トキオ

著者 :
  • 講談社
3.75
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  • Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062113274

作品紹介・あらすじ

男は父親になっていく。「彼」との出会いによって。1979年、浅草。時を超えた奇跡の物語。俺は、あんたの息子なんだよ、宮本拓実さん。未来から来たんだ。あと何年かしたら、あんたも結婚して子供を作る。その子にあんたはトキオという名前をつける。その子は十七歳の時、ある事情で過去に戻る。それが俺なんだよ。

感想・レビュー・書評

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  • とにかく感動。病気で眠り続けていた息子は実は昔にあっていた。東野圭吾さんの作品の中でも特に好きになった物語です。これからも、東野圭吾さんの本をたくさん読みたいです。

  • わずか2ヶ月で、23歳のロクでもない父親の心根を変えてしまう
    トキオのひたむきさ!

    414ページにわたる物語のうち、序章を除いた21ページから370ページまで、
    なんと物語の85%を、仕事に就いてもすぐ放り出し、面接に行けば喧嘩をふっかけ
    彼女に金をせびり、うまくいかないことは全て世間のせいにするという
    驚くべきダメダメぶりで過ごす巧実。
    最近読んだ本の主人公の中で、どうしようもなさにかけては飛び抜けた存在です。

    あまりの不甲斐なさに、ひたすらイライラが募るのですが
    時を超えて若き日の父である彼のもとに辿り着き、寄り添い、
    鬱陶しがられても手を差し伸べ続けるトキオがけなげで。。。
    溜まりに溜まったイライラも、いつのまにか霧のように消えてしまいます。

    ほんの一瞬であっても、生きているという実感さえあれば未来はある。
    巧実の再起を見届け、自分の運命を知りながらも
    「生まれてきてよかったと思ってるよ」という言葉をのこして
    トキオが燃えさかるトンネルへとバイクを走らせる時、
    その言葉に込められた幾重もの想いが心に押し寄せてきて、せつなくて。

    残り数ページというところで
    すっかり心を入れ替え、頼りがいのある夫、そして父となった20年後の拓実を
    トキオになり代わって「がんばったね!」と労い、
    「花やしきで待ってるぞ」と、声を合わせて叫びたくなること請け合いです!

  • グレゴリウス症候群で眠り続けたままとなっている17才の時生を前に、20年以上前にタイムスリップしたトキオに会ったという父拓実。
    当時やんちゃしてた拓実に巻き込まれながらもついてまわるハチャメチャな展開の中で、なぜタイムスリップして会いにきたのか、それによって考え方を変えた拓実は何を感じたのか。
    家族のしがらみを解き放ち、見方や心情が変わっていくのがいい。
    314冊目読了。

  • 素敵な本で良かった~が、感想です。
    難病を患い余命僅かの病室ベッド上のトキオの場面から入り、どんどんと引きずり込まれる、気がつけば一気読み。
    母親家系の遺伝ばかりか、父親にも秘密があり若くして短い生涯を終えようとしている設定に引っ掛かりがあり切なかったが、20年前の自堕落に生きていた若かりし日の拓実の前に現れ、色んな体験を通して意見したりとひとりの大人に立直らせていく、そして両親をも救うという後半の場面には温かい想いに涙した。「明日だけが未来じゃないんだ。それは心の中にある。生まれてきてよかったよ」にホッとさせられた。
    最近は、新刊ばかりに目がいくが10年前のこのような素敵な作品に巡り会え良かった。

    • evelyn123さん
      同感です。東野さん、昔の作品も素敵なの沢山ありますよね。
      同感です。東野さん、昔の作品も素敵なの沢山ありますよね。
      2013/01/24
    • happykyoさん
      evelyn123さんへ
      コメントとお気に入りありがとうございます。
      私は、最近 読書に目覚めたので東野さんの本も沢山未読の本ばかりで...
      evelyn123さんへ
      コメントとお気に入りありがとうございます。
      私は、最近 読書に目覚めたので東野さんの本も沢山未読の本ばかりです。
      evelyn123さんは、沢山お読みになられてますね。また、参考にさせて下さいね!楽しみにしております。
      2013/01/24
  • まあ長いけど感動する話。
    人は変われるということがわかる。

  • 10年ぐらい前に読んで大泣きした小説。

    『素晴らしい人生が待っているから。』と若かりしお母さんに息子が言うところ、印象的です。

    だって、息子を亡くす未来が待っているのに。

    そんな言葉を母親にかけられるほど、幸せな人生だったよとお母さんに伝えてるんだから。

    最後の一文で大泣きすると事前情報あったのに、まんまと泣いた作品です。

    あの一文が冒険の始まり。

  • あぁー!
    こんな東野圭吾さんあったのか!
    いつも本格ミステリーにお世話になってましたが、こんな暖かい話に出会えるなんて。
    読んで良かった!

  •  トキオ=時を生きる、という題名の意味がトキオが登場した時点でわかり、また、宿命の連鎖というか、どちらがはじまりなのか?わからないだろうなって思いました。
     途中、トキオの父親となる拓実があまりのも我慢が出来ず、自分の今の状態を生まれのせいにしているのに腹が立った。
    それを見させられている、子供のトキオは本当にやるせなかったと思う。
     でも、最後に命がけで千鶴を助け、実の親の気持ちを知る中で、どんどん良く変化していく様子は嬉しかった。
     実の息子によって、自分や自分の未来を変えて貰えて、拓実は幸せだったと思う。
     そして、生まれた時から長く生きられない病気であっても、埋めれてきて幸せだったって思える時生も幸せだったと思う。

  • 66.最後は涙がポロポロ…。父子愛というか、父に一生懸命な息子に胸が締め付けられる思いでした。そして、母親の事も助けていただなんて。両親の事が本当に好きなんだなぁと心暖まりました。

  • 図書館にて借りました。
    これ面白かった!

    「自分は未来から来ました、あなたの息子です」
    ・・・と云われたら、100%ドン引き間違いなし(笑)
    でも、見てみたい。
    今の年齢で二十歳の息子を(笑)
    そして大喧嘩したい!

    「生まれてきてくれてありがとう」
    そう将来、云ってあげたい作品。

    「自分で親は選べない。配られたカードで精一杯勝負するしかない。けど、そんな悪い手じゃない。」

    作中のこの言葉が私の中の座右の銘です。

  • 未来からきて,自分の人生の大事な事件を一緒に解決してくれた「トキオ」。自分が結婚して、子供ができたとき「トキオ」と名前をつける。そのトキオは難病でなくなる寸前にあった「花やしき」での再開を促す。

    時空を超える話はいろいろある。
    亡くなる寸前の息子が,自分の過去に助けに行くという閉じた輪は珍しい。
    そこでうまくいっても,やはり自分はそこで亡くなってしまうのだから。

    東野圭吾の運動家的な楽観的な性格と,
    人には直接見せない悲観的な性格とが、
    うまく混ぜ合わさったお話だと思った。

    「トキオ」という本と「時生」という本を同時に図書館で予約していた。あいうえお順に本を借りていたからだ。借りるまで、同じ本だと思わなかった。
    最初に「トキオ」を読んだ。「時生」と書いて「トキオ」と読むことがわかって,あ,同じ本なのだと見比べた。

  • 冒頭に登場する宮本と、とても同一人物とは思えなかった拓実が、トキオと出会う事で、大切なものに気づき成長していく。

    この世に産んでくれて、ありがとう。

    自分はそんな風に考えた事があるだろうか。

    息子に、今、出来るかぎりの事をしてやれているだろうか。

    感動とともに、そんな思いになりました。

  • たくみのだめ男ぶりに途中読むのが疲れたが、読み進めるうちに感動が溢れてきました。トキオはずっと三浦春馬くんで読んでました。たくみは香川輝彦さん。涙が溢れた唯一の作品。

  • 昔の東野圭吾の小説はおもしろかった。この小説もおもしろい。グレゴリウス症候群(架空の遺伝病で脳神経が死滅していき、若くして死んでしまう)の時生(トキオ)が、死を迎える時に過去へ飛び、父親と母親を導く・・・という話。

  • 息子の死を覚悟する父親の拓実と、短気で思考も浅はか、彼女や周囲の人達にお金を無心し煙草をもらい、どこまでもダメダメな若者の拓実が同じ人間だとは思えない。仕事も続かない男が危険を冒してまで自分を振った恋人に執着するだろうか。物語とはいえリアルさに欠けるというかあちこち矛盾が感じられた。でも最後まで読み終えたのだから面白くないという事はなかったのかな。

  • 職場の人は、トキオと拓実な関係性も相まってすごく泣くほど感動したらしいが、私は拓実の幼さや突っ張り加減にやきもきしてしまった。

    タイムリープについてや拓実の実の父親の秘密の真相は物語中仄めかしで引っ張られていて期待していたが、意外と拍子抜けするオチだった。

    東野圭吾作品は昔の作品だとキャラのキザさや幼さが目立つため、近年出版されたものの方が私は面白く読めるかもしれない。

  • 人生のベスト10に入る。学生の頃に読んで、とにかく泣いた。

  • 話としては面白いんだけど、超常現象がただの説明つかない超常現象でしかないことがイマイチというこ、モヤっとする。しゃーないけど。

  • 生きる意味、親になる意味を考えさせられる一冊。感動しかない。大好きな一冊。

  • 東野圭吾さんの本は何冊か読んでるけど、ファンタジー系は初めてで、新鮮でとても面白かった。
    タイムトリップしたトキオが、最終的に両親の出会いを導いてゆくことは、両親だけでなく自分の未来をも繋いでいくことであって、実際には短い一生だった彼にとって有意義で深みのある時間だったんじゃないかなと思った。

    明日だけが未来じゃないんだ、という一文が心に強く残った。

    次はナミヤ雑貨店の奇蹟を読んでみようかな。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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