- Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062109871
作品紹介・あらすじ
はたして神は、誰を支持するのか。神の声に従う処女と野望に燃える娼婦、悪をきわめた将軍たちがおりなす熾烈な歴史絵巻。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
二人のジャンヌを効果的に書き並べていますが
時代背景が上手く描いてあって、何気ない
エピソードも上手に理屈がついて、くすりと
楽しめます -
二人のジャンヌの物語。
神を信じない売春婦のジャンヌと、神を信じるラ・ピュセルのジャンヌの相対的な関係がよかったです。 -
ジャンヌダルクが好きなので読んでみたんだけれど、ジャンヌがもう一人いて、ちょっと「あれれ?」な感じだったかな。どこまでも神を盲信する狂気と紙一重な彼女が好きなので。
-
歴史的人物が二人いたと仮定してその二人を通して善と悪を描くとういう手法は、いくつかみかけるが、この本はとてもうまく描かれていると思う。特に聖人とされている方の純粋ゆえの困ったちゃん加減が心憎いと私は思う。
-
15世紀フランスの神の使いを名乗って散っていった有名なジャンヌ・ダルクのお話。
ジャンヌ・ダルクの一生や足跡を追うと言う形ではなく、彼女と同じ名前の娼婦ジャンヌを主人公にして、権謀術数が渦巻く宮廷や、信仰心の厚いジャンヌ・ダルクや、フランス王太子・シャルルの即位に関わる人々の活躍などが描かれている。
まず、主人公がずばりジャンヌ・ダルク、じゃないところが良かった。しかも、神の世界からは汚れた罪人として扱われている娼婦っていう設定が、物語をただの正義の為の戦いの聖戦的な色あいから遠ざけ、物語に幅と深みが加わって読み応えのある作品に仕上がっていると感じた。
彼女の作品を読むたびに、細かい部分までしっかりと緻密に組み立てられたストーリー運びの巧さに感心してしまう事、しばしばなのだけれど、そんな彼女の数ある作品の中でも、これは久々の大作だと思った。
ジャンヌ・ダルクそのものを追いかけるような話しではなく、あくまで娼婦・ジャンヌの生きざまを描いており、「娼婦だって人間なんだ」って何度も言っている彼女の何にも負けまいと強く生きていく姿には、胸がジーンとして、最後には感動しました。
泣けてきちゃいました。。。。
私はアンチクリスチャンなんで、ここで描かれているジャンヌ・ダルクにはイライラし、中世のキリスト教がもたらした様々な罪深き事柄は、益々批判的な気持ちを強くしたかな・・・。
敬虔なクリスチャンの方は読まない方がいいかもね。
頭くること、間違い無しでしょう(笑) -
イングランド軍に包囲され、いつ落ちるかわからないオルレアン。そこで生きる娼婦ジャンヌは己の野望の為に、王太子シャルルに近づく、そして、神の声に従い、フランスを救うと宣言する少女を知る。同じ名を持つ二人の先にある運命は。
本当は「愛される」ことを、「包まれる」ことを求めながら、得られないことに絶望し、生きる活力を野望にそそぐジャンヌの姿が強烈。