ドキュメント戦争広告代理店: 情報操作とボスニア紛争

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062108607

感想・レビュー・書評

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  • 各地域で核実験が行われ、どの国もある程度の武装能力を持っている現在。
    どちらが先に仕掛けるか、どのタイミングに仕掛けるかというのが国と国との争いの中の焦点となる。
    その為に必要なのが「情報」です。
    「情報」とはすでにあることが起きたことに対してのものではなく、新たに作り出し発信していく
    こともできます。
    よく情報が「真実」かどうかとニュースが流されたりしますが、そのニュース自体が作られた「情報」
    だったり。広告代理店の情報操作の巧みさと恐ろしさを感じ取れました。

  • この本は日本のメディア関係者が書いた本の中では珍しく出色の出来だ。
    日本ではほとんど話題になることすらない、PR戦略という内容からいえば、本当に?翻訳本じゃなくて?と思ってしまうほど。
    この本を読むと、現在紛争地域にとっていかに世論を味方につけ、アメリカを味方につけることが重要かが分かる。
    政府・企業のPR戦略にに騙されないなるためにも読んでおくべき本。

  • now reading

  • 政治の裏でなんか暗躍してるおっさんたちがいっぱい出てくる。シンプルな物事の構造の裏には陰謀とかがある。実にえぐかった。

    amazonのレビューにかっちょいい批評がたくさんあるので、気になる人はそれを見ればいいと思いますよ。


  • ボスニア紛争について大学の時に勉強してわかっていた気になっていたけど、全然理解していないことがわかった。ボスニア戦争では、だれが悪者で被害者なのかが、わかりにくい。まあ戦争自体、悪者も被害者もないと思うんだけど。
    それが一つのPR会社によって世論が動かされ、国が動き、国連まで扇動してしまう力をもっている事実。

    圧倒的スケールで描かれています。PR戦術の巧みさが耳の奥までじわりじわりと伝わってくる。


  • ここで筆者はわずかしか言及していないが、「悪魔化」されたセルビア側が「真実はいつかわかってもらえる」とのんきに対応していたことで、気がついた時にはえんがちょ状態で対抗するPR戦術をしてもらう代理店を雇うこともできなかった、というのは、日本の外務省、のみならず政治家もこういうPR戦略の重要性にほとんど無関心でいたというツケがいかに大きくなるか、という他山の石とすべき実例だろう。

    たとえば性懲りもなく繰り返される従軍慰安婦問題と、それを演出する他国の動き、それに対してもっぱら後手後手にまわるしかない日本の外交の無能無策ぶり。

  • 実際おきた広告代理店による戦争のイメージ戦略。
    どのように世界に自国こそが被害者であるかをPRするか。
    生々しい、イメージ戦略の実態がわかる。

  • 理不尽な世の中。読んでいて気分が悪くなります。読んでおくべき本だと思います。

  • 本来ボスニアでの紛争当事者たちは、
    どちらが善で、どちらが悪と、
    二元的に分けられるものではなかったはずなのに、
    メディアを巧みに操作し、
    国際世論を味方につけたPR会社の力。
    そんなボスニア紛争の裏側で動いていたPR会社の実態が
    怖いくらい克明に描き出されています。

    世論がどのように動かされていくのか、
    非常に面白い内容ですが、
    と同時に、背筋に怖さも覚えました。

    現代社会に生きるものとして、
    読んでおいて絶対に損はない、そんな本です。

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著者プロフィール

1965年、東京生まれ。1990年、東京大学文学部卒業後、NHK入局。ディレクターとして数々の大型番組を手がける。NHKスペシャル「民族浄化~ユーゴ・情報戦の内幕」「バーミアン 大仏はなぜ破壊されたのか」「情報聖戦~アルカイダ 謎のメディア戦略~」「パール判事は何を問いかけたのか~東京裁判・知られざる攻防~」「インドの衝撃」「沸騰都市」など。番組をもとに執筆した『ドキュメント 戦争広告代理店』(講談社文庫)で講談社ノンフィクション賞・新潮ドキュメント賞をダブル受賞。二作目の『大仏破壊』(文春文庫)では大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した。

「2014年 『国際メディア情報戦』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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