デューク

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (72ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062104852

作品紹介・あらすじ

クリスマスソングが流れる12月の街、私と「彼」との奇跡…。

感想・レビュー・書評

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  • 中学の教科書に載ってるということにビックリして、改めて読む。
    飼い犬のデュークが死んで、それでもアルバイトに行かなくてはいけない「私」は家を出てからずっと泣いてる。歩きながら、電車でも。
    そんな私を守るように現れたハンサムな男の子。

    拗ねた横顔がジェームス・ディーンに似ていて、ピアノを聴き、キスが上手い。
    どこのモテ男!というようなグレーの目をしたムク毛のデューク。
    淡々とした文章に山本容子さんの優しいけど、どこか硬質なイラストがクリスマスの小さな出来事を切り取る。
    かつて自分の近くにいたふわふわで温かい彼女たちに会いたくなった。 

    淋しそうに笑った顔が、ジェームス・ディーンによく似ていた。

  • クリスマスということで、何かいい本はないかな・・・と、探していると
    中学の時の教科書に載っていた、「デューク」

    クリスマスソングが流れる街で起きた奇跡。愛する犬・デュークが死んでしまった。悲しくて涙が止まらない私の目の前に現れた少年。晴れた冬の1日を彼と過ごした私が受け取ったメッセージは……。

    どこか、月9感?があっておもわずうっとりしてしまいました(*^_^*)

    猫もいいですが、犬もいいものですね(笑)♪

    • kuroayameさん
      レビューを拝見させていただき、うるっときちゃいました♪。
      あたたかなお話の雰囲気が伝わってきて、とても素敵なレビューを拝見させていただきあり...
      レビューを拝見させていただき、うるっときちゃいました♪。
      あたたかなお話の雰囲気が伝わってきて、とても素敵なレビューを拝見させていただきありがとうございました★。
      2012/12/27
    • しをん。さん
      kuroayameさん
      こちらこそ、いつもご丁寧なコメントをありがとうございます(●^o^●)

      中々面白くて、よかったですヽ(^o^)丿...
      kuroayameさん
      こちらこそ、いつもご丁寧なコメントをありがとうございます(●^o^●)

      中々面白くて、よかったですヽ(^o^)丿
      未読なら、ぜひお読みになられては?
      2012/12/28
  • 犬のデュークが死んだ後に少年と出会って1日を過ごす話。デュークの死を悲しんでいた「私」はその「少年」とプールに行ったり落語を聞いたりする。
    ちょっとびっくりするラストのどんでん返し。
    素敵な絵本だった。

  • 今日ふと、この本を読みたくなった。
    そういえば、クリスマス前の本だった。

    主人公の彼女をとてもうらやましく思えてしまう。
    現われることはないとわかっていても心のどこかで、
    私にとっての少年のデュークが現われるのを待っているのかもしれない。

    切なさの中に、どこかピンっと芯の通るような透明さを感じてしまうのは
    私だけでしょうか?
    この本が私を呼んでいたのかもしれない。

  • 国語のテストで読んで、泣いてしまいました。

  • 初めて江國香織の短編を読んだ。彼女にはまっていた学生時代に読めば、もっと感情移入できたかな。
    どちらかといえばストーリーよりも、感情表現や文章の組み立て方、ことばの選び方が印象的だった。あえて漢字を使わずひらがなにひらくことの効果、本来ならその単語には使わない形容詞を並べることで起こる新鮮さ、とか。表現の引き出しを増やすのに勉強になる。

  • 自分にとっての三大デュークといえば、デューク・東郷(ゴルゴ13)、デューク更家、そして江國香織の短編『デューク』である。
    (デュークエイセスは世代が違うので三大デュークには入らない)

    この短編は中学の教科書に載っていたと思う。
    亡くなってしまった愛犬が、青年に姿で現れてさよならと感謝を伝えるお話。思春期真っ盛りの中学生だった自分がどう感じたのかはもう覚えていない。でも、お話の内容はしっかり覚えていた。だから当時も中学生なりに感動してたんじゃないかなと思う。

    「犬とか猫は飼えない。だって自分より先に死ぬから」と母がよく言っていたことを思い出す。大切な存在が亡くなった時、残された人はとても深い悲しみを背負う。
    どうにか母よりは長生きしなくちゃな、とは思っているけどどうなるかはわからない。

  • 江國さんの本はほとんど読んでいるが、一番好きな短編。
    江國さんらしい文体や空気感は変わらず、でも、物語の設定がいつもとは違う。切なくも、温かい。

    • 大野弘紀さん
      前に、センター試験か何かの試験で出て、受験生が読んで泣いてしまったのが話題になったという逸話を聞いたことがります。

      素敵なお話ですよね...
      前に、センター試験か何かの試験で出て、受験生が読んで泣いてしまったのが話題になったという逸話を聞いたことがります。

      素敵なお話ですよね。
      2019/01/06
  • 犬より猫派なのに、このところロバート・クレイスの『容疑者』『約束』を読んだり映画『僕のワンダフル・ライフ』を観たりしてそのたびに泣き、めっきり犬づいています。そんな私に本作を貸してくれた、やはり猫派の人がいました(笑)。

    著者の1989年の短編集『つめたいよるに』に所収された「デューク」に、山本容子が絵を添えて2000年に絵本として出版したもの。

    愛犬デュークを亡くした主人公。死因は老衰だったから致し方なかったはずだけど、悲しくて悲しくて涙が溢れる。電車の中でも泣き止まない彼女に席を譲ってくれたハンサムな男の子。

    「イケメン」という言葉もまだなかったかもしれない頃に書かれたものだからか、「ハンサム」という言葉のほうが似合います。唐突なキスに、私の大の苦手な「オバハンの妄想系」かと怯みましたが、ちゃうちゃう、この主人公はオバハンじゃなくて、ハタチそこそこのたぶんとても綺麗な子。ほっとして、そして心の中で叫びました。「これはデュークだ」。

    なんともいえぬ余韻。10分かからずに読めてしまう、ささやかな幸せです。

  • 初めて読んだのは高校生の時。

    単純だけど泣けた。
    あの頃読んでおいて良かったと思う。

    これを書くために久しぶりに読んだが、このお話は映画化したらすごくいいなぁと思ったんだっけな。
    のちに優香と中尾明慶で映像化はされていますが、イメージ壊されるだろうな、と思って観ていません。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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