熊の場所

著者 :
  • 講談社
3.52
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本棚登録 : 733
感想 : 138
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062113953

作品紹介・あらすじ

何が飛び出すか誰にもわからない最強の純文学。圧倒的文圧で疾走する表題作『熊の場所』を含む全3編を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 表題作、バット男、ピコーンの三作。らのべちっく。文体は軽くて読みやすいが、中身はそこそこ重め。面白かった。

  • 生と死そのもののテーマを、憐れみなく、理解したふりも共感もなく、余分な重みもなく、等分の痛みと罪と罰を、未来を、人が感じる真っ直ぐな感情そのままに直線で叩き出す潔さ。このひとが天才だと言われる所以が、やっと分かった気がする。

  • 3つの短編が収められた、作品。
    「熊の場所」「バット男」は会話のセンスが絶妙でかなり笑える!
    舞城さんって、純文学に分類されるらしいけど、ほんとにそうなのかな?どの作品も純文学(明確な線引きが分かりませのでイメージ)という感じがしない。
    ナンセンスコメディとか?
    この作品も舞城ワールド全快。
    愛情や人間関係・社会の仕組みを独特のセンスで揶揄して笑いにつなげるのは見事!
    このセンスが羨ましいな。

  • 講談社のこの本の中には、「熊の場所」「バットマン」「ピコーン!」が収録されている。
    三つを一緒にしたのは大正解だ。最後まで飽きることなくリズム良く読めた。
    この人の書く文章は、大分テンポというかリズムというか語呂というものを重視しているように思えるし、今まで読んできた本の文体とは似つかない。最初は、「うわ、癖があるなぁ。」と、思うだろうが、次第に型にはまらないその文章が痛快になり、仕舞いには中毒性まで感じてしまう。この文体に拒否反応を覚える人もいるだろうが、私は好きになれた。

  • え、純文学なんですか?
    (定義がよくわかってない)

    主人公視点での語り口調は物語の世界に入りやすかったです

  • 読み易く表現の筆力も確かなものを感じる。ストーリーは馴染めない歪さ。

  • 読み終わると、夏目漱石の夢十夜のような、神秘性を感じさせる怪談のような読後感がありました。

    凄惨な暴力と恐怖を目で追い、取り憑かれた人間の終着を見せる「熊の場所」。
    人生の弱肉強食のイメージの伝染。弱者になりたくないと乞い願う「バット男」。
    恐怖に乗り込み、得たものと失ったものを思い出す「ピコーン!」。

    私は恐怖に負けるタイプだと思いました。

  • 舞城王太郎の作品は読み終わると心のどこかがボコボコになっている。
    著者に初めて出会った作品、読み直したけどやっぱり好き。

  • 久々の舞城さん。この独特の世界観と圧倒的な文圧、立て続けに読むと頭おかしくなりそうだけど、時々読みたくなるんだよね。
    かわいい装丁とは裏腹に内容はやはりぶっとびまくってる。というか、これR指定とかしなくて良いの?って思う。子供には絶対読ませたくないし、中学生くらいの子がうっかり読んでしまったら、トラウマものになっちゃうんじゃないのかな。
    短編3本はどれも軽いタッチで描かれているが内容は重め。私はバット男が一番好きだったかな。ピコーン!も舞城ワールド全開って感じで好きだったけど。
    舞城さんの狂った愛情の表現の仕方がなんか良いんだよね。唯一無二って感じで。キレイな言葉を並べるよりも、ずっとずっと深い愛情が感じられるし、何よりドストレートなのが良い。

    以下、本文より抜粋。
    ・恐怖を消し去るには、その源の場所に、すぐに戻らねばならない。
    ・弱い方へ弱い方へ、ストレスの捌け口は見出されていくんだ。弱い方へ弱い方へ、不幸は流れ込んでいくんだ。
    ・忍耐と満足と許容が足りねーんだよ
    ・愛情というのはどうしてこんなにも乱暴になれるのだろう?どうして物事をうまくいかせようとすることを、こんな風にむりやり阻んだりするのだろう?

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著者プロフィール

1973年福井県生まれ。2001年『煙か土か食い物』でメフィスト賞を受賞しデビュー。2003年『阿修羅ガール』で第16回三島由紀夫賞を受賞。『熊の場所』『九十九十九』『好き好き大好き超愛してる。』『ディスコ探偵水曜日』『短篇五芒星』『キミトピア』『淵の王』など著書多数。2012年『ジョジョの奇妙な冒険』(荒木飛呂彦著)の25周年に際して『JORGE JOESTAR』を刊行。近年は小説に留まらず、『バイオーグ・トリニティ』(漫画・大暮維人)の原作、トム・ジョーンズ『コールド・スナップ』の翻訳、短編映画『BREAK』や短編アニメ『龍の歯医者』『ハンマーヘッド』の原案、脚本、監督などを手掛けている。

「2015年 『深夜百太郎 入口』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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