- Amazon.co.jp ・本 (60ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062081504
作品紹介・あらすじ
ル=グウィンと村上春樹が贈る"空飛び猫"第三弾。翼のないアレキサンダーと空飛び猫たちの素敵な出会い。
感想・レビュー・書評
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空飛び猫シリーズの3作目。
今回も原著を読んだあとに読みました。
今回の主人公は翼のない普通の子猫・アレキサンダー。
家族や飼い主から「素晴らしい!」とほめられて鼻高々なアレキサンダーは、「なにか素晴らしいことをしてやるぞ!」とこっそり家を抜け出します。
しかし初めての外の世界は知らないものばかり。
トラックに驚かされ、猟犬に追いかけられ、必死で登った高い木からは降りられなくなってしまいました。
寒さと心細さで震えていたアレキサンダーの前に舞い降りたのは、真っ黒な身体に美しい翼のはえた1匹の猫でした…。
アレキサンダーの素直さをとても愛しく感じました。
ちょっと強がってみようとしたものの、すぐに迷子になってしまったことを認めるところ。
自分を助けてくれたジェーンは自分よりよっぽど素晴らしいことをしてくれた、だからおかえしに今度は自分がジェーンになにか素晴らしいことをしてあげられないかな?…と考えるところ。
そして物語の最後の彼の一言もすてきです。
空飛び猫シリーズのラストの主人公はジェーンのようなので、とても楽しみ。
アレキサンダーとのその後が描かれていることを期待。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
さあ、『空飛び猫』シリーズも3冊め。
翼をもつあの子たちは、今回はどんな冒険を?とわくわくして表紙をめくったら。。。
なんと、今度の主人公は、翼を持たないふつうの子猫、アレキサンダー。
でもこのアレキサンダー、「ふつう」なんて言ったらぷんぷんふくれること間違いなしで
「僕は素晴らしいアレキサンダー!」と確信しているところが、可愛いことこの上ない♪
猫って、多かれ少なかれ、自分のことを
「僕って素敵☆」 「私って最高♪」 って思ってるところ、ありますものね。
この、いわれのない万能感に満ち満ちたアレキサンダーが
ちょっと冒険してみようと思い立った途端、トラックにびっくり仰天し
猟犬に怖れをなして木の上に駆け登り、降りられなくなって
しっぽを太くして幹にしがみついている挿絵がまた、猫好きの心をくすぐります。
でも、アレキサンダーが素敵なのは、「僕って素晴らしい!」と思い込むだけじゃなくて
窮地を救ってくれた空飛び猫のジェーンのために何ができるか考えに考え、
「Me!」(みー)と「Hate!」(ひー!)しか言えなかったジェーンの
心の傷に根気よく寄り添って、彼女の言葉をついに引き出してあげたこと。
正真正銘の素晴らしい猫として、「彼は素晴らしい猫」と褒め称えられて
当然のように「もちろん」と答える、得意満面の顔に
こちらまでにんまりしてしまいます。
そして、空飛び猫ジェーンと、ふつうだけど素晴らしい猫アレキサンダーが
結婚したら、生れてくるのは空飛び猫なのかしら、と
早くもいらない心配をしている私なのでした。 -
世間知らずだけれど、純真で真っ直ぐなアレキサンダーがかわいかった。
ジェーンとのやりとりが、ほっこりする。
弱いところも見せあえる、いい関係だと思う。
「夜はやさし」を読んでみたくなった。 -
かわいい生意気な子猫ちゃん。出来ること=すごい、という固定観念を変えていくお話です。かわいい中にもメッセージ性があり、小学校高学年くらいから読めそう。最後の村上春樹さんの訳注が文化的な背景やエピソードなどを交えてあり、面白かった。
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空飛び猫シリーズの第3弾。
初めて翼のない普通の猫が出てきて、彼が主人公です。この裕福な家で育てられたアレキサンダーが翼のある猫たちと出会って成長します。
訳者の村上さん言うように猫は早熟で、仄かにロマンスの予感も。 -
シリーズ三作目。
アレキサンダー。
空は飛べなくても、素晴らしいことができる。 -
愛は一番強い。
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あとがきのなかで村上春樹がメッセージのある話だと書いているのだけれど、そんなこと関係なくかわいい。
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註釈が素敵。訳者のキャラクターが際立つ。さすが、村上春樹。