精霊の王

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著者 : 中沢新一
  • 講談社 (2003年11月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062118507

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精霊の王の感想・レビュー・書評

  • 志向的内在性をもつ世界における精霊(スピリット)の直観は, 心的エネルギーを変容し, 治癒的効用, 自己効力感, 自然神学と政治の連結による超越的個人の意識化などの多大な効用を識者に与える。また, 精霊的美学は, ある種の瞑想性と清浄性を要求し, 俗世の横超から複数的世界を発現させる。

    中世日本, 畿内山麓–河川から平野にかけて発展した一連の自治都市群を形成した緩やかな職人連合(テクノクラート)は, 必ず「後戸の空間」の信仰体系を, その長きに渡って継承されてきた技術体系に付随させた。なぜなら, 商人としての合理的思考も備える彼らは, その実際的な効用を理解していたからである。自然神学と自治の政治制度を連結していた彼らは, いわば, プラトニスト・ヤポニカと呼称することができる。しかし, 圧倒的な財力をも誇るこの一連の自治都市群も, 秀吉の無能的政策を端緒として, 次第に衰退していく。

    「精霊の王」とは果たして何なのか。本書は, その謎を解き明かそうとする。そしてそれは, たしかに, 文化経済的繁栄をもたらしていた。

    King Arthur and the City.
    Le Roi du Monde Caché et Kinai.

  • 中沢新一さんの著作はあまりおもしろくないものもあるけれど、これはかなり面白かった。よく書かれた民俗学の本。
    石の神として縄文時代あたりにまつられたシャグジなるものが、その後国家の形成、天皇制の確立、仏教の組織的普及を経てもなお脈々と残り、中世にあっては芸道の世界に宿神として、地の底から噴出するエネルギーのように息づいていた、というこの本の思考はたいへん魅力的である。
    天台宗本覚論や猿楽(能)に関する記述も興味深かった。
    ただし、いつも中沢さんに感じることだが、その思考や想像力はちょっと論理性をとびこえてしまう部分があって、全面的に首肯できない点も感じる。そういう部分は、民俗「学」の学問性を逸脱しているところなのだ。
    それでもこの本は沢山の刺激を含んでいる。現代社会的な「理詰め」や「行き詰まり」を解体しうるパワーを持った本だと思う。

  • 2008/08/15読了。
    「宿神」、「ミシャグチ」と呼ばれる、東日本を中心に分布する神の由来を説き明かすものである。
    ただちょっと説明不足なので、中沢理論の中核となっている「カイエソバージュ」シリーズから読むべきである。
    しかし、「カイエ」を読むと、この内容が物足りないものに感じてしまうから、なかなか微妙である。
    この本の主題となるのは、表の権威にあふれた神と、その裏の「後戸の神」(宿神、ミシャグチがこれにあたる)の二重構造が、日本の社会の中の様々な場面で出てくるということである。
    ちょっと、この二重構造が現れる実際の場所を、さらに深く語ってほしかったところはある。
    天皇制に深くセットされていると言ってはいるのだが、その具体的な部分にふれてはいないし。
    おそらく即位儀礼とかそういったものから解き明かせるのだと思うので、もう少しちゃんと語っても良いのではないかと思う。
    「群像」連載をまとめたものとあってか、難しいところをすっとばして表面だけライトになぞっているという感じである。

    ところで、中沢新一の問題点は本格的な論文の形式をとってないから、どこまでが他人の説でどこからが中沢オリジナルなのかわかりにくいところにある。
    私が文化人類学、民俗学が専門外だからそうなのかもしれないが。
    出典はかかれているから原本にあたれば、その境界ははっきりするのだろうが。

  • 金春禅竹の『明宿集』に拠りながら、宿神と呼ばれ、秩序や体制の背後に潜んでいて、自分自身を激しく振動、励起させることによって、世界を力動的なものにつくりかえていこうとする古層の神、神というより精霊と呼んだほうがよいような存在を探求して、哲学的な思考の中によみがえらせようとする、実に知的で、スリリングな試み本です。

  • これはなかなか面白い。著者のわくわくが伝わってくる。

  • この世界を見えないところで守っている存在があり、私たちは元来、尊い信心が根底にある文化を築いてきたんだと実感させる一冊。

  • 読みやすくて面白い。……実は再読だったのですが、再読でもじっくりと味わって読むことの出来る本だと思います。芸能の神であり、隠された神「宿神」をめぐる一冊。

    装丁も祖父江慎+コズフィッシュで中々素敵です。本の背から表紙・裏表紙にかけてのでこぼこ加工、目次の次のタイトルページ(フランス語)から日本語タイトルページへ移ったときのかっこよさにしびれます。

  • 2009年1月、読了。

  • ●未読
    2009年7月11日(土)〜9月6日(日)
    特別展 知られざるタオの世界
    「道教の美術 TAOISM ART」
    −道教の神々と星の信仰−
    http://www.mitsui-museum.jp/exhibition_01.html
    で紹介
    ★朝日新聞2009.03.28(土)夕刊10面「摩多羅神 現代人を魅了」でも紹介

  • ミシャグジ様の資料として購入。
    丁寧にまとめたわかりやすい文章で、予備知識なく読めていいです。

  • 2005年ごろ 購入

  • 「記紀以前の古層の神」が暴かれるのか!?と期待すると肩透かし。複線と推測ばかりで実証的にすっきりしない。

  • 中沢新一へのハマリ始め

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精霊の王の作品紹介

"魂の原日本"を求めて縄文へと遡る思考の旅。宿神の秘密を明かす奇跡の書、金春禅竹『明宿集』現代語訳も収録。

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