仲蔵狂乱

  • 43人登録
  • 3.29評価
    • (1)
    • (6)
    • (13)
    • (0)
    • (1)
  • 9レビュー
著者 : 松井今朝子
  • 講談社 (1998年3月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062090742

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

仲蔵狂乱の感想・レビュー・書評

  • 講談の「中村仲蔵」をきっかけに初代仲蔵に興味をもって読んだ。4世鶴屋南北と時代が重なる部分があり、それもまた面白くあった。仲蔵が生きた時代の世相や歌舞伎芝居の様相、役者たち、生き生きと。仲蔵に入れ込みすぎて、途中一緒に苦しんだり悲しんだり悔しかったり…久々に夢中読書した。

    ちなみに、仲蔵狂乱とは「狂乱雲井袖」という所作の俗称。初代仲蔵の踊りが評判となりこの名がついたそう。

  • 落語「中村仲蔵」でその存在を知ってはいましたが、落語の噺は、この人の苛烈な芸人人生のほんの一部分でしかなかったのですね。稲荷町から名題に登り詰めるまでよりも、だれもが認める千両役者になってからの苦労の方がより過酷なんですね。文章が非常に読みやすくて、一気に読めました。

  • ううん、この名跡は知らなかったのだけどwikiるとやはり実在の方なのですね。とすると、史実を調べ上げ、想像力で肉付けしつつ中村仲蔵たる歌舞伎役者の一生を描きあげた作品ということなのでしょう。実在する歌舞伎界のスラムドッグミリオネア。梨園の生まれでもなく、エキストラから千両役者へ、こんな役者がいたんだなぁ。いちばん人生の苦しい時期に、死を考えてまさに狂乱、な時からはじまり、「何があったの。。。?」と、ぐっと読者をひきつけてから生い立ちが始まる。天涯孤独のみなし子が苦労知らずに育つはずはなく、ほどなく死を考えた場面に至るその理由も知るところとなり。。。。。いやぁ、ひどいね。胸が悪くなる。いいことばかりではないし、運が向いたとおもえば突き放され、苦労と成功と忍耐が折り重なった人生。でもここに描かれる仲蔵という男の生き方は、私も常々思っている【人生は恩返しができるかどうかだ】という目標を体現してくれてるような生き方だと思った。恨んだり人を蹴落としてよい席に座る人生もあろうけれども、苦労しても、かくありたいと思う心根の芯が通ってるとおもったね。そして全盛期の名人芸を評されたのもまた“仲蔵狂乱”に戻ってくるあたりタイトルと筋の絶妙!それにしても歌舞伎の世界というのは、こうしてお江戸のむかしから連綿と列なって今に至っているもんなんだねぇ。エビ蔵もいろんな苦労があるんだろうなー。そこに生まれたからには死ぬまで歴史を背負う限られた家のひとたち。そしてそこに生まれたわけではないけれど、そこに加わることでその重さを支え時代とともに発展させる力となるひとたち。皇族とかだともっと深い重いものがあるんだろうな。畏れながら。とにかく松井今朝子作品はハズしがありません。死ぬまでに全作読破したい作家さん。です。

  • 2004年8月6日読了。以下、過去の日記から抜粋。

    もう数年前の話、市川団十郎・新之助(現・海老蔵)が
    共演していた歌舞伎のドラマがありました。
    当時、助教授の影響で能にどっぷりつかっていた私は、
    歌舞伎の世界についてはほぼ無知も同然の状態でした。
    よって、あのお家第一・血筋第一の歌舞伎世界にあって、
    一代で頂点にのぼりつめた人物のことを知るよしもなく。
    忠臣蔵ぐらいは知っていても、定九郎の何たるかも知らず。
    ただ面白い、格好いいと漠然と思ったぐらいでした。
    しかし、今思えば、あれも一つの契機だったのでしょう。
    能・狂言と同じぐらい、歌舞伎・文楽にも興味を持つようになりました。

    原作本は、仲蔵の一生を描ききるものですから、
    あの定九郎の当たりだって、一つの挿話程度の扱いです。
    むしろ、定九郎の当たりによって人気を集めだした後の話、
    スターの階段をのぼることの光と影が面白いのです。
    しかし、ドラマはあの定九郎の役作りを完成させることがメイン。
    ドラマはドラマで面白かったなぁとおぼろげに思います。
    (見直したら、え~っとなるのかもしれませんが)

  • 図書館にて。
    歌舞伎の世界の裏側が詳しく描かれていて、
    小説というよりドキュメンタリーのような感じ。
    この人の文章は読みやすく、わかりやすい。

  • 詳細。中村仲蔵の「月雪花寝物語」を元に書かれた様子。綺羅星の如き時代の役者たち。20070913

  • 江戸時代の歌舞伎役者、中村仲蔵の一代記。
    面白いよー!
    捨て子だったため、他人の機嫌を取らないと生きて行くことが出来なかった仲蔵。
    最下層の役者から必死に這い上がる辛酸は、並大抵のものじゃないのだ。
    それだけ苦労しているにも関わらず、なんか甘いんだよな仲蔵。
    つい他人を信じちゃうんだよな。
    いいヤツなのか、仲蔵?
    先輩や同僚の役者や興業元と言った仲蔵と関わる連中も、皆ひとクセある人間ばかり。
    でも、読後感がすっきりしているのは、心底救いがたい悪人が出て来ないからなのです。
    一見、悪に見える部分があっても、皆、魅力的。
    それは、キャラが信ずるところに従って生きているからだと思うんだよな。
    ぴしりと一本、筋の通った人生を生きてる人たちはカッコいいと言うお話。

  • 孤児、子役仲坊、稲荷町のお下、中通り、三階に上がり悪人の敵役、善人の立役、そして千両役者、座頭へ、大阪・京へも上り三箇都一の大名人に。往時の歌舞伎世界を垣間見候。

全9件中 1 - 9件を表示

仲蔵狂乱を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

仲蔵狂乱を本棚に「積読」で登録しているひと

ツイートする