蒼穹の昴(下)

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著者 : 浅田次郎
  • 講談社 (1996年4月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062080392

蒼穹の昴(下)の感想・レビュー・書評

  • どこまでが 史実 だとか そうでないとか
    そんなもの どうでもいいや
    と おもわせてもらえるほど 愉しませてもらいました

    一気に読んでしまうのはもったいない
    途中で 今日はここまでにしておこう
    と 次の愉しみのために栞の紐をはさんでいたのですが
    やはり 気になって
    いつのまにか また 手にしている

    噂には聞いていたのですが
    それ以上の満足感、読後感を持つことができます

  • 胸に迫るクライマックス。
    下巻に入り、怒涛のような展開に、振り回されっぱなしの心!

    清朝末期の動乱に翻弄される登場人物たち。
    立場や思想はばらばらでも同じ願いを持っていた彼ら。
    対外的には列強に国土を蹂躙され、体内的には不正や汚職にまみれて失墜間際の清朝末期。
    断末魔にあえぐ王朝を司る西太后。この人物造形が類型的ではなく、斬新。人の心を持ち、知性を兼ね備えている彼女の姿はちょっとした驚き。

    政にかかわる官僚、宦官、軍人。市井の人々、外国人報道記者、スパイ……
    多くの登場人物の視点から中国の歴史の一部分を切り取っていく重厚な物語。

    涙なくして最後は読めないだろう。しかし、余りにも多い登場人物ゆえ、その全てを描ききれていないのも確かなところだろう。

  • やっぱり、
    運は自分次第
    と勇気付けられました。

  • 読み応えたっぷり!ぐちゃぐちゃになってる清王朝末期の政局の話で、時々頭がこんがらがるものの、面白くて次へ次へと読み進んでしまう。

    人間って、複雑なんだなぁ…ということと、どんなに善意をもって行動していても、どうしようもないこともあるんだなぁと、思った。(これって、作者の伝えたかったことの正反対かも;)

    個人的には、下巻で春児と文秀たち個人の影が薄くなってしまったのが、残念。政局があまりにも複雑になってて、個人どころじゃなくなったのかな。それに、もう一度龍玉が出てくるのかなーと期待してたら、そういう話じゃなかったのね(^^;

    …というわけで、とても面白い、質の高い作品でよかったけど、私の好みとしては、ほんのちょっとツメが甘かったので、☆4つ。

  • 香港租借99年の話は本当に最後のほうなのね。面白かったからよし。でも、この人女性を描くのはあまりうまくない。

  • おもしろかった。泣ける。李鴻章がめちゃかっこいい。けど下巻は、なんかいろいろイラついた部分が多かった。慈禧と載湉の上手くいかん関係とか、無能の康有為とか、なぜかトントン拍子の栄禄とか、めっちゃ重要人物っぽかったのにどっか行ってしもた王逸とか、これまたどっか行ってしもた龍玉とか、何も言わずに妻を残して死ぬやつとか、急に荒れて急に反省する文秀とか、白太太の予言がすごいのか外れてんのかよおわからん感じとか、主人公が誰なのかわからん感じとか。かわいそうな人が多すぎた。

  • 生きる勇気を与えてくれる物語です。何かに躓いた時、また読もうと思います。

  • 后党と帝党を巡る国内の政治対立と外国列強による領土の蚕食が進む清朝 末期の近代史を生々しい人間ドラマとして描いた歴史小説の傑作だと思う。西太后 李鴻章 光緒帝といった歴史の表舞台 に立った(実在の)人物たちと梁文秀(科挙 状元 士大夫) 李春雲(宦官 大総管太監)といった歴史の裏舞台を支えた(架空の)人物たちのそれぞれに絡まり合う人生を縦軸に、清朝最盛期の六代皇帝乾隆帝の亡霊や路上の占星術師白太太の予言などを横軸に織りなされる光と影、虚と実、の壮大な歴史絵巻。
    天から与えられた運命と、時にそれすら変え得る人間の強さと優しさ。それぞれの過酷な運命を背負いながらこの時代を懸命に生き抜いた梁文秀や李春雲らが最後まで人としての本当の優しさを失わなかった姿に、私は何回涙を流したことだろう。

  • 凄い壮大なストーリーだった。上巻は非常に読みづらく挫折しそうになったが、頑張って読んだ甲斐があった。歴史が苦手な私にも分かる名前がちらほら出てきて、おぉ!となる場面もあった。下巻の後半はまじか!ってなるくらい大事になって、チュンルとか李鴻章とかやばかった。

  • 岡圭介さんが編集を担当されました。

  • 地方の有力者の妾腹の次男、文秀。最貧の家の子、糞拾いの春児。
    都で試験にも合格し出世していく文秀。自ら男性性器を切って宦官になり、苦労して道を切り開いていく春児。
    そして、複雑で怜悧でもあり情もある西太后。
    この三人に様々な個性的な登場人物がからみあい、とても面白かった。
    史実とフィクションが微妙に混じり合っているのだろう。全部本とかもと思わせられるのは著者の力量が凄いのね。
    悪女としか知らなかった西太后が、とても魅力的。日本に亡命した文秀は、モデルとなった実在の人物がいるよう。
    清朝が衰退していく大きな原因になったであろう、科挙という高級官僚への試験制度は、リアルに丁寧に描かれていて興味深い。龍玉というダイヤモンドはどうやら作者の創造物のようだ。
    しっかしマダム・チャンが西太后の孫とはねえ!

  • 清末の動乱期を皇帝に仕える気鋭の官僚、西太后のお気に入りで後宮を差配する大物宦官、それらを外から眺める新聞記事の3人を通じて描き出した大作。日中共同でのドラマ化もされています。

    僕は小説は読み返さないので、一度読むと手放してしまいますが、これは高校時代に初めて読んで以来、都合3度買い直して数年ごとに読んでおります。清末の動乱をメインストーリーに、清初の乾隆帝時代のエピソードが語られたり入り組んだ構成が中国史好きにはたまらぬ出来です。

    これともう一つの歴史小説は座右に置いていますが、入試世界史の難問奇問で中国学に定評のある京都の某私大が「満洲八旗の旗の色を答えよ(記述式)」と問うたエピソードにぞわぞわする人ならこれもハマります。

    さて、本書より。
    主役のひとり、宦官の李春雲について。

    その人格ゆえ周囲の宦官たちから圧倒的な支持を集める宦官ナンバースリーの李春雲は、宦官トップの大総管李蓮英の意に背いて筋を通す。

    怒り心頭の李蓮英は部下に李春雲を罰するよう命じるが、春雲を慕う下っ端宦官たちは自らも罰せられかねぬ危険を犯して李蓮英に直言する。

    ○いやいや、あんたは悪者だよ。そっちの崔老爺も悪い奴だよ。わしはあんたの出世をかまどの陰からずっと見てきたけど、ちっとも偉かねえもの。まいないは取る、暴力はふるう、上にはこびへつらって下の者にはいばり散らす。そうやって何が何でも出世しようってのなら、誰でも大総管になってら。だが、この春児はシャオフチーのころからずっと、そんなことはしたことねえもの。見ろよ、李老爺。
    見ろよ。こいつは老祖宗に引き立てられたばかりじゃなく、みんなに推されて出世した初めての大監だ」

  • リアル本棚をブクログに再現しようと画策中。+゚*
    積ん読も消化出来ていないくせにいろいろ再読しています(*´ω`*)

    蒼穹の昴は初めて手に取った浅田次郎作品。中学校の職員室前にPTA寄贈の本棚があって、パラパラめくってみたら気になっちゃって借りて読み、結局買い直したという…
    史実にフィクションを織り交ぜ、物語として結実させる技量は本当にすごいと思う!
    歴史物だから結末は知っているはずなのに、本のなかの登場人物がどう生き、そしてどう散っていったのか、浅田次郎の文章で知りたくなる。フィクションが好きな方にこそ、ぜひ読んで欲しい作品です。

  • 面白かったのは面白かったのですが、主人公2人が出世してしまって動きが少なくなり、上巻に比べるとやや迫力がなくなった気がしました。
    また、この長い小説を読み終えても、物語はまだやっと半分行ったのか行ってないのか。長いお付き合いを覚悟しないといけないようです。

  • 幻想の世界で幕を開けたこの物語は、幕を閉じるその間際で再びあの彼を現から夢の世界に誘う。最後に彼が手にしたもの、蒼穹が透いて見える石こそが、やはり伝説の龍玉であろうか。

  • 登場人物の味付けはあくまで濃く、ストーリーとしての歴史は苛烈で。それでも食傷しない筆致のしなやかさもまた魅力。これぞ歴史小説でしょう、と。この読後感こそが歴史小説の醍醐味そのものでしょう、と。いささか大仰な高揚感さえ持ってしまうほどの熱を帯びた物語。
    しかし、それに比べて学校で教わる歴史の授業がなんとつまらなかったことか…と嘆くのは筋違いだと思うよ。教科としての歴史の無味乾燥な史実の羅列という土壌があってこそ、物語という瑞々しい果実ができるんだからね。そして、その果実は人それぞれ千差万別であることに意味があるんだからね。いや、誰に説教してるのかわかんないけどさ。

  • 中国もので人物の名前に字があり、人物も西太后くらいしかなじみないしすごく読みにくい・・と思っていたけど、キャラがたっているし、何より面白いので楽しく読めました。

    浅田次郎さんは大変文章がうまいとのことで
    以前から読んでみれば?と勧められましたが本当ですね。

    物の見方を変える、頭の体操にもなります。

    自分を成長させる、強くするヒントがこの小説には沢山ちりばめられています。
    「幸せ」についても同じことがいえます。


    「康有為は、改革は自強であると言った。まさにその通りである。自らを悟り、自らを鍛え強めることのほか、改革は有りえない。外国の侵略とか、天変地異とか、そうしたものは自己の改革とはもっぱら関係ない、いわば人間を取り巻く環境の一種であろう。」400p

    特に史了が日本へ脱出する辺りから手紙の部分に凝縮されています。
    史了は、難しい科挙試験に合格して月日をも動かす進士になりましたが、自分という人間とその立場を本当に理解し、悟ったのは全てが終わった後でした。

    自分自身の生れ落ちた境遇に甘んじていないと思っていたようですが、実際は与えられた身分に何の疑問もなく、目の前にいる献身的な侍女もまたそうすることに何の疑問もなく身を投げ出していることから気づいた場面は感動的でした。



    丁度「八重の桜」で会津藩士たちが維新をどう生きたか描かれていたのもあって、読書の助けにもなります。
    また占い師もキーパーソンとして出てきます。見ただけでどんな運命をたどるのかわかるようなそんな占い師がいるなら便利ですが、運命を変えること、運命にさからえないこととはなんだろうと改めて考えさせられました。

    ベネツィアから布教のためにやってきた宣教師とベネツィアに残って名を成した芸術家の手紙のやりとりや、外国の記者たちのエピソード。
    王逸を逃がした少女の話など、いろんな話が交じり合うのですが、それがまたしっかりまとまっていて読み応えがあります。

  • 自分史上もっとも大きな気付きを与えてくれた作品となりました。

    自己啓発本や名言集でかき集めてきたことばが
    物語のそこかしこに隠れていて、それに気付いていくことが楽しかったです。

    そして、自分の中にあった漠然としたもやっとしたものが
    この物語のテーマとなっていたことから、
    とても大きく気付くことができました。

    この本に出会うことができて幸運でした☆

  • 浅田次郎氏のなかでなぜかこのミス過去10年傑作選で一位になった作品。個人的にはミステリーという枠に入るかはちょっと疑問なのですが。NHK大河ドラマの脚本的というか、明治維新より少し後の時代、中国の清国が終わりを迎える様を、西大后やその元で働く紳士や宦官たちが織りなす壮大なドラマを作り上げ描いた作品。一ページに上下段、そして上下刊と壮大なお話を読みこなすには少し時間がかかったし、また読みがなついているとはいえとてつもない数の漢字を読んでいくのも疲れたが、それでも話が面白いのでどんどんと読み進む事ができた。1996年の作品であるけれど、読んでいない方は是非。時間のあるときに。

  • 大好きな浅田次郎の作品の中でも最も壮大な大河小説。

    時代背景の緻密な描写と同時に創作される怒濤の物語。
    小説って面白い、素晴らしい。
    と思わせてくれる珠玉の作品だと思う。

  • 絵師の手紙の文章がとても美しく、見習いたい。制度的に日本が戦国時代くらいかと思い上巻を読んでいたので、文明開化の時代だとわかり非常に驚いた。

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蒼穹の昴(下)の作品紹介

落日の清朝には領土を分割せんと狙う列強の牙が迫っていた。科挙進士の友とも別れ、西太后の側近となった宦官の春児は、野望渦巻く紫禁城で権力をつかんでいった

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