マドンナ

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 514
感想 : 79
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062114851

作品紹介・あらすじ

42歳の課長さん、17歳年下のキャリアガールに恋をする。おたくの職場、どうよ?ユーモアとリアリティ。新オフィス小説。

感想・レビュー・書評

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  • 読書仲間に薦められた一冊、図書館より。

    同じ方の『ガール』がアラサーな女性の物語なら、
    こちらはアラフォーな男性の物語の集まり、全部で5編。

    部下に対する秘めたる想い、一匹狼な同期への憧憬、
    異文化な部下や上司とのすれ違い、などなど。

    同世代として、なんとも共感できる話ばかりでした。

     “恋をすると毎日に張りがある”

    そんな気持ちは、男でも女でも同じなのかな、と。

    仕事と日常のちょっとした境目を知ることで、
    その人(組織)との距離感がわずかに縮まる、、のかな。

    原則論も大事だけど、それを飛び越えることも大事、
    どちらかに傾きすぎないあよう、バランスが大切なのかな、と。

    『ガール』とあわせてドキドキした一冊でした、なんて。

  • 今から20年から22年前に書かれた作品。読む年齢の時期を逸したのかも。短編5編、会社の中年おじさんの同僚女子社員への妄想。平成も10年ちょっと過ぎている会社模様だが充分昭和が残ってるかも。家に帰ってからの妻との会話には後の「家日和」(2007)の雰囲気も感じた。


    すべて小説現代初出
    「マドンナ」2000.11月号
    「ダンス」2001.10月号
    「総務は女房」2002.1月号
    「ボス」2002.4月号
    「パティオ」2002.7月号

    2002.10.25第1刷

  • 中間管理職の悲哀をコミカルに優しく描いた短編集。あるある的な部分もあってそれぞれに感情移入できたりする。会社での面倒ごとや微妙な立ち位置などを、多様な設定で楽しく、最後には「良かった」で終わらせてもらえる作品。

  • なし

  • 5つの短編集
    ・マドンナ
    ・ダンス
    ・総務は女房
    ・ボス
    ・パティオ

    それぞれ40代の中間管理職の中年男性が、若い女子社員に一目惚れしたり、息子の進路で悩んだり、親の将来で悩んだりする。

    世の中、正論を言っても通らないことも多々あるが、それと上手く折り合いを付ける主人公のエピソードに共感しました。

  • 上からは成果を出せと発破をかけられ、下からはそんなのできませんと苦情を言われ、同僚には仲間意識と出世競争の間でなかなか本音が出せず、そんな中間管理職の話を集めた。

  • 最後の話は まあまあ。あとは イマイチ。

  • 超失礼な言い方かもしれないが、何冊か読んだ奥田さんのエッセイから推察すると、いわゆるサラリーマン、企業人のご経験がないはず。ということであれば描かれた世界は作家の妄想世界。そう、特に第一話の「マドンナ」は、いわゆる妄想を描いた作品。そして、まあ、あくまで自分のサラリーマン経験だって、個人的で限定的な世界にとどまるものかも知れないけど、と思いつつ、「こんなサラリーマン、いねーよ」とほぼ断定したくなる。いや、まあ、世の中にはいろんな人がいるわけだから、こんな人がいる可能性は否定はし切れないが。すくなくとも自分の知ってる限りでは、こんな朝から晩まで、部下の若い女性のことばっかり考えて、かつそれで、その女性部下と同年齢の男性部下と張り合ってしまうような男性上司なんて、すごく非現実的でありえないでしょう、と思ってしまう。ということで、ちょっと入り込めない。

    総務を題材にした話も、ちょっと時代錯誤かなあ。多少似たような話はあるかもしれないと思うけど、ちょっと誇張しすぎで現実感にかける気がして、やはりいまいちの読後感。

    ボス、はまあ、うーん、どうだろ、こんな女性上司がいたら、自分なら一緒に働いてみたい。いや、みたかった。すごく仕事はやりやすいだろう。自分も会社とはあくまで契約関係と割り切っていた方だし、付き合い嫌いだし、接待も嫌いだったし、単独行動を好む方だったし。

    最後の一話は、ほかの作品と違って、社外の人物との人間関係、親との関係が描かれていて、サラリーマン世界の中に閉じた話とはちょっと舞台と視点が離れた分、さっきまで書いたような、自分の経験とのかい離がある的な違和感が薄れて、好感が持てた。すっきりして、気持ちのよいドラマになっていて、さわやかーな気持ちで読み終えることができた。登場する老人が、嫌みがなく、ちょっといい感じ。

    作家のエッセイを読んでしまうと、小説作品の向こうに、作家自身のちょっと生っぽい人間の姿が透けて見えてしまう。作品世界だけに浸ることが出来なくなるというか、そこまでこだわりをもつ必要はないのかもしれないけど。あえていえば、完全なるフィクションのはずの世界に、現実世界の作者の姿人格、場合によっては生活臭が、無用なノイズとして入り込んでしまうというか。とはいえ、面白い作品を読んだら、こんな面白い話を書いた人ってどんな人だろう、と興味を持つのは当然。しかたないことかもしれない。ま、あくまでも個人的な小説や作家との距離感の、つまらないこだわりの話だけど。

  • こちらだけが勝手に突き進んでゆく。
    見る意識が変わってるだけなのに。。
    ふとした事で現実に戻って、勝手な思い込みだと気付く。色んな心配や不安を抱いても、案外日常は変わらないもの。

  • 男尊女卑が懐かしい

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著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2021年 『邪魔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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