救急精神病棟

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著者 : 野村進
  • 講談社 (2003年10月2日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062109253

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救急精神病棟の感想・レビュー・書評

  • 2000年代初頭の精神科救急を扱ったルポルタージュ。救急なので、統合失調症の症例が多い。
    裏テーマとしては、精神医療と脳科学の関わり。

    21世紀に入っても、精神医療はまだこんな未熟な状態だったのかと、あ然とした。精神疾患は脳の病であるはずなのに、他のジャンルよりはるかに科学的なアプローチが進んでいない。治療や研究に対する支援体制も不十分だ。

    この国のシステムは、精神病の患者は対岸の火事扱いで、あまりに危機感がない。この時代、誰でもかかる可能性があるのに...。

  • 読みやすい箇所もあれば、読みにくい箇所もあった…筆者さんの言い回しが合わんかったかなぁ…。
    院内での患者さんの様子とか、実際にあった事件についての箇所は勉強になりました。

  • 6「見はるかす」、73「いまだし」と日本語力弱まる自分切々。
    エピソードだけでなく解説の7章あることでルポにとどまらぬ「格上げ」感だな(わたしは読み飛ばしちゃったけど)。

  • 日本は相当おかしくなっている、社会の変容に人間がついていけていない、それによって引き起こされているのが、ここに描かれる精神病。

    精神病に関しては決して本人が悪いわけではない、責任の所在を特定することはできない。ただ、本当は本人が最も被害者であるかも知れないのに、社会的には隔離され、場合によって苦痛を伴う処置を受ける。
    「病気」対「人間」という、他の医療では比較的簡単に構図化できることが、この精神科ではとても難しい。

    そもそも、どこからが病気で、どこからがそうでないのか、その線引きすら、本来的には難しいのではないか。人間は誰しも本質的にそういった危うさを内在していると思う。エピローグに「完全な地続き感」とあるように、本来段階的なものに無理に線を引かざるを得ないのが医療の難しいところだろう。
    そして、その判断は究極的には属人的になる。

    医学的な知識や技術だけでなく、むしろそれ以上に人間としての倫理観を求められる場面が多いのが精神科医の仕事なのである。

    途中からは自分の立場に置き換えて読んでいた。
    自分だったらどう判断するのか、どう対処するのか、それぞれの患者に対して描かれるストーリーの結末を読むたびに、自分の軽率な判断を恥じたり、また医師の気持ちに同情したり。
    そうしながら気づいたのは、実は自分の日常にも同じような場面が普通に存在しているということ。
    自分の関わる他者に対して、どのように向き合っているのか、見直す機会にもなった。
    精神病とは、段階的なものであり、きっと自分の身近にも、程度の差こそあれ、傷付き苦しんでいる人がいるのだから。
    そしてそう考えた時に、この本に描かれている問題に対し向き合うべきなのは、精神科医だけではなく、自分も含めた社会全体なのだと気づくことができた。

  • 当時日本で唯一だった単科精神科の救急病棟のルポ。

    それぞれの患者さんのエピソードも読み応えあったけど、看護師さんが懸命に看護する様子に圧倒された。

    エピローグに出てきた大阪の病院は多分テレビのドキュメンタリーで見たところかな?

    医療報酬のあり方や人格障害の人々をどうするかなどの課題もわかりやすくみえてきた。

  • 図書館本。

    しばらくこの世界の本読み漁りそう。。

  • これは精神科に偏見を持っている人やよく分かってない人にすごくいいと思う。
    実際私も勉強になった。
    難しい言葉はそれほどないし(多少あったけど飛ばしても話は全然繋がるし/苦笑)へぇってことばかり。

    一番分かってないのが同じ医療界の精神科以外の医師って言うのがびっくり。
    計見先生のような考え方を持つ医師がもっと増えて私たちも理解していかなければならなくなってきているのは確かなんだろうなぁ。

  • 千葉市・幕張に実在する日本初の精神科救急病院、千葉県精神科医療センターのルポルタージュ。
    精神科医療の最前線に関心があるかたに。

  • 事実は小説より奇なり…

    日本で唯一の(この書がかかれていた時点)精神科救急。
    そこの所長でもある計見氏が仮説を立てていたりしている。
    ロボトミーと電気ショックによって一般に『不のイメージ=精神科』と見るようになってしまった世間。
    驚いた事は日本にはECT(Electro convulsive Therapy)のガイドラインが当時なかった事。
    そして。
    一番嬉しいのが、『患者達はどう思っているか?』だ。
    大抵『分析している』からあまり見え難い事だと思う。

    かなり敷居が低くなったとはいえ、未だに偏見強いもんなぁ〜…

    あとがきの『黄色い救急車』には思わず苦笑。
    どこにでもあるんだろうけど、その後があるとは知らなかった。
    『連れて行かれたら一生出て来れない』と続くそうだ…
    モチロン 都市伝説 なのだけど、なんで黄色なんだろう?
    場所によってはピンクだったり緑だったりするそうだ…。

  •  日本に1つしかない精神科救急に密着取材、その知られざる内部を丹念に探り、脳科学から精神疾患へのアプローチなどの最新の成果も取りこみ深く考察する。精神科医療の流れを知り、今後のより良いありようを模索するための良書。
     「精神病は治せるんだ!」医師たちの闘いは今日も続く。
     突然妄想に取りつかれたエリートサラリーマン、神様モードの青年、自殺したい少女。24時間態勢で精神科救急に取り組む、日本で唯一の公立病院を3年にわたり密着取材。
     知られざる精神医療の最前線を追う。

  • すごい本。精神医療に関わる人には必読の書。迫真のルポ。こういう作品を生み出すところがジャーナリズムの素晴らしいところだ。

    精神医療の現状と課題、歴史など、わかりやすく描かれている。精神病患者は、何も別の世界の出来事ではなく、いつだれがそうなってもおかしいものではなく、精神病棟と一般社会は「地続き感」を持って、繋がっているという。なるほど、まず一人ひとりが精神医療に関する偏見を無くすところから始めなければいけないのだろう。

  • 今、この時も現場は動いてるんだな!

  •  日本全国の病院の入院患者総数140万人のうち、ほぼ4分の1が精神病での入院で、全病床数の25%近くが精神科のベッドだという。ところが、医療費全体に占める割合は6%余りにとどまり、医師の数も、全体では患者16につき1人なのに、精神科では40人の患者に対して1人。さらに、精神科入院患者の6割が3年以上の長期入院で、その大半は民間病院にいるという。こうした状況の背景にあるのが1987年の精神保健法改正で設けられた「任意入院」。“厄介者”の患者が次々に民間の病院に収容されていく。そこに待つものは・・・。
     暴れ出した患者などが運び込まれてくる救急精神病棟は、その存在も含めてあまり知られていない。本書はその実態を克明に記したルポ。単なる告発本ではなく、現在の精神病棟が抱える問題を事実に基づいて的確に指摘している。

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