黄昏の百合の骨

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062123327

感想・レビュー・書評

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  • 「麦の海に沈む果実」に続く理瀬シリーズの長編作品。北の地での全寮制の学園を去り、イギリスに留学中の16歳になった理瀬、理瀬の祖母が他界しその遺言に従う形で帰国、地元で魔女の館と呼ばれている白百合荘で叔母たちとの生活を送るようになる…。理瀬をとりまく友人達とも良好な関係を築いていたが、祖母の一周忌を迎えるに合わせ従兄弟達が訪れる…。

    この館の不穏な空気に、登場人物が心を乱されるかのようにストーリーが展開していくのは圧巻でした!「麦の海に沈む果実」では、壮大なスケールと世界観を感じさせるようなファンタジーの要素が強く感じられましたが、本作はどっぷりミステリー!読んでいて気持ちが休まらないほど(いい展開での)でした。この装丁も好きです。また作中の挿入画もなんだかこの作品の雰囲気にぴったりあっていてよかったです。私的には「麦の海に沈む果実」より本作の方が好きです。理瀬がこのあとどんな成長を遂げていくのか、続編楽しみです。

  • 「善など悪の上澄みの一すくい。悪の魅力に比べれば、早朝の儚い霧のようなもの。」

    これが恩田ミステリーなんだろうか。読み終わってもスッキリせず、何かの影が漂い続けているような、そんな終わりかただった。
    水野理瀬の言う「こちら側の世界」とはどんな闇が広がる世界なのか。今後の理瀬が気になって仕方ない。

  • 恩田陸さんのミステリー小説。
    どこがよかったかと聞かれても答えられない
    誰が魅力的だったかと聞かれても答えられない
    けれど、気だるい雰囲気の先には秘密があり
    知ってはいけない、けれど知らずにはいられない何かがあり…
    という、ある意味王道路線でした。

  • 最初、いろんな人物が分からず困ったが、どんどん引き込まれていた。ラストは、一旦終わったと見せかけて!

  • 地区センターで「薔薇のなかの蛇」が棚にあるのをみつけ、まだまだ予約が一杯の本なのにラッキーと借りたら、どうやらその前があるらしいと知り、慌てて借りて読んだ本。面白かった!ていうか、なんか最初良く分からないと思ったら、これも続きなのかー。しまった。
    長崎が舞台で、暫く住んでいたところなので、懐かしく読みました。このお話自体もマンガもしくは舞台に向いているような、ちょっと非現実的で、美形揃いのお話のうえ、誰がなにを企んでやらかしたのか解らず、一気読みでした。
    理瀬シリーズ、他の方のホームページによると、
    『三月は深き紅の淵を』1997年
    『麦の海に沈む果実』2000年★
    『黒と茶の幻想(上・下)』2001年
    『黄昏の百合の骨』2004年★
    「睡蓮」短編/『図書室の海』 所収2002年
    「水晶の夜、 翡翠の朝」短編/『殺人鬼の放課後 ミステリ・アンソロジー2』(2002年) 『朝日のようにさわやかに』(2007年)、『青に捧げる悪夢』(2013年) 所収
    「麦の海に浮かぶ檻」短編/『謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー』(2017年) 所収
    『薔薇のなかの蛇』2021年★
    ★が理瀬主役

  • 不思議で独創的な雰囲気と惹きつけられるような魅力をもつ登場人物から創られる話は引き込まれるがどこが良いか具体的にあげられない。そんな面白さがあった。

  • 麦の上に沈む果実を読んで、理瀬やその他の登場人物の魅力にハマったので、こちらを読みました。

    かなり期待してワクワクして読み始めたのですが。
    理瀬、本当にあの理瀬?
    と、読み始めから、納得がいかないというか。
    登場人物も読んでいる間は、それぞれ個性はあるものの、「麦の上に」に比べると惹かれない。。


    と、思いつつもあっという間に読み終えました。

    読み終えて、やっぱりこの子は理瀬だと思いました。
    中学生から高校に成長した理瀬は、前と同じなわけではなく、でも確かに変化もあるが変わらない部分もあったな、と

    理瀬、という人物が、とても曖昧ででもハッキリしていて、なのに掴みどころがない、、光のようで全然違う闇を持っていて、かといって軽やかさもあるし。。

    とにかくやっぱり結局のところ、私は自分で理解できない理瀬に惹かれたということだと思います。

    話の展開も、次々に目まぐるしく進んでいくのに、うるさくない感じ。




    シリーズが他にあるか調べてみようと思いました!

  • 水野理瀬が主人公の長編第二段。
    少女の成長物語とは、たぶん本質的にはこういうものである気がする。明るい世界を切り捨てようとした亘とは反対に、自分を取り巻く悪意も、救いの手も、光も闇も全てを飲み込んで内包しようとする。それができるのは、少女だけではないだろうか。

    前作があまり読後が良くなかった割に今作満足だったので、理瀬が年齢を重ねるごとに、私は好きになっていくのかも。

  • 3.5

  • 百合の花が本の中で重要な存在感を示す作品なのに。
    まさか、咲く季節を間違えるとは!
    もう気になって読み進むことができない。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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