深い河

著者 :
  • 講談社
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感想 : 88
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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062063425

感想・レビュー・書評

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  • 信仰。
    三條ってのがほんとに最低!

  • 3年前、知人に薦められて読んだ本。
    いつかガンジス川へとずっと考えていたことが
    先月ついに実現し、物語の舞台を実際に見ることができた。
    しかし描写されているような、1日100人
    のたれ死にというのような死の風景は見られなかった。
    すでに過去の話なのかもしれない

    帰国後、久しぶりに再読。
    読むのがつらいほどの話があったことを思い出した

    「人は愛よりも憎しみによって結ばれる。
    人間の連帯は愛ではなく共通の敵を作ることで可能になる」という文が印象に残った。

    そうか同じ宗教のひとびとの結束が強くなるのは、
    違う宗教という共通の敵がいるからなのだ。
    現在の世界の構図はまさにこのとおり

  • 学生時代に読んでから、数十年ぶりに図書館で手に取り、再読してみました。
    何度も涙が出そうになる場面があってこらえるのが大変でした。。

    遠藤周作さんならではの、深い深い宗教観と、決してこれが正しいと押しつけることなく、読者にそっと悩み打ち明けてくれているような、そんな深い深い本です。

    一つ、女性の言葉遣いに違和感を感じ、発行年をあらためると1993年。あら、その時代って、「わたくし、~ですわ。」って言ってましたっけね。。。??

  • インド後に読みました。
    衝撃の終わり方だった!

    愛を求めて、人生の意味を求めてインドへと向かう人々。
    自らの生きてきた時間をふり仰ぎ、母なる河ガンジスのほとりにたたずむとき、大いなる水の流れは人間たちを次の世に運ぶように包みこむ。
    人と人のふれ合いの声を力強い沈黙で受けとめ河は流れる。

  • 癌で失った妻の生まれ変わりを探しに来た夫、基督教を信仰する昔の同級生のいる町を訪れようとする女性、動物だけに胸の内を話せる童話作家、ビルマのジャングルで死と隣合わせの退却を経験し戦友達を弔いに来た老人。人も悲しみも生も死も全てを包んで流れる深い河。
    飢餓、病苦、苦痛に耐えながらも萎びた乳房から人間に乳を与えるヒンズー教の女神チャームンダーが印象的だった。

  • 遠藤周作さんの本は、エッセイしか読んだことがありませんでした。敬虔なキリスト教信者であることしか知りませんでした。何だか重いなあと感じました。何度か読み返したいという気分です。

  • 著者闘病経験との渾身の一作。沈んだ序盤から心震わされる。キリスト教作家.多視点のバラードと祈りの文学。

  • どうも一度読んだらしい。全然ラストを覚えてなかったし、本作にない磯辺が探し出した少女の手を取るシーンとかなんだか頭にあったりしたが(^^)
    前に読んだときと心の残り方がかわるだろう。ひどく共感するところが大きかった。
    遠藤周作のスタンスはずっと変わらない。日本人の身の丈に合う神を探し続けている。自分の神を探すことは是であり、ヨーロッパのカトリックがすべてではないと言い続けている。
    けれど、彼は作家。故に、それを物語に織り込む。登場人物の誰も彼もが身に沁みるのは、私も年をとったからか?
    学生の頃から宗教を考え、考えすぎて、距離をおき、やっと、今では私もガンガーに辿りつくような気がする。
    興味からでなく、いつかは心がインドに呼ばれそうだ。

  • インドへ行くツアー客を通じて、それぞれの哀しみや死を静かに描いている。哀しみを河底深く埋め隠しても、河の流れが土砂を押し流して悲しみをあらわにしていく。
    哀しみには寄り添うことしかできないのか。

    • にんじんのお弁当袋さん
      先日世界記憶遺産に申請されたというニュースを聞いて『侍』を読み返しているところです。次はこれを読んでみますね。
      先日世界記憶遺産に申請されたというニュースを聞いて『侍』を読み返しているところです。次はこれを読んでみますね。
      2012/03/10
  • ずしーんと深い話でした。

著者プロフィール

1923年東京に生まれる。母・郁は音楽家。12歳でカトリックの洗礼を受ける。慶應義塾大学仏文科卒。50~53年戦後最初のフランスへの留学生となる。55年「白い人」で芥川賞を、58年『海と毒薬』で毎日出版文化賞を、66年『沈黙』で谷崎潤一郎賞受賞。『沈黙』は、海外翻訳も多数。79年『キリストの誕生』で読売文学賞を、80年『侍』で野間文芸賞を受賞。著書多数。


「2016年 『『沈黙』をめぐる短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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