- Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062114394
感想・レビュー・書評
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既読
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半落ちとは何のことかと思ったが、読み進めていくうちにどんどんと惹きこまれていった。
人物の描写がうまいと思った。 -
妻殺害後の空白の2日間、実直な元警部はどこを何のためにさまよったのか、敏腕捜査官、検察官、新聞記者、弁護士、裁判官、刑務官のリアルな視点から真相に迫る、しかも慟哭必至、ということであれば、あの賞(直木賞)も、だったのであろうが、やはりあの点はあの組織には公然と認め難く、慟哭の程度も、貫井徳郎氏の(まさに)「慟哭」に及んでいない(この作品は5年以上前に読んでるので再読しない限りレヴューしない)。まあ、その後の氏の作品は、直木賞を一回とっただけの作家の作品をみごとに凌駕している。
なお、弁護士としては一点不自然な点はあったが、全体の質を下げるほどでは無い。 -
彼が守ろうとしたもの…。
涙ナシには読めませんでした…。 -
感動できる作品だと思うけど、少し微妙な空気も。。。介護、嘱託殺人、空白の二日、警察の不正、どれもなんか尻切れトンボのような気がした。
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映画も見た。
寺尾あきら主演。なかなか良かった。 -
「半落ち」
「人間五十年」請われて妻を殺した警察官は死を覚悟していた。全面的に容疑を認めているが、犯行後二日間の空白については口を割らない「半落ち」状態。男が命より大切に守ろうとするものとは何なのか。
主題歌と主演が印象深かった映画の原作。物語は妻を手にかけた梶に関わる人物達の視点で進んでいきます。例えば、検事、看守、裁判官。彼らは梶に接することで何かを感じ取っていきます。そんな人物達の中で梶に対して最も様々な感情を抱き、物語の中心を担うのが梶を取り調べる志木和正でしょう。
志木は梶を取り調べる過程で警察官として最後まで振舞える男が何故自首を選択したのか、何故自首までに空白の時間を作ったのか、何故その理由を話さないのか、そして何故死を覚悟しているのかといった様々な疑問を抱き、それを紐解こうとします。そして、最終的に梶の心にある覚悟を汲み取り、その覚悟を見守る立場をとります。そんな志木の姿勢には梶と同じくらいの存在感を感じました。
そんな志木を動かす梶ですが、物語は彼の視点で進まないので、彼に関する描写はあまり多くはありません。多くが登場するのは最後の展開でのみでしょうか。しかし、そんな出番の少ない梶の秘める覚悟の重さが伝わってくるのは志木を始めとする登場人物の描写や心情、そしてそれぞれが抱える組織との対立がしっかり描かれているからだと思います。特に、組織との対立がかなり色濃く描かれているので、梶の件が如何に組織にとって厄介であるのかが分かります。
しかし、そんな梶の抱える覚悟はやっぱりとても響きます。彼の行動には何故が付きまといますが、全てはここに行き着くと分かると、梶という人物の誠実さや暖かさが良く分かります。また、梶という言ってみれば裁かれるべき人物を裁く側が見守ったということもとても印象的です。
誰もが葛藤と戦っている。 -
泣けた
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評価が高いので期待していたのですが‥