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この作品からのみんなの引用
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あなたは誰か(何か)に対して自我の一定の部分を差し出し、その代価としての「物語」を受け取ってはいないだろうか?私たちは何らかの制度=システムに対して、人格の一部を預けてしまってはいないだろうか?もしそうだとしたら、その制度はいつかあなたに向かって何らかの「狂気」を要求しないだろうか?(省略)あなたが今持っている物語は、本当にあなたの物語なのだろうか?あなたの見ている夢は本当にあなたの夢なのだろうか?それはいつかとんでもない悪夢に転換していくかもしれない誰か別の人間の夢ではないのか?
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たとえ五〇年以上前のこととはいえ、そんな愚かしいことが実際に行われていたという事実に、私は少なからぬショックを覚えた。しかし実はそれとほとんど変わらないことが、この現代の日本において繰り返されているのだ。これは悪夢以外のなにものでもなかった。
結局ノモンハン敗北の原因は、陸軍上層部によって有効に分析されることがなかった(分析はもちろんある程度おこなわれたが、それはかなり都合の良いものだった)。その真の教訓は将来のためにまったくいかされなかった。
― 720ページ -
ここの過失の洗い直しはもちろんなおざりにされるべきではないが、それよりもはるかに大事なことは、「私たちの社会システムが用意していた危機管理の体制そのものが、かなり杜撰で不十分なものであった」という大きな現実を身にしみて認識することであるだろう。
― 719ページ
みんなの感想・レビュー・書評
地下鉄サリン事件の被害者、遺族へのインタビュー、全60人。読んでるうちに、まさに自分が体験したかのような錯覚におちいる。
読んだのはだいぶ前です。
20日で事故から17年経過したという記事を読み、忘れないように登録しました。村上春樹による地下鉄サリン事件の被害者のインタビュー集。
1995年の地下鉄サリン事件における被害者へのインタビュールポ。読みやすくするため、またインタビュイーのプライバシー保護のため、手を加えたり削り落としたりした部分は多くあるそうだが、それでもテレビで見ていた映像から伝わるものとは全く異質の「一人一人の地下鉄サリン事件」が生々しく、そして克明に描かれていた。
早川紀代秀死刑囚の「私にとってオウムとはなんだったのか」、森達也の「A」そして村上春樹の「アンダーグラウンド」、すべてを読んで初めて少しだけあの事件、オウムという教団、麻原彰晃という人間について、が私の中でぼんやりとした輪郭を持った。
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/4062085755 ── 村上 春樹《アンダ-グラウンド 19970313 講談社》 http://booklog.jp/entry?keyword=%E6%9D%91%E4%B8%8A%E6%98%A5%E6%A8%B9+%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E... 続きを読む »
ちょっとまって時間あったら読む、と途中で積み。
サリンってそんなに記憶がないですが、すんごい事だったんだと
読みたいからちょっと待って(誰に言ってるのか
淡々とインタビューを載せてゆく。62名のサリン事件の被害者。なにより面白いのがサリン事件について、ではなく、ベールに包まれていることの方が多い村上春樹の人間性を知れたような気がするからだ。そこにある問題意識に村上春樹を垣間見た気がする。
岐阜の目抜き通りを歩いていたら、右手に各種週刊誌がディスプレイされたのキオスクよりちいさな本屋があって、その右隣りには、赤錆の目立つ華奢な階段が、倉庫の隅に立て掛けられた脚立のように、所在無げに伸びていた。 通りは閑散としていて、車の往来こそ絶えないものの、歩道には、不意に立ち止まった俺を避けて通る人もあるにはあったが、振り返って非難の目を向けるほどの邪魔にはならないようだった。 特筆すべき事... 続きを読む »
村上春樹は言う。人は物語なくして生きていくことはできないと。 『物語とはもちろん「お話」である。「お話」は論理でも倫理でも哲学でもない。それはあなたが見続ける夢である。あなたはあるいは気がついていないかもしれない。でもあなたは息をするのと同じように。間断なくその「お話」の夢を見ているのだ。』と。 『物語』。たいへん興味深いキーワードだ。 一見ふわふわとしたメルヘンチックな雰囲気である... 続きを読む »
地下鉄サリン事件に巻き込まれた人々のインタビュー。
被害者なのに容疑者扱いされたり、警察や官機構のずさんさが目立つ。
今からもう、15年以上前に起きた地下鉄サリン事件の被害者の方々へのインタビュー集。敢行されたのは事件から約2年後、やはり15年近く前になる。 『1Q84』のベースにオウム真理教の存在があると以前から聞いていたし、まだ読みかけ(笑)の『雑文集』にも『アンダーグラウンド』についての記述が多々見られたため、図書館で借りて読んでみた。 オウム真理教に関わる一連の事件の報道のされ方は、当時小学生だ... 続きを読む »
阪神大震災が起きた2ヶ月後、オウム真理教により、地下鉄にサリンがまかれる。そこに乗っていた被害者とその遺族への約60件のインタビュー集。
そのインタビューで、著者は地下鉄に乗っていた被害者たちへ不運さを同情することはない。そして、彼らがどんな人生を歩んでいたかを丹念に取材する。
著者が知りたかったのは、その地下鉄にどんな人が乗っていて、何を感じたか。それだけだったんだろう。巻末の「オウム論」はおまけのようなものだ。
地下鉄サリンの被害者へのインタヴュー。
事件当日の築地の様子などテレビで観てはいましたが、
どれだけ普通に暮らしていると思っている自分と被害者とは何も違わない、自分にもあり得た事件だったと思う1冊です。
地下鉄サリン事件の被害者や、オウム真理教の(元)信者へのインタビュー集。『システムと個人』をテーマにした作品の多い著者ですが、これもノンフィクションながらその一つと言えるかも。
社会が許容できなくなったカルト集団についてのルポ、という感じです。『神の子どもたちはみな踊る』や『1Q84』とあわせて読んでも面白いかと。
以前買ったが、実家においてきてしまっていた。図書館で見つけ、ふと読みたくなり、重かったけどよいしょと借りて帰った。借りてからも、授乳の合間に読むには物理的にも心理的にも重かったため、しばらく放置していた。しかし、読み始めたら全然止まらなくなり、ずんずん読んだ。
1995年3月20日の地下鉄サリン事件の関係者へのインタビュー。村上春樹の真摯な姿が目に浮かぶ。一人一人と向き合う姿勢は感服。読んで、心が苦しくなったし、涙も出た。でも、やはり、知らないより、知っている方がいいと思った。私の中で、オウム真理教、又、他の宗教、まだ、分からないとしか言えない。いつか、なにか分かるだろうか…
地下鉄サリン事件の被害にあった方々の証言は生々しい。 それぞれ実に個性的な方々の証言が興味深い。 そして、村上春樹がむすびの部分で、指摘していることも考えさせられた。 「私たちを含んで機能している社会システムは多くの部分で、個人の自律的パワープロセス獲得を圧迫しようとする。」 「オウム真理教に帰依した人々の多くは、麻原が授与する『自律的パワープロセス』を獲得するために、自我という貴重な... 続きを読む »
この作品については批判などもあったが、この根気のいる膨大な時間を要する作業の積み重ねの結果の貴重な記録である。宗教団体が起こした大きなテロ事件をその被害者に面談し状況を聞き取り727ページにも渉る膨大なリポートを書いたことに敬服。何も行動を起こすことなく批判のみに終始する輩が多いが、作家「村上春樹」が成しえたこの功績は大きい。
体験者インタビューを著者が編集して記載。
生い立ち、地下鉄にのった理由、その後までを語っている。
日常が非日常に変わる瞬間は誰にもわからない。
「変」と感じる直感、違和感はみんな気付いていても、自分は大丈夫と思っている。
不注意に、日常の業務をこなすために、強烈なニオイや倒れていく人をみても、変化を目の当たりにしても、仕事や目的地へ向かってしまう。
配偶者が死んでしまったひとから、比較的軽くすんだひとまで、それぞれの角度から事件を振り返る。日常のあっけない崩壊、突然の悲劇、すれ違う人間の狂気、どれも当然ですが物凄くリアルで、どうしようもなく不安になった。
地下鉄サリン事件の被害者遺族へのインタビュー集。あの日犠牲になった人、周りの人、1人1人の人生が想像できてとても辛い気持ちになった。けれど、あの日何が起きたのか、を多少なりとも知ることができた気がして、読んで良かったと思う。







