猫。
    父さんにも母さんにも羽がないのに四匹の兄弟には羽がある。

    一匹だけ羽が生えていたら孤独であったかもしれない。
    けれど兄弟がすべて羽を備えていることで
    猫たちは「なぜ自分にだけ羽があるのだろう」と悩むことなく、
    自然と羽を受け入れる。

    人とは違う変わったものを持っているということは、
    個性であると理解したい。必要だから備わっているのだ。

    猫たちは生まれた場所よりも
    もっといい場所を求めて飛び立つ。
    それは母からの旅立ちでもある。

    どこに行ったって危険があることを猫たちは知る。
    けれども飛んだからこそ見える景色は素晴らしい。

    猫が空を飛ぶなんてとんでもない。
    鳥たちはそう考える。
    空を飛べることを認められず、必要以上に攻められたとしても
    羽を与えられ生まれてきたのだからそれは大切な羽。

    会うべき人に会うためにその羽はあるのだ。

  • げ、原書が欲しい・・・。次見かけたら絶対買ってこよう・・・。

  • 良い『手』になりたい。

  • 続編の「帰ってきた空飛び猫」まで読了。翼がある猫達のほのぼのストーリー。これと言って特筆すべき作品では無いと感じた。

  •  猫に翼なんて最強すぎる。細かい絵がすごく好みだし、村上春樹訳じゃなくても好きになっていたと思う。グッズとか欲しい…。
     日本語版だけだったら星4つだけど、原著がよかったので満点。4冊セットのCATWINGSコレクションが嬉しい。やっぱり翻訳ものは原著の方が雰囲気あっていいなぁ。

  • なごみます。
    人生の縮図?

  • ★ミニ猫本フェア

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著者プロフィール

1929年10月21日-2018年1月22日
ル=グウィン、ル=グインとも表記される。1929年、アメリカのカリフォルニア州バークレー生まれ。1958年頃から著作活動を始め、1962年短編「四月は巴里」で作家としてデビュー。1969年の長編『闇の左手』でヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。1974年『所有せざる人々』でもヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。通算で、ヒューゴー賞は5度、ネビュラ賞は6度受賞している。またローカス賞も19回受賞。ほか、ボストン・グローブ=ホーン・ブック賞、ニューベリー・オナー・ブック賞、全米図書賞児童文学部門、Lewis Carroll Shelf Awardフェニックス賞・オナー賞、世界幻想文学大賞なども受賞。

代表作『ゲド戦記』シリーズは、スタジオジブリによって日本で映画化された。

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