転落

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著者 : 永嶋恵美
  • 講談社 (2004年7月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062124379

転落の感想・レビュー・書評

  • 【あらすじ】
    ホームレスになってしまった「ボク」は、食料を探していた神社で、小学生の麻由から弁当を手渡される。巧妙な「餌付け」の結果生まれた共犯関係は、運命を加速度的に転落へと向かわせる。見せ掛けの善意に隠された嫉妬・嘲笑・打算が醜くこぼれ落ちるとき、人は自分を守れるのか!? 驚愕の心理サスペンス。

    【感想】

  • ホームレスとなった「ボク」は、小学生に餌付けされ、彼女の言いなりとなり、悪事を繰り返す。

    読むのを止められない展開でした。
    2章に入って、1章のストーリーにまんまと騙されていたことに気付き、さらに、真実が次々と分かっていくにつれ、先が知りたくて、まだ騙されているところがあるんじゃないかと先読みをしたりして、夢中で読みました。

    3章から1章に戻るのですが、その間が薄くて、あれ?と思いましたが、そこは、想像の域なのでしょうか。

    子育て、友情、様々な悪意…ここまでのことはなくても、ありそうな話だなと思わされました。
    ただ、人を殺めることへの罪の意識の低さに現実感がなく、そこが一番怖かったです。

  • +++
    落ちていく速度は転げるように早い――
    ホームレスになってしまった「ボク」は、食料を探していた神社で、小学生の麻由から弁当を手渡される。巧妙な「餌付け」の結果生まれた共犯関係は、運命を加速度的に転落へと向かわせる。見せ掛けの善意に隠された嫉妬・嘲笑・打算が醜くこぼれ落ちるとき、人は自分を守れるのか!?驚愕の心理サスペンス。
    +++

    全体に重苦しい空気が垂れ込め、一歩前へ足を出すのも大儀な印象の物語である。ひとつ間違えるとここまで転がり落ちてしまうものだろうか。あちこちに罪深い者がいて、彼らが複雑に絡まり合ってしまい身動きが取れなくなっているようにも見える。善意と思ったものが自己中心的な悪意であったり、興味本位の詮索であったりもする。何重にも欺かれる一冊である。

  • 2014.4.30
    読んだことあったー

  • 終わり方が・・・

  • 荷物を奪われた「ボク」はホームレスになった。人生の転落はそこから始まるというよりも、むしろそのきっかけとなった真相からそれまでの人生が「転落」といえよう。3部構成により、最後にすべての真相が明らかになるが、さらに詰めて練ったらもっと良くなるのに…という感想。

  • ホームレスに身を落としたボクが、小学生の女の子に食事を恵んでもらうようになり・・・
    予備知識なしに読んだが、途中すっかり騙されてた。
    面白かった。
    (図書館)

  • 全財産を置き引きに遭い、ホームレスに身を落とした『ボク』。小学生のカナと出会った『ボク』は、彼女に言われるまま、食べ物と引き換えに小さな悪事に手を貸す。危ういバランスを保っていたかに見えた日々はしかし、カナが邪魔になった『ボク』を殺そうとしたことで終わる。『ボク』は逆にカナを扼殺し、隠れ家にしていた空き家に放火して逃げる。身を寄せた先は、『母の友人』の家だった。
    二人の女それぞれの現在と、二人を結びつける過去との三章から成る小説。
    『ボク』が語り手となる第一章は小説ならではのミスリードを誘うが、種明かしされると果たしてそんな必要あったのかと思う。何かのっぴきならない事情が『母の友人』と『ボク』との間にあるのかと思いきや肩透かしというのは、思わぬ展開を通り越しすぎてマイナスポイントなのでは。むしろ第一章まるっと削除しても成り立つくらいの話だし。読みやすかったし面白くはあったが、物足りないなというのと、何でこうなっちゃうのという感じが強く残った。

  • 内容(「MARC」データベースより)
    ボクの周囲の歯車が狂い始めた。ホームレスとなったボクは、小学生の女の子と出会い、その日から少しずつ、歯車が狂い始めていった…。心理サスペンスと叙述ミステリーを融合させた物語。

    → 子供を亡くした2人の母親が主人公。
    『ボク』の正体が初めは不思議な感じ。途中からじわりじわりとわかっていく。

  • オランダ、アムステルダムなどを舞台とした作品です。

  • ホームレスの視点で始まる話はなかなか読ませます。
    しかし,どうにもこうにも,生きにくい世の中のようです。ちょっとした悪意のオンパレードで,めいってきます。
    子供もかわいくないし,子育ても楽でない。老後も全然希望がない。
    誰一人好きになれそうな登場人物がいないというのも,すごい話です。
    怖いし寂しいお話です。あの子供もそこまでやるか!と思いますが,そうでなければ、ただホームレスがのたれ死にして終わってしまうのでしょう。
    さわやかなお話が好みの人には、あまりお勧めできません。

  • ホームレスになった主人公は食べ物を探している途中で小学生の女の子・麻由に食べ物をもらう。
    それが、麻由の巧妙な悪戯とも気付かずに、、、。

    第1章では主人公の語り口調で、すっかり勘違いしてたけど( `▽)ゞ
    第2章で主人公が変わった時に一瞬、混乱したぁ(^▽^;)
    で、第3章でハッキリ・スッキリ。
    そのわりには、モヤモヤと後味の悪いような、、、(  ̄っ ̄)

  • 最後はビックリするくらい、転落しちゃいます。

  • 読み進めていくうちに、だんだん気分が落ち込んできた。でも、続きが気になって、結構サクッと読み終えてしまった。結局、誰も幸せになってない辺りが、リアル。でも、救いがないなぁ・・・。

  •  ホームレスとなり、早くも一文無しに近い状態になったボク・柿原知実。そんなボクが神社のお供え物に手を出そうとした時、彼女は声をかけてきた。小学五年生の槌谷麻由。彼女はお弁当を持っていた。そしてそれをボクにくれたのだ。それから毎日彼女は食べ物を持ってやってきた。そしてその代わり、ボクにいろんなことをさせた。まるで僕を餌付けするように。ボクはそれでもかまわない。麻由に嫌われないためだったら何だってする。

     この作品は3つの章に分かれていて、それぞれ視点が変わる。1章はホームレスの柿原目線で衝撃的な内容で終わったため、次の2章で柿原を匿う高山目線では、高山同様、読者は柿原の精神異常を疑うだろう。が、それにしては読み進めるうちにどんどん腑に落ちないことが多くなり、再び柿原の目線に戻る3章にかけて、今までの話にはたくさんの嘘やトラップがちりばめられていたことに気付く。一つ言ってしまえば、この章自体にも仕掛けがしてあるのだ。・・・が、なんだかこの仕掛けをうまくいかしきれていなかった気がしてしょうがない。あちこちにいろんなものをまいたものの、それをうまく全部拾い切れていないような、中途半端な部分が残っている感じ。加害者と被害者とその周りについてや、介護の問題なんかも含まれていて、ぐいぐい読ませる要素はあちらこちらにあったんだけど。

  • この本はまあ小説だけど被害者を追いつめる周りの目ってよくでてくるので世間って怖いものなんだなぁ

  • 3部構成。
    以下、ネタバレです。
    ホームレスになったボクから始まり、ボクは血尿でどうやら何か悪い病気らしいが、何の病気か不明。
    ボクは実は♀なのに何故に♂と思っているのか、故意に♂しているのか不明。
    幼児虐待も絡み、ストーリーは謎だらけで、真相が全く持ってすっきりしない。
    つまり、ただ、ただ暗いお話。
    '08.11.29読書完了

  • 暗い・・。
    トリックや人物の心理が明らかになっても、全然晴れ晴れとした気持になれない。
    狭いコミュニティの「ムラ社会」ってのは良くも悪くも怖い。
    もう一回読みたくはならんね。色んな意味で。

  • 本当に相応しいタイトルだと思う。

  • 初めて読む作家の本だったけど、しかし、読ませる作品でした。

    心理サスペンスって書かれているのだけど、ある意味、叙述トリックのような側面もあってびっくりだけど、その小道具(本来なら大戸具なんだろうけど)すら、心理戦に拍車をかけて、もう、スタートから「嫌な予感」ぷんぷんの作品になっています。

    3章仕立てだけど、語り手が違う構成。1章はホームレスになり落ちた「僕」の話。歯車が狂うのは、カナという少女と出会ってから。次第におかしな方向に話が進み、読み手は「嫌なことが起きそう」ってプレッシャーを感じて読まずに入られない雰囲気に。案の定、「事件」が起きる。そこで2章に移る。これ以降は、ネタばれになっちゃうので書けないけど、ホームレスや幼児虐待など、社会的な問題も取り混ぜながら、「善意」の中にある悪意のない「悪意」を考えるようなテーマだったけど、いかんせん、暗く重い(^^;

    先を読まずにはいられない作品だったけど、少し後半は、ばたばたした感じ。もう少し濃厚な作品にも出来た感じもあるけど、個人的にはこのテーマにはこのボリュームがうれしかった。
    2004.11.22

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転落の作品紹介

追い詰められた者たちが見つけ出した答え。善意に満ちた悪。驚愕の心理サスペンス長編。

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