1997までの河合さんの著作30冊の感想が、有名作家などによって解説されています。
一番印象に残ったのは、最近97歳で亡くなった兄の河合雅雄さんの文章でした。
雅雄さんが任された「物語とふしぎ」という頁は、視点が終始、弟である河合隼雄さんとご自身の思い出話になっています。
以下、他に印象に残ったところ
子どもの本を読む の解説部分
・河合さんが子供の本に論じるようになったきっかけは「ゲド戦記」からとある
私:これは初見、河合さんが絵本に興味をもったのは奥様の影響という記事がどっかにあった、もしかしたら奥さんが「ゲド戦記」を推したのかも?
生と死の接点 柳田邦夫さんの書評
・死後の生命という視点から現世の生を照らし出すことによって、より意義のある生の把握が可能となる
・たとえ(80歳に至らずに)若くして死んだとしても、全体性を全うすることは可能と考えられる
私:この「子供のうちに死んでしまっても、80歳で死んでも同じ」みたいな表現、「ユング心理学と仏教」など河合さんの他の本にも散見する。これが納得できない、ストンとこない。私のここ5年ぐらいの懸案になっている。
イメージの心理学 横尾忠則さんの書評
・ある宗教をほんとうにわかるためには、自身の身体を用いねばならないことを、よく知っておくべきである。
・「その日暮らし」をイメージするのが肉体の究極ではないか
・死後生命をイメージすることは理性を強化させることにもなる。
・すべてのイメージは欲がつきまとう。したがって必ずきちんと肉体を行使する必要がある。これが理性ではないか。
私:柳田邦夫さんの書評と酷似、というか、私がこうゆう言葉に関心があるんだろうと思う。
「臨床教育学入門は」の解説部分
河合さん自身がかかわった学部創設の意義を鼓舞する本
私:一度読んでみたい、河合さんが目指した1997年以降の道筋が読めるかも?
以上 2021.8.22