M1

著者 :
  • 講談社
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感想 : 47
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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062096850

感想・レビュー・書評

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  • 主人公は元金融 今は教師。
    生徒の家の会社の工場のトラブルに関わっていく話だったけど 金融 マネーロンダリング 地域貨幣とかの展開になっていって ちょっと 難しかったです。
    こういうのが好きな人には面白いと思います。

  • S図書館 2000年
    主人公は辛島武史、前職は商社、現在私立高校教師
    生徒の黒沢麻紀の父の会社、黒沢金属工業の倒産から助けるため奮闘する

    《感想》
    「M1」とは、現金と預金の総量でマネーストックの指標
    なんで高校生が出てくるのか?読むのをやめようかと思った
    しかし、しばらく読んでいくと振興券が二重に印字されている辺りから急に面白くなってきた
    やっぱり金融を書かせたら右に出る者はいない、実力派の池井戸氏
    金融の複雑さが非常に面白かった

    以下ネタバレ内容
    下請けの協力会社は、町のドンみたい会社、田神亜鉛から振興券を買わされた
    田神亜鉛は倒産するはずがないと思っている
    しかしその実態は粉飾決算をしていて、実際は赤字会社だった
    そして取引先を通しマネロンして、その金は暴力団に繋がり、計画倒産しようとしていた
    振興券は紙くずになり連鎖倒産は避けられない状態になるだろう
    実は田神亜鉛も利用されている側で、そのスキームを加賀翔子が仕組んでいた
    その加賀も過去に暴力団に父を殺されたあげく、父の会社アトラス交易を乗っ取られた被害者だった
    こんなややこしい感じだ
    こんなこともありながら、要するに辛島は黒沢金属工業が持っている振興券を現金にできれば倒産を防げるということで奔走する

    またトロッコ列車の枕木にぶら下がるアクションや、パイラビル鉱山、リチウム等の名称も飛び交うから面白さが倍増だ

    最後に各々の会社の結論がまとめられている途中がわからなくても多分納得できると思う
    考えてみたら地域振興券なるものも仮想通貨な訳で、信用がないと実は危ない
    つくづく見えないお金になっていく世の中を憂慮してしまうな

  • 金融小説が確立したころの池井戸の作品。新しい作品のほうが私は好きだ。

  • 架空通貨だった。

  • 元商社マン(企業の調査役)の学校の先生が生徒の父の会社の倒産にほんろうされる話。お金が人の人生を買える怖さ。

  • いつもの爽快感はあまりなかった。

  • M1(エム・ワン)

  • 池井戸潤のデビュー第二作。地方の閉鎖された町に独自の紙幣が流通しているという設定。その謎を解き明かしていくお得意の金融小説。文庫本では、「架空通貨」に改題されて発売されたが、今でも色あせることはない。

  • 元商社マンの高校教師と女子高生。美人のやり手経営コンサルタント。
    女子高生の父親が経営する工場が不渡りを出したことから物語が始まる。
    マネーロンダリング、私募債、そして架空通貨の田神札。
    池井戸 潤 得意の金融ネタが物語を進める。

    一企業が発行した紙券が架空通貨として流通する異常な街、田神町。
    しかしそれは金本位制を崩壊させた一国家の発行券が流通する現実世界と変わりない。
    通貨は、等価交換できるから価値がある。
    この未来の信用がなくなれば、すべての通貨は紙くずと化す。

    硬貨に裏表があるように、金にも常に裏の働きがある。裏の働きとは、
    金を持つ者の心を支配するという働きだ。金の裏と表は、夢と絶望という言葉に置き換えてもよい。
    金策に人生を縛られ、翻弄される人たち。

    池井戸 潤の江戸川乱歩賞 受賞後の第一作となる。半沢直樹、下町ロケット以前、2000年の発表作。

  • 池井戸潤得意の金融サスペンス。舞台はちょっと大がかりで一つの街まるごと。社債、特に私募債の仕組みがらみで、割と詳細な金融取引の手続き、それと海外の企業も絡んだマネーロンダリングに乗っかったストーリーだから、ややその辺はくどさというか、少々マニアックに寄りすぎかもという気もしないでもない。ストーリーそのものだから、端折りようもないところだが。六法全書の引用など苦心の跡も見られる。あとは、登場人物の人間相関図というか、その辺の普通の小説的な部分だが、うーん、正直ちょっとその、マニアックな部分がやや読み手にとっては重たく感じられる部分、入り込みにくい、という気にさせられた。キーパーソンの加藤祥子など、なかなか魅力的なキャラに書かれてるとは思うのだが。あえて言えば、ちょっとけちをつけることになるが、まず主人公の辛島が、学校の先生という設定、元凄腕金融マンなのに、っていうのがなんだかなじまないというか。それから、準主役の女子高生、黒島麻紀が、ちょっと女子高生らしく感じられないというか。他の池井戸作品に登場する大人の女性キャラを無理に高校生の型にはめているというか。
    全体的にはスリリングで、ハラハラドキドキ、次の展開は?おーなるほど、とページをめくらせ続ける、池井戸潤らしいうまさを楽しめる作品で、面白かった。

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著者プロフィール

1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を、11年『下町ロケット』で第145回直木賞を、’20年に第2回野間出版文化賞を受賞。主な作品に、「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』『アルルカンと道化師』)、「下町ロケット」シリーズ(『下町ロケット』『ガウディ計画』『ゴースト』『ヤタガラス』)、『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』『民王』『民王 シベリアの陰謀』『不祥事』『花咲舞が黙ってない』『ルーズヴェルト・ゲーム』『シャイロックの子供たち』『ノーサイド・ゲーム』『ハヤブサ消防団』などがある。

「2023年 『新装版 BT’63(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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