ちいさなちいさな王様

  • 講談社
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感想 : 511
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  • Amazon.co.jp ・本 (111ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062083737

作品紹介・あらすじ

ある日、ふらりと僕の部屋にあらわれた、僕の人差し指サイズの気まぐれな小さな王様。

感想・レビュー・書評

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  • ミヒャエルゾーヴァ、アクセルハッケを好きになるきっかけになった本。
    ミヒャエルゾーヴァの絵は、壁の隙間から、不思議な世界を教えてくれ、人生について助言してくれる王様が本当にいるんじゃないかと思ってしまう。
    本棚で大切にしている本です

  •  ぼくの前に突然現れた人差し指ほどの王様。王様の世界では、生まれたときが1番大きく物知りでだんだんと小さくなって消えるのが普通らしい。

     ぼくの世界と王座の世界の違いを互いに話しながら進むストーリーで価値観の違いや死生観などがテーマの大人向けの絵本のような一冊です。

     全く異なる世界にいるからこその考えがとても面白く、常識が覆されるような思いでした。わ

     どんな本かわからない本を買える梟書茶房で買った思い出の一冊。とてもいい本に巡り会えたと思いました。また行って本を買うのもいいですね。

  • 『ある日、ふらりと 僕の部屋にあらわれた、
     僕の人差し指サイズの 気まぐれな小さな王様。』

    十二月王二世と名乗る小さな小さな王様が、ある日主人公の僕の部屋に現れる。
    太った身体に深紅のビロードのマントを着て。
    王様は僕の部屋の本棚の隙間に暮らしていて、気まぐれにやってきては、この世界のことを教えてくれと僕に命ずる・・・

    1993年にアクセル・ハッケが書いたこの作品は、もともとは新聞に連載されていたらしい。
    日本でも人気の高いミヒャエル・ゾーヴァが挿絵を手掛け、哲学的な内容をより神秘的にして、1996年に日本国内でベストセラーになったという。
    私がゾーヴァを知ったのは映画『アメリ』の中で、アメリのベッドサイドにあった豚の電気スタンド!あまりの可愛さに「あれは誰が作ったの?」と調べまくったら、美術担当にゾーヴァの名があり、その後この小さな本にたどり着いたというわけ。
    感動が押し寄せるとか、思わず涙するとか、そんな類のお話ではないけれど不思議と心に残り、このたび何度目かの読了ののちレビューにチャレンジ。

    この王様の国では、生まれた時は初めからすべてを持っていて、年を重ねるごとに身体は小さくなり知識も失われ、大人から子どもへと成長していくのだという。
    王様との出会いからいくつもの思考実験を重ね、不思議な体験をしていく僕の話。
    多くの寓意にあふれていて、僅か108ページの小さな本とは思えないほど読後感は大きい。

    『大きくなることは素晴らしいことなのだろうか?』という王様の言葉に、ページをめくる手も止まる。本当は小さくなっているのではないだろうか?
    確かに知識と経験は増えたけれど、子どもの頃に持っていたはずの夢や想像力は小さくなった。
    すると、人間の世界はあまり素敵ではないと王様が言うのもうなずける。
    王様が「夢や子ども」を表しており、僕が「大人と現実」を表しているのだとすると、この二つは相容れないのだろうか。

    作品の中では、ふたつのボーダーラインがだんだん曖昧になっていく。
    僕の経験がどこまで想像の世界だったのか、種明かしは?と疑う場面もある。
    更に、王様の描写の方が僕よりもはるかに細かくリアルで、サラリーマンという以外全体像が不明な僕に比して、その性格は喜怒哀楽が激しく無邪気そのもの。まさか実在するのか、いや実在してほしいとさえ願ってしまう。

    この作品は、夢と現実との対比がテーマなのだろう。たぶんどちらも同程度に大切で、どちらが欠けてもいけないものなのだ。
    ちょっと辛辣で意地悪な王様に、僕がかけたこんな言葉がある。
    『きっと 小さな王様が欠けていてさびしい思いをしている人が 世の中には、
     本当はもっとたくさんいるんだよ。ただ、そのことに気がついてないだけで』
    そう、私も。
    この頃時々、じいっと本棚の隙間を見つめていたりする。

    • けいたんさん
      こんばんは(^-^)/

      私もこの本が本当に大好きです♪
      購入して何度も読んでいます。
      読むたびに感じることが違う本です。
      ne...
      こんばんは(^-^)/

      私もこの本が本当に大好きです♪
      購入して何度も読んでいます。
      読むたびに感じることが違う本です。
      nejidonさんの感想凄いです!

      そして、私もこの本でゾーヴァが大好きになりました。
      ゾーヴァに関する本も読みました。
      「ミヒャエルゾーヴァの仕事」と「ミヒャエルゾーヴァの世界」とてもよかったですよ。
      どちらかにアメリの話も載っていました。
      2017/07/03
    • nejidonさん
      けいたんさん、コメントありがとうございます
      (^^♪
      レビュー数が多くてびっくりしました・笑
      それだけ、この本を好きなひとが多いのでし...
      けいたんさん、コメントありがとうございます
      (^^♪
      レビュー数が多くてびっくりしました・笑
      それだけ、この本を好きなひとが多いのでしょうね。
      けいたんさんもお好きだとは、何だか嬉しいです。
      内容も良いのですが、ゾーヴァの絵がとても素敵。
      表紙だけで惹きつけられますよね。
      他にも何冊かゾーヴァの本を読んだのですが、これが一番良いかなと思い、
      レビューにしてみました。
      あとは「魔笛」も幻想的で良かったですね。

      挙げてくださった二冊が、こちらの図書館にはないのですよ、シクシク。
      一番欲しいのは画集なのですが、さすがに高い!!
      うーん、ご近所でしたら借りに行きたいところです。
      また素敵な本に出会ったら、お話してくださいね。
      2017/07/05
  • 壁の向こう側をわざわざみようなどと思うのかね?
    どうなっているか知りたいのなら、想像してみればいいじゃないか。ゆっくり落ち着いて、目を閉じてだな、その向こう側の世界を自分で思い描いてみればいいのだ。おまえだって、子どものころは、それが当たり前にできていたのだぞ。

    ここが心に止まった。

    子どものころ持っていたこの力を、呼び覚ましたい気持ちになった。

  • 確か、映画の アメリ の部屋に、この本の絵が、飾っていたような…

  • すきまというものは、自分だけしか知らない世界の入り口なのかもしれない。

    読めば読むほど不思議な本。

  • 忽然と僕の部屋に現れた<小さな王様>の名は<十二月王二世>。 僕の人差し指サイズの小さな王様。この王様の世界では大きく生まれて成長するにつれ小さくなり、しまいには見えなくなってしまうという。「大きくなるほど小さくなる」のは、人間も年を取ると縮んでいき死を迎えるけれど、小さな王様の世界では「命の終わりは永遠の始まり」だという。 さて、この世の中で起きていることや、いま目の前にある現実の世界は、全て本当のことなのか・・・? 〝いま大人が読むべき絵本〟と柳田邦男氏お薦めの哲学的示唆にとんだ幻想の物語。

  • ある日あらわれた人差し指サイズの王様とサラリーマンとの5つの遣り取り。児童書・童話っぽい装丁ですが、「大きくなると小さくなる」「存在しないものが存在する」「忘れていても覚えている」など相反する言葉の哲学的な命題と、王様が何気なく大事な事を言っている風で大人向けに思います。が、大人の自分でも核は掴めなかった^^;『たまには自分の頭で考えたらどうだ!』と王様に叱咤されそうw

    • はこちゃんさん
      おぅ!これ好きでーす(*^_^*) 私も登録しよっと♪
      おぅ!これ好きでーす(*^_^*) 私も登録しよっと♪
      2013/09/04
  • 僕の部屋の壁と本棚の隙間から気まぐれに人差し指くらいの王様がやってくるようになったという不思議な話。王様の問いかけが奥深く児童書であるにかかわらず大人も読める奥深いお話になっています。そしてなんといっても挿絵がかわいい。

  • 絵本みたいで読みやすかった。
    子供心を思い出せるような本で、よくわからんけどほっこりする話。日常を大事にしようとか小さなものに幸せがあるとか考えずにただ読んでいったら、ほっこりするだけでおわる。

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著者プロフィール

1956年、ブラウンシュヴァイクに生まれる。南ドイツ新聞の記者を経て、2000年よりフリーの作家として独立。南ドイツ新聞の週刊マガジンのコラムニストも務める。著書に『ちいさなちいさな王様』『キリンと暮らす クジラと眠る』『冷蔵庫との対話 アクセル・ハッケ傑作集』『クマの名前は日曜日』『プラリネク』など。


「2019年 『僕が神さまと過ごした日々』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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