私、わたし: ろう者で性同一性障害27歳の心の葛藤

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 32
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062111201

作品紹介・あらすじ

家族全員が耳が聞こえないという環境に生まれ、いわれない同情、イジメ、偏見を向けられながらも、持ち前のファイトで乗り切り、さらに、男から女に生まれ変わった一人のろう者が明かす、壮絶だが、思わず笑ってしまう青春模様。

感想・レビュー・書評

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  • 不安や寂しさ、驚き、悩み、そして表題にもある葛藤。そういった「普通」のことが素直な文章で紡がれている。弱さも強さも含めて、今ある自分を受け入れようとする姿勢もまた素直。

  • ろう者で性同一性障害(MtF)の人の自伝なんだけれど、耳が聞こえないことが関係するのかどうかはよく分からないが「自分は性的少数者なのでは」と思っても、あまり文字による情報を求めていなかったというか、本を読んで知識を得た、という感じではないので、逆に新鮮に感じたんだよね。今まで読んできたこの手の類の本って、自分で探し出すか何かして「ああ、自分と同じ人もいるんだ」ってホッとする、というパターンが非常に多いわけなんだけど、この人はそうじゃないんだよね。女装するときもアメリカに行って女装して働いてる人の姿を見て「ああ、自分もこうしたいんだ」って思って女装し始めるという。あとトランスの人は結構自分の名前を変えたいと思うと思うんだけど、この人はそういうことについては一切触れてない。ただし手話では「リナ」という名前らしい(手話で人を呼ぶときはみんなあだ名みたいなのが付いてるらしいこともこの本を読んで初めて知った)。

    だから、用語の説明なんかは「え、これちょっと違うんじゃないの」って思うところもあったりするのだけれど、まぁ仕方がないのかな。この本の題名にも「性同一性障害」って書いてあるけど、この人は特にジェンクリなどに行って診断されたわけではないみたいだし。まー「トランスジェンダー」より「性同一性障害」の方が一般の人に通りやすいのでこういう題名をわざと付けた面もあると思うが。

    この本の比重ってGIDであることよりもろう者でどう生きてきたかってことの方に重きを置いているような気がする。わたしにとっては「ろう学校ってこういう教育するんだ」って思ったことが多々あったし、耳が聞こえないと言うことはどういうことなのかって(例えば耳が聞こえる人たちのコミュニケーションよりも裏がなく聞きたいことははっきり聞くとか。だからろう者同士だと短い時間で親友になれたりするとか)教わる方が多かった。

    しかしこの本の最後の方に「今までろう者の性同一性障害の人に会ったことがない」と書いてあったが、例えばセクマイ関係のイベントなどでは手話通訳をついているのを多く見るんだけれど、やはり手話通訳を必要としている人は圧倒的にゲイやレズビアンなんだろうか。まぁただ、この本は2001年に書かれたものなので、随分前の話なのだけれどね。

    今はこの人どんなことしてるのかなーって思って名前でぐぐってみたんだけど、2004年に手話通訳についての本を出して以来、何やってるかは分からなかった(2001年当時では健聴者に手話を教える仕事をしていた)。

  • 図書館で目について。近くの棚に『筆談ホステス』という、やはり聴覚障害の人がかいた本があったので、セットで借りました。
    こちらは家族全員が聴覚障害で、特別支援学校に通い、手話で会話、手話講師でもあるのに対し、ホステスさんは家族に聴覚障害はなく、学校は普通学校に通い、手話は堪能ではなく、もっぱら筆談で会話する。
    様々な道があるのね。
    たどった道は違えどお二方ともパワフル。それは伝わってきます。

  • 聾者かつトランスという二重にマイノリティの著者による手記。
    このころ変な人に触れることが多かったので、この本のありかたや考え方のまっとうさにすごくほっとしたのを覚えている。

  • お会いしたい・・・。

  • ありのままの自分を受け入れられる勇気に感動しました。

  • 性同一性障害に関する書籍です。
    耳が不自由な性同一性障害者の自伝です。

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