アフターダーク

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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062125369

作品紹介・あらすじ

真夜中から空が白むまでのあいだ、どこかでひっそりと深淵が口を開ける。「風の歌を聴け」から25年、さらに新しい小説世界に向かう村上春樹。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。ひきこまれるなんてことはなかったけども。
    村上春樹の小説はキムタクのドラマみたいなもんなんじゃないかと思った。
    一番印象に残ったのは、「普通の人は考えない。でも、僕は考える」ていうシーン。誰でもこういうことはあるでしょう。みんながみんなの特別な思考を繰り広げているけど、圧倒的な「普通」が存在する世の中。普通ってなんだろなー。単純な平均というわけでもない気がするけど。

  • 2015/05/29【読了】村上春樹/アフターダーク

    こんなに意味がなさそうに見えて、難解なほどに意味がある小説もまぁないのではないかというくらい。
    相変わらず村上さん天然(に見せかけた養殖なのかもしれない)どS…。全部回収しきれたのか謎だけど、なるほど面白かったです。
    村上作品はなぜかあまり読んでいなくて、長編小説よりもエッセイや短編が好きなのですがこれは比較的読みやすかったかな。
    とはいえ読みやすい分、ボーッとしてたら「…?!」ってなって終わってしまう可能性が高そう(笑)

  • アフターダーク 単行本 – 2004/9/7

    面白さがつかめなかった
    2012年5月2日記述

    村上春樹さんによる作品。

    深夜にファミレスにいた少女。眠り続けている姉。
    取り巻く周りの人たちとの交流を描いた作品。

    正直なところミステリー小説でもないし、何か大きな事件が起こるわけでもない。

    何だか難しい。
    この作品の良さと言ったものがいまいちつかめなかった。
    字面だけを追う読み方が問題であったのか・・

    お姉さんは結局起きたのだろうか。
    途中であったTV画面内の世界は何だったのか。
    内面を描いただけの存在だったのだろうか。
    白川はその後何もなかったのだろうか。

    とある深夜から夜明けまでの一コマを描いた作品以上になってないと思う。

  • 驚くべきは実際に読んでいる時間、つまりページ配分がリアルタイムに近かったこと。いや6時間はかかっていなかったが、章ごとに休憩などいれたら結果そうなった。さらには同じ時間で追っていくこともできたと思い悔やんだ。
    春樹作品としては異色といえる。どう考えても新宿だし、デニーズもならば初台店だ。香川県だの作中に示されてもどこか別世界のそれとし読ませられてきたのだが、今作は実にリアル。分かり易いヴィランも設定して、いつもと違う感が大きかった。でもやはりその軽さの中にも読後感の充実ははずさない。

  • 「人間ゆうのは、記憶を燃料にして生きていくものなんやないのかな。」

    夜の闇の更に深い場所で、会ったばかりの、名前も知らないような人だから、話せることもあるだろう──。

    ファミレスでひとり夜を明かそうとする少女マリ、眠り続ける美貌の姉エリ、姉の同級生・バンドマン高橋、ラブホマネージャーのカオル、従業員のコムギとコオロギ、デリヘルの中国人女性、彼女を送迎するバイクの男、コンピュータソフト会社に勤める白川。

    pm23:56からam6:52までの6時間。昼間とは変容した真夜中の街、夜の一番暗い時間を越えた『アフターダーク』に生き、出会い、すれ違ってゆく人々を描く。

  • 村上春樹は本当に大好きな作家さんですが、この作品が中でもとりわけ好きです。
    一夜の出来事を、まるでフィルム映画で観ているような感覚です。カッコつけすぎているとか、理解不能という人もいるようですが、そういうところも含めて大好きなんですよね。
    出版されてから今まで何回読み返していることか・・・。
    なんだかな~、というやるせない気分の時に何故か必ず手に取ります。

  • 時計のイラストがはいっているのがとても可愛い印象です。

    作品は非常にシリアスです。
    マリという19歳の少女の24時間を描いた小説なのですが、主人公を軸に、美しい姉、姉の同級生、中国人の女、元プロレスラー、エリートサラリーマンなど様々な人物がからみあって展開していきます。

    主人公はマリと書きましたが、正確には主人公マリと高橋の2人が
    主人公になるでしょうか。

    24時間という時間の中でファミレスからラブホ、ビジネスビル、
    生活空間と舞台がコロコロと変わっていきます。登場人物は連日TVで放送されている現代をそのまま切り取ったような人達。
    妙な現実感がありますが、こうして小説として読んでいると、
    取材されている「彼ら」の実在が懐疑的な影を帯びていきます。
    この物語は、どこで進行しているのだろうかというような。
    そんなあやふやで不可思議な印象、でもそれがすごくリアルなんです。

    マリとエリの2人の見えない視線の絡み合いも、作品に緊張感を
    与えている気がします。高橋が2人の関係の解決者というか、仲介者のような役目を果たして、2人の個性がはっきりと浮かび上がってきます。美しい2人なだけに非常に迫力があって、みどころになっていると思います。

    個人的にはマリに感情移入してしまうのですが、
    マリもエリも、どちらも好きになりました。
    でも私もマリほど優秀じゃないですが…。

    男性が非常に怖い存在に映ります。

    曲折を経て、マリと美しい姉、エリが迎えるラストシーンが印象的でした

  • 精神分析小説という村上ワールド。真夜中から明け方までの都市の一部という凝縮された時空間のなかに現代風俗を放り込み、村上的人間たちが浮遊する。朝日がさしても何も解決はしない。まるでユングの夢のように。

  • 正直、読後「?」となった。淡々と読み進めていって、気付いたら、読み終わっていた。謎な部分は全てそのまま。場面場面の時間設定を、とても細かに記す意味は。静かで冷たいところで、確実に何かがのそりと動いているのだろうけど。いろいろなものを次から次へと生み出し、最終的に終始がつかずに結論を告げられた感じ。盛り上がりはないし、フィナーレもない。あちら側とこちら側。…アンニュイ!

  • さらっとは読めたけど、読み終わった後、心に何かが届いたわけじゃなかった。

    これより、『ノルウェイの森』や『国境の南、太陽の西』のほうが俺は好き。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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