終戦のローレライ 上

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著者 : 福井晴敏
  • 講談社 (2002年12月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (462ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062115285

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終戦のローレライ 上の感想・レビュー・書評

  • 生命と息吹が胸に力強く響き、
    軍人を越えた「人間」の生き方を描いた長編小説。

    タイトル通りこの本は戦争時代の艦隊の物語です。

    ただ1つ違うのは人間の心と心の連鎖によりこの物語は紡がれているということ。

    最初読む前は戦争物は好きではありませんでした。
    艦隊や軍人ものは専門用語があり難しく、また日本は敗戦国なので結末はわかりきっている。
    好きな人には申し訳ないが、
    軍人の誇りを追求した自刃や特攻は物語を盛り上げる1つの結末だけれども、
    そこに私が本で求める美学は無いと感じたから。

    しかしそれもこの本を読んで印象が劇的に変わってしまった。

    この本はハードカバーサイズだと上下巻にわかれている。(文庫は4冊)
    最初はやはり艦隊や軍人の難しい専門用語が並べられ気後れするが、
    途中から人物たちの心が自分自身に透過されるとその専門用語が不思議と気にならなくなる。

    そして軍人として日本を守るという誇り、
    というようなよくある戦争物語ではなく。
    この本はそれを超越した人間の誇りを謳って描いていた。
    何よりも人間らしい脆く儚きそしてそれをバネにする力強さを感じた生命の物語。

    私の好きな雰囲気だと感じてしまった。

    陰謀埋めく伏線もたくさん詰められており、
    読み手をあっという間に騙すテクニックも散りばめられていて、素直に楽しく読める部分も多くある。

    そして何よりも一番驚いたのが、約1000ページの小説の中で(※ハードカバーサイズ)覚えきれないようなたくさんの登場人物たちが現れる。

    しかし誰1人捨てキャラはいない。
    作者は登場する1人1人の人物の心情や想いを、
    丁寧に生身の人間のように描いている。
    それがよりこの暗く悲しい戦争という物語に彩りを加えている。

    読了後は気持ちの整理がつかないままに色々な感情面や心情が揺らぐ。
    そして私は悲しいような安心したような涙が溢れてきた。
    様々な人間の駆け抜けた人生、その全ての息吹をこの本から感じたからだ。

    人は様々な想いを他者に預ける。
    またそれを引き継ぐ者の切なる想い、叫び、葛藤、温もりなど…。

    色々なモノを受け止め私は今を生きなくてはならない。
    そう…切に感じてしまったまるで生命の教科書みたいだ。

  • この本は高校時代に読んだ。
    あまりにも面白すぎて、授業中も読んだ。
    そうしたら先生に見つかって、怒られるー!と思っていたら
    「この本、面白いよな!」
    先生は満面の笑みで言ってくれて、授業を中断して語ってくれた。もちろん自分も語った。
    もちろん本篇もおもしろい。
    少しファンタジーも入っているが、戦争の悲惨さ、痛みを卓越なる文章で示してくれている。

  • 下巻の途中まで読むのがしんどかったです(^^; テーマとして重たいのはわかるんだけど、ちょっと重ねすぎかな?もっとスマートに持っていくこともできたんじゃないかなぁ?けど、ラストはいいね。長々と読まされてつまんなかったら最悪やけど、終わりがよかった、ほんと読み終えてよかったです(^^; ほんと、途中でやめようとおもったもん(笑)

  • 発売後すぐ買って、号泣しながらよみました。
    でも、私はフリッツよりも行くん派なのでイージスほど
    読み返さなかったなり。

  • あらかじめ敗北という選択肢を持てなかった戦争。茶番と括るにはあまりに重すぎる戦争。日本民族の消滅を回避し、この国にあるべき終戦の形をもたらす。ナチスドイツによる人種改良実験の偶然の産物である特殊能力に目覚めた「彼女」とその兄の「黄色いSS」。二人の残酷な運命は読んでいて心が痛みます。戦利潜水艦伊507の乗組員との出会いは二人にどんな影響を与えたのか。そして気になるのは浅倉大佐の動きですね。おそらく下巻で明らかになるのでしょうが、何を考えているのか掴めない奴です。彼のミステリアスな魅力もまたいいんでしょうね。

  • 再読。前半部分は若干退屈だけどローレライが本格的に絡むトコから読む手が止まらなくなる。また、これだけ登場人物が多いというのに一人ひとりのイメージが結構明確に想像できるっていうのもこの分厚い福井さん作品の特徴だと思う。「どうせ兵器になるしかないのなら、私はいまなりたい」というパウラと、ソレを艦員一丸になって止めるために全力を尽くすシーンといい、上巻だけでも読みどころたっぷりでした

  • 文章が面白くなく途中で断念
    設定先行の話かな

  • 個人的にイージスのほうが読みやすかったです。 途中の説明(?)が長くて2、3度挫折しながら読み終えました。 読後感は良いんですがねー…。

  • 第2次大戦末期、主人公の海軍新兵・折笠征人は、未だ知らされぬ任務のため親友の清永と広島の呉軍港に降り立つ。そこでは、1隻の潜水艦が彼らを待っていた。その潜水艦こそは、戦争の形態を根本から変えてしまうという秘密兵器「ローレライ」を搭載していたドイツ軍のUボートだった。しかし、日本に到着する前、アメリカ軍の執拗な追撃のために「ローレライ」はやむなく日本近海に投棄されてしまっていた。折笠たちに与えられた極秘任務とは、それを回収することにあった。それを阻止せんとするアメリカ軍とのあいだで苛烈な戦闘が繰り広げられる。そして、その秘密兵器を日本の終戦工作に使おうとする陰謀が、密かに進行していた。

  • 第二次世界大戦
    帝国海軍、潜水艦
    特殊探知兵器ローレライ

  • 古本で発見し、只今世界に入り込み中。
    まだまだ謎だらけですが、ページをめくる手がとまりません^^

  • これアニメにしたら面白いだろうなーって思った始まり方。
    トンデモ兵器が1個あるだけで太平洋戦争が一気にエンタメになった。

  • 第二次大戦末期。
    ドイツから一杯の潜水艦が日本に向かっていた。
    「ゼーガイースト(海の幽霊)」とあだ名される潜水艦UF4。
    秘密兵器「ローレライ」を艦載して日本近海まで来たが、「しつこいアメリカ人」と揶揄される潜水艦との攻防でやむを得ずその秘密兵器を海中に沈める決断をする。

    SS(ナチ親衛隊)の黒衣の制服に身を包んだ男。
    フリッツ・S・エブナー少尉。
    日本人のクウォーターである男は、普段使う事のなかった日本語で取り押さえられながら絶叫する。
    「必ず迎えにくる!それまで諦めるな・・・・・・!」

    主人公の海軍新兵・折笠征人は、未だ知らされぬ任務のため親友の清永と広島の呉軍港に降り立つ。
    そこでは、1隻の潜水艦が彼らを待っていた。
    それこそが「伊507」と呼されたドイツ軍のUボートだった。

    折笠たちに与えられた極秘任務とは、ローレライを回収すること。
    それを阻止せんとするアメリカ軍とのあいだで苛烈な戦闘が繰り広げられる。
    そして、ローレライを日本の終戦工作に使おうとする陰謀が、密かに進行していた。

    12

  • レビューは下巻です。m(__)m

  • 長い、じっくり描かれている。なかなか、進まないのがもどかしいがおもしろい。下巻、どうなるのか楽しみ。

  • 相変わらずの「昔は凄かったけど今は窓際なオッサン」と「壮絶な過去を持つ陰のある若者」の福井ワールド。フリッツ少尉が「シンヤだ」と名乗るシーンに温かさを感じ、健気に戦うパウラの姿に拳を握り、浅倉大佐の不気味ながらもカッコいい描写は魅力的。

  • 再読。

    有りえない潜水艦で、有りえないローレライを回収する上巻。

    ベテラン軍人(ロートルとも云える)に少年兵たち。
    そして紅一点には不思議な少女。(Zガンダムのフォウか、エヴァンゲリオンの綾波レイ・・・と云った所か)
    ガンダム好きには堪らない設定に展開。
    たとえ理不尽な戦場であろうと、少年たちの成長にはグッと惹きつけられてしまう。

    SFミステリで終始するのかと思えば、ちゃんと戦争に対する作者の姿勢も貫かれているようなので下巻が楽しみ。

  • ちゃんとしたレビューは下巻で。
    ちなみに上下巻かつ2段構成。
    長く、最高に面白い。

  • 太平洋戦争時のお話。読んだ本の中でベスト3に入るほど面白かった。映画化もされたが、映画は駄作。単行本ではなく、ハードカバーの方が良い。読み終わったあとに、表紙を見ると感動する

  • 1艘の潜水艦のお話。フランス生まれだったが、ドイツに乗っ取られ、日本へ亡命。乗員は第3国へ脱出し、日本人乗組員にて再生され、いまひとたびの航海へ乗り出す。ドイツ敗戦後、秘密兵器を所持していた為、しつこくアメリカ潜水艦に狙われる。生き残る為に秘密兵器を海中投棄し、脱出。秘密兵器には、乗組員の妹が乗っていた。機密の為、妹が乗っているとも言えず、日本軍に回収を急かす兄。又、その兄弟は日本人の祖母を持っており、風貌は日本人に酷似していた。その為、本国ドイツでは疎んじられ、様々な苦労を重ね、生きる道を模索し、兵器として生きる道を見つけた。「恐怖を感じないようにする為には、自らが恐怖そのものになるのだ。」その戦争もドイツの敗戦で終わったかに見えたが、兄妹はその身を隠す方法を模索し続ける。そうしなければ、兵器としての業を背負い続けなくてはならないからだ。クルーとして乗り込んでいても、常に疎外感を持つ兄。
    日本人乗組員と出会い、感化されていく兄妹。回収作業、出会い、開けっ広げな、幼稚な精神性に厭も応も無く巻き込まれて行く。純粋ならそれでいいのか疑問は残るが、他国に侵略された事の無い国民性、一度も外国に負けた事がない当時の日本人に感化されたのか。
    上巻の締めはしつこいアメリカ人を沈め、帰港する。日本は敗戦まであと少し。時間は無い。イ507の運命や如何に?

  • 戦争中の潜水艦を舞台にした物語。SF・ファンタジー的な要素が濃いかな。現実に抗い、自らの「矜持」を貫こうとする人たちの姿を描いている。

  • 上巻だけでもたっぷりの内容に、下巻を恐れました。
    絹見さんとフリッツがかわいくて好きです

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終戦のローレライ 上の作品紹介

戦争。もはや原因も定かではなく、誰ひとり自信も確信も持てないまま、行われている戦争。あらかじめ敗北という選択肢を持てなかった戦争。茶番と括るには、あまりにも重すぎる戦争。-その潜水艦は、あてどない航海に出た。太平洋の魔女と恐れられた兵器"ローレライ"を求めて。「彼女」の歌声がもたらすものは、破滅か、それとも-。

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