ワイルド・スワン(下)

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制作 : 土屋 京子 
  • 講談社 (1993年1月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062062541

ワイルド・スワン(下)の感想・レビュー・書評

  • このドキュメンタリーを
    発刊以来はや20年は
    過ぎてしまい、中国の人口は
    今や13億、経済の自由化
    は著しいが政府は独裁一党の
    共産党だけであることには
    変わりはなく、毛沢東の時代
    は終わり、学生たちだけで
    世の中を変えようとした
    「天安門事件」がなぜ起きたか
    中国の政治背景が非常によく
    分かったような気が、今はしています。
    20世紀近代史に於ける偉大なる
    ドキュメンタリーです。
    いつの時代も言いたいことを言い
    やりたいことをする権利や自由を
    謳歌できることの有り難さを
    忘れないようにこれからも中国を
    少しでも勉強していこう。
    そんな気持ちになりました。
    ジャスミン茶を飲みながら…

  • この下巻では、上巻の続きです。

  • 下巻は文革による混乱と迫害を乗り越えて、著者自身が中国人初のヨーロッパへの留学生に選ばれるまでを描いている。文革によって、どれほど中国国内が混乱し、多くのものを失ったかがわかる。もちろん、著者からの視点限定だが、一読の価値がやはりある。このサイトの一部のレビューに、中国人へのヘイトスピーチになっているものが散見されるが、正直、日本も隣国の悪口が言える立場ではないと思う。

  • 毛沢東の独裁化が進み、文化大革命という狂気の政策がメインの下巻。
    自らを守るために誰かを迫害し攻撃しなければ生きられない異常な時代に10代を過ごした私(著者)の迷いや苦悩、成長がリアルかつ繊細に描かれている。
    迫害され精神を病みながらも信念を貫いた著者の父の誇り高い姿勢が特に印象深い。

    自分の持つ中国の知識などほんの一部でしかも表面的なものに過ぎないと痛感させられた。無知な自分をつい恥じてしまいそうになる。
    かなりのボリュームと情報量だが質の高さと息を呑む内容で心を揺さぶられる作品。

  • 上も下もダメだから、抜きに出ると潰される、フラットであることが正。

    運動会で手をつないでゴールする。
    こういう精神は押し付けるものではなく、
    生まれてきてこそ意味があるのではないだろうか。

    恐怖とは異なる何かが周りを支配してはいないだろうか。
    サービスを提供する側が過剰になりすぎて、
    何かがおかしくなってきていないだろうか。

    線引きは自分でやるようになれないと、おかしな社会に飲み込まれていっていしまう。
    いや、線引きをしない社会が当たり前になってきてしまっているのかもしれない。
    そうなったときに自分はどうすればいいのだろうか。

  • この本により文化大革命の悲惨な実態を知ることができる。
    興味深く読み進められた。

  • 中華人民共和国の建国の父、毛沢東のしてきたことがよくわかった。中国政府がいかに自国民の生命を軽視してきたかということ、毛沢東が自分の権力にしがみついてきたかということ。現在でもそんな中国政府の考え方の名残りがまだまだ残っているように思う。今の中国という国のあり方はここから始まっているのだと思った。だから、事故を起こした電車を埋めようとしたり、爆発の原因もうやむやに隠そうとする。中国は自らの失敗を隠すために日本を敵視するよう国民にしむけているということはもう世界中の人が知っている。いい加減に謙虚さというものを少しはもったらどうか。

  • 読了。
    昔、中国で仕事してた時のパートナーが、「Cultural Revolutionがあらゆる価値観を破壊し、Selfishな人しか生き残れない国を作り出した」と言ってたのを思い出した。本書は、そんな中でも、愛情や人間の尊厳を失わなかった人たちの貴重な記録でもあると思う。
    一方、文革を終わらせた鄧小平に対する慕情からか、時系列としてあって然るべき第二次天安門事件の記述はほぼ皆無で、エピローグの唐突感は否めず。

  • 本当に、なんという歴史を中国の人たちは生きてきたのでしょう!
    ワイルドスワン、ついに下巻です。

    上中巻でもあまりに衝撃的な事実に頭がクラクラしましたが、下巻で更に明らかになる毛沢東の所業には・・・言葉が見つかりません。
    このようなあまりにも不条理な世界が、私が生まれている時代に現実に起こっていたとは驚きでした。

    毛沢東の潜在的敵を排除するため、だ・け・に、知識階層を農村等に追いやり過酷な労働を強いたり、罪を着せ、気が狂うか死ぬまで拷問をさせられていくことにより、子が親を密告するような殺伐とした世界があっという間に出来上がります。もちろん学校も機能せず、学ばない青年層が増え、その上で一つの思想で民衆を縛ることによって毛への不満や暴動は起こらず、すべての人が狂気の中で踊らされるのです。

    毛が病死したことでこの狂気は終焉を迎えますが、この時代に知識人がことごとく排除されているので、この後まともな人間が政治活動を行えていたのだろうか、と不安を感じました、っていうかまともじゃないから今の中国、ですね。
    こういう歴史を持つ中国人なら、と尖閣問題等理不尽な言いがかりを堂々と言う国民性にも納得出来てしまいました・・・

    いや~、本当に衝撃的な本でした。
    長いけど、みんなに読んでもらいたい本です!

  • 中国恥ずべき時代

  • 清朝、軍閥、旧日本軍、国民党、共産党と100年に満たない期間で目まぐるしく支配層が変わった中国で、それに流され、翻弄される民衆の姿を一家族の目線で描いたもの。改めて、政治腐敗や恣意的な政策決定・方針変更を許さない仕組み(独裁的でなく、チェック機能が正常に働かせること)が必要と感じさせられます。

  • 久保姉に薦められ、図書館から借りて読み増した。中国の事もっと知りたくなりました。読んだのは3年前ぐらいになります

  • 下巻。
    最後の最後、お父さんの話しは涙ものです。
    著者の時代になればそれほど波乱万丈ということにはなりませんが、心を打ちます。

  • 友人から借りた本。

    前々から読みたいとは思っていたが、完読するのに結構時間がかかってしまった。
    歴史でも、現代に近ければ近いほど、学校では学ぶチャンスがないので、自分でなんとかするしかない。
    3代に渡る女性の生きざまを通してみる中国。知らないことだらけだった。

    これを足掛かりに、毛沢東関連を読んでみようか、と思ったり。
    丁度、薄煕来の裁判中でもあるし。

  • 今まで読んだノンフィクションの中でも最も衝撃的で生々しい内容。
    中国共産党の高級幹部を両親に持つ著者の恵まれた立場だからこそ得られら客観的な視点と情報の多さ。
    下巻は毛沢東の台頭から文化大革命の実態と毛沢東と四人組の失脚あたりまで。1993年の発刊に1989年の第二次天安門事件が取り上げられていないのは執筆に間に合わなかったのか時期的なズレなのか、意図的なものかは分からない。
    『歴史を創造するにはたえず大量の「階級敵人」を製造し続けなければならない』、その実態は規模・手法の違いこそあれ、独裁体制というもののある一面を理解するにはそう難しくない。
    共産党側だけではなく、国民党側からの当時の関連本もあわせて機会を作って読んでみたい。

  • 中国の現代史がやっと飲み込めた。壮大な家族伝であり、歴史小説。著者が批判的でありつつも当時洗脳されていた自分をしっかりと受け止めているため、とても面白い。世界各国で起きた似たような悲劇を考えずにはいられない一冊。中国の場合はその悲劇があまりに長かったし、今も一部続いている。

  • 文化大革命の事をよく知らなかった。文化を近代化した革命なんだろうと思っていたが、まったくの逆とは…。中国の歴史や毛沢東がなぜあんなにもてはやされたのかがわかっていなかったので、勉強できてよかった。

  • 1965~1978年 文化大革命~著者留学

    著者の両親が共産党員であった事もあり、話は主に共産党視点で語られている。

    共産党の一党独裁体制を作り上げた毛沢東は確かに優れた革命家であった。
    しかし、恐怖で人々を支配し、国民の生活を顧みない事から、為政者としては無能であった。

    共産党が政権を取った後、毛沢東の中では共産主義国としての発展よりも、
    毛沢東自身の権力維持にベクトルが向いてしまったのだと思われる。

    毛沢東の教養に対するコンプレックスと、大躍進運動という大失政から生じた自己憐憫が、
    中国の歴史と文化を破壊し、教養を身に付けた知識人と共産党幹部を迫害する"文化大革命"へと発展させた。

    国民党の残党狩りや、共産党の内ゲバを利用して、
    個人的な恨みや妬みを晴らす人々や、扇動される民衆の様子から改めて教養の重要性を感じた。

    現在の中国でも毛沢東を支持する人々が存在するというのは興味深い。
    情報統制によって、良い面だけを教えられて育った世代なのか、比較的影響の少なかった農民出身の人々なのか。

    元国民党関係者や、階級敵人のレッテルを貼られた人々に対する扱いは確かに酷いものだったが、
    攻撃の対象が「自国民か、他国民か」の違いだけで、
    状況としては、第2次大戦中の日本とそれほど違わないのでは、とも思えた。

  • 1990年代の中国を生きた祖母・母・著者の3人の女性の人生を描くノンフィクション。
    毛沢東、周恩来、鄧小平、文化大革命等々。
    「知ってるつもり」の人や事もたくさん出てくるのですが・・・
    どれもみんな「知ってるつもり」になっていたんだと改めて思いました。
    こんな壮絶な時代が隣の国の中国にはあったんだ・・・と胸がいっぱいになりました。

    特に上巻で描かれる祖母と母の人生。
    「纏足」をして、少しでも地位の高い男性と結婚することが良しとされた祖母の時代。
    中国共産党に翻弄された母の時代。
    その壮絶な人生には言葉をなくしてしまいます。
    読みだすとページをめくる手が止められませんでした。

    私がこれまで読んだ本の中で好きなもは?と聞かれればまず挙げるのが【蒼穹の昴】
    これは中国清朝末期の物語ですが、知っているようで実は知らなかった中国、近くて遠い中国を実感した一冊です。
    そんな【蒼穹の昴】を【ワイルド・スワン】を読み終えた今、もう一度読みたいと強く思いました。

  • あなたは「共産主義」を知っていますか?
    文化大革命、紅衛兵、下放・・・
    参加者から見た本当の共産党!

  • ついつい読み進めてしまうが、寝る前に読むと悪い夢を見る。寝る前は控えよう。

  • 女性の生き方として、読み応えたっぷりです。
    ぬっち

  • こちらも20数年前に読了。歴史に疎かった自分が知った初めての衝撃。

  • レビューは上巻でまとめて。

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ワイルド・スワン(下)の作品紹介

いつ誰かが言わねばならなかった現代中国の衝撃的な真実。今世紀中国のあまりにもすさまじき歴史と、中国文学の力を凝縮した天才的才能との出会い。壮絶な事実に世界は言葉を失う。中国の大地で人々は翻弄されながらも、何と力強くすばらしく生きてきたのか。

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