第一級殺人弁護

著者 :
  • 講談社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062096362

感想・レビュー・書評

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  • 秘書一人の細々と弁護士事務所を構える京森英二。当番弁護士制度により刑事事件の被疑者の接見に少額の報酬ででかける短編5編。いずれも大きな殺人事件に関わることになり、頼りなげな京森が選任弁護士となり事件にあたる。どの話も真相に迫りそうなところであれっという感じで終わったのと、期待していた法廷場面が三つめの話だけだったのが残念。しかし、その話でDNA鑑定の信頼性を打ち破った弁論は緊張感があった。そして、遺産の相続人排除の申し立てを代襲相続の理論で覆す場面も法廷ミステリーだなと思った。

  • 京森英二は弁護士事務所を経営している。といっても、女性秘書と自分だけの零細事務所だが。金にならない事件ばかり扱っている。特に当番弁護士にあたった時は身銭を切って所轄の警察署に被疑者との面談にいかなければならない。そんな若手弁護士の事件簿。

  • 個人的にびっくりしたことがひとつ。

    まず一作目に目を通したとき、主人公の京森という名前に既視感をおぼえた。
    なんでだろう…と思いながら、「措置入院」を読み始めて、この話読んだことある!!とピンときた。

    中学のときに、講談社編集の、「密室+アリバイ=殺人」や、「どんでん返し傑作集」系のシリーズにはまっていて、ほとんど全部集めていた。
    その中の一冊のどこかに措置入院があったのだ。
    弁護士が病院を取り囲むシーンが印象的だった。

    そういえば、もう一つ、水族館に行く話もあったような…イルカがどうとか…と思いながら読み進めると、また出会った。
    DNA解析の説明を受けるために、京森が水族館の研究員に会いに行くのだ。


    なんだかわからないけど、すごく感動した。
    11年も前に、荒らすように雑に読んだ短編集の内容を覚えていた自分に、そして同時に、たった11年前に読んだ話なのに、「精神病院で虐待があった」「弁護士が病院を取り囲んだ」「水族館に行った」「電話を録音していた」ぐらいの記憶しか残っていなかった自分に。

    速読で多読って、本読んでるって言えるのかな…。

  • (収録作品)犯罪被害/民事暴力/鑑定証拠/措置入院/不法在留

  • 当番弁護士制度によって不本意ながらも関わることになった犯罪事件に挑む弁護士・京森英二が主人公の短編集。

    短編でありながら、一話一話がリーガル・サスペンスとして充実。面白かった。(最後の事件の結末は多少モヤッとしたけど、、、。)主人公のキャラもイイ。一見、風采の上がらない、日々の事務所経営に汲々としている貧乏弁護士が、なかなか優秀な活躍を見せるのが痛快。お固そうなリーガルモノを、軽く読ませて楽しませてくれる作品だった。

  • 弁護士が主人公の短編集。タイトルに偽りありというか、実際に弁護をするシーンが出てくるのは5作中1作だけ。それも判決が出ているわけではないし、全体的に「これから盛り上がりそう」なところで作品が終わっていてしり切れとんぼの印象。正直に言って期待外れだった。

  • 時に解説を挟みつつ、読者に対して法律を分かりやすく提示しながら、ストーリーが展開していく。


    かっこいい弁護士というよりは生活に困りつつ、なんとか遣り繰りしているような弁護士が主人公。


    当番弁護士という制度に焦点をあてつつ、様々な社会の暗部をも照らしだしている作品。

    短編集でもあり、読みやすいのでお薦め。

  • リーガルサスペンス。専門用語が多くわかりにくいところもありましたが、話の流れで全体像を捕らえることが出来ました。
    くたびれた弁護士京森さん、実は正義の味方なんですね。

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著者プロフィール

1955年茨城県生まれ。早稲田大学法学部卒。ジョン・グリシャムの作品に影響を受けて小説執筆を始め、横浜弁護士会に所属しながら1994年『検察捜査』で第40回江戸川乱歩賞を受賞。現役弁護士ならではの司法界のリアリティと、国家権力の影を作品に取り込むスケールの大きいエンターテインメントで人気を博す。著書に『違法弁護』『司法戦争』『第一級殺人弁護』などがあり、本書は『検察捜査』『新検察捜査』に続き女性検事の岩崎紀美子が活躍する最新作である。

「2023年 『検察特捜 レディライオン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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