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- Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062092869
感想・レビュー・書評
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連作短編集。一話で漂った濃厚な死の匂いがまさかまさか最終話まで続く。そしてまさかの作者の実話を元にしてるというんだから堪ったもんじゃない。きついです。(桐切)
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年老い、そして死に向かう猫の存在感と匂い、そして刻まれてゆく記憶。
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深夜、仕事から帰る私を、猫はいつも玄関の扉のところで待っていた。闇の中にひっそりとうずくまっている猫を見るたびに、私の心はしなびた袋から弾力のある柔らかな袋へと回復していく。夜気で冷えた体を抱けば、頬や首に触れる毛の1本1本から、迎えられている情感が広がっていくのだった。私は家に帰るのではなく、猫のいる場所に帰っていたのだ。猫に迎えられ、毛に包まれ、舌で顔中を舐められるために。──
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