宣戦布告 上

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 186
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062086127

作品紹介・あらすじ

敦賀半島水晶浜、午前4時。誰一人その惨劇を予測することはできなかった-。

感想・レビュー・書評

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  • 覆面ライター麻生幾さんのフィクションです。
    北朝鮮の特殊部隊が福井県の原発施設をテロ攻撃するのですが、その有事に対する国家(政府、警察、自衛隊)体制の不備を的確に洗い出しています。かなりリアルに近い内容となっております。
    麻生さんは、他にも公安警察もののフィクションや、NHKで放送された外事警察など安全保障&インテリジェンス関係の作品を多数だしており、その正体を知りたいと思うのは、自分だけではないでしょう。
    かなりの取材力をお持ちなのか、もしくはその筋の職務経験を有しているのか、へたなベタ記事では得ることができない知識を吸収することができます。

  • 素人でも日本の防衛の仕組みが分かり、銃火器の使用で引金を引く事さえも地団駄を踏むような過程を踏まないと為すことが出来ない、読んでいてジレンマに陥る。ジリジリと迫り来る恐怖と殺らなければ殺られる恐怖との戦いが上手に描写されている作品である。

  • 実際に起こったら日本終了だよ。

  • 長いねん…

  • 下巻にて

  • 10月27日 ~11月5日

    感想未記入。

  • (2004.06.09読了)(2002.09.18購入)
    北朝鮮が日本に攻め込んでくるという近未来小説とか言うので、読んでみることにした。

    敦賀半島水晶浜。浜の向こう側には、美浜原子力発電所がある。夜に水晶浜に車で来た男女が、海上に巨大な黒い塊が浮かんでいるのを見つけた。男は、潜水艦と判断し、午前4時5分福井県警に電話した。県警の当直員は、緊急事態マニュアルを見たが潜水艦が漂着した場合の処置などどこにも書いていない。あちこち連絡して、海上自衛隊の潜水艦ではない。アメリカ軍の潜水艦でもないことがわかった。ということは、敵の潜水艦!
    中国や北朝鮮の潜水艦の能力では、日本にこれない。ということはロシアの潜水艦!
    機動隊員が潜水艦に近づき中に入ってみると誰もいなかった。書類が焼かれ、通信設備が壊されていた。潜望鏡の傍らにある指令台には北朝鮮の後継者の写真が飾られ、あちこちの機械にハングルのラベルが貼り付けてある。ほかに手榴弾が1個残っていたが3ダース分がカラッポの入れ物が残されていた。潜水艦は、北朝鮮のもので、乗組員は既に上陸している。付近を捜索してみると、20人以上の足跡が見つかった。自衛隊は簡単には動けない。原子力発電所の警備は、民間警備会社が担当している。
    水晶浜から、南へ4キロの泰蔵院というお寺の付近でフラフラ歩く不審な男を警察官が発見、職務質問したが日本語がわからないので、任意で連行した。
    通訳を使い尋問してみるが口を開かない。口を利かせるために、朝鮮人が好む食事とお酒を用意して、食べさせ飲むに任せて後、「日本にスパイ罪は無いので、死刑になる事は無い」と言い聞かせて聞くと、酒も手伝ってか、喋り始めた。彼は、潜水艦乗組員で兵士ではないという。彼以外に11人乗っていたという。11人は偵察局の特殊部隊で、潜入させようと海岸に近づいたら潜水艦が座礁してしまい全員で逃げたのだという。任務は何かを聞いたが言わない。彼らは、対戦車ロケット砲、迫撃砲、機関銃、を持っているという。
    日本の警察で太刀打ちできるような、武器ではない。警察の対テロ特殊部隊を投入。
    2日目、北朝鮮兵士を見つけたら、射殺してもいいかどうかを検討。3日目、射殺決定。潜水艦に残されていたビデオを再生してみたら、美浜原子力発電所施設の警備詰所の様子が長時間にわたり録画されていた。自衛隊の化学防護車の貸与をお願いしたら、車は貸せるが運転手を出すと自衛隊の出動になるので、だせない。運転は簡単かといえば、慣れていないと動かせないという。
    6日目、6時20分、山狩り開始。午後4時過ぎ、不審者発見。射殺するため近づいたところで、射殺命令解除。もちろん首相からの命令。その直後、対戦車ロケット砲発射。隊員一名ばらばらに引き裂かれ死亡。4名重症。とても太刀打ちできないので、撤退。
    自衛隊を出動させる場合、有事立法前では、部隊を駐在させる場所等の確保をするには、個別に地主と交渉するしかない。いざという時の間に合うようなものではない。
    9日目、事件発生の早朝に、山菜取りに出かけた民宿のおかみさんが死体で発見された。鋭利な軍用ナイフで刺殺されていた。
    12日目、北朝鮮の国営通信が「潜水艦が故障で、日本領内に入ってしまったものなので、潜水艦と乗組員を帰せ」といっている。
    13日目、美浜原子力発電所の警備に当たっていた機動隊員が狙撃受けた。3名負傷。
    さらに北の高速増殖炉“もんじゅ”の警備部隊がロケット砲の砲撃を受けた。
    (自衛隊を創設し、維持してきたが、有事の準備が出来ていないので、いかに使い物にならないかをわからせるために作られた作品というところでしょうか?そのために、現実だったら、北朝鮮兵士は、上陸したらすぐさま、目標の原子力発電所を立て続けに破壊して、日本を大混乱に陥れるだろうと思われるのに、北朝鮮兵士は、なかなか動かない。)

    著者 麻生 幾
    1960年 大阪府生まれ

  • この本が出てずいぶん経つけど、結局このような事態は起こらないまま隣国さんは潰れてくんでは?

  • 敦賀半島に北朝鮮の特殊部隊が上陸した.警察,自衛隊,首相官邸,非常時にもかかわらず縦割り組織の中で意思決定は遅々として進まない.その中で現場での犠牲者は増えていく...

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著者プロフィール

大阪府生まれ。小説デビュー作『宣戦布告』がベストセラーになり映画化。以後、『ZERO』『瀕死のライオン』『外事警察』『奪還』『特命』『銀色の霧』『QUEEN スカイマーシャル兼清涼真』など話題作を発表し続けている

「2022年 『トツ!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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