震災列島

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (500ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062126083

作品紹介・あらすじ

東海地震に東南海地震が連動、名古屋に大津波が。そして日本は!?

感想・レビュー・書評

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  • 2004年の本だけど、巨大地震で原発がメルトダウンするというのは、まるで2011年の東日本大震災のお話のよう。
    この本の地震は東海地震と東南海地震の連続地震で、メルトダウンするのは御前崎の浜岡原発だけどね。

    日本の政治システムの批判が主題で、そのことに紙面の多くが割かれているので、政治家だけでなく高学歴者を批判するメディア戦略に自分のやっかみ心を正当化してもらっている国民にも痛いお話。

    日本は高学歴の政治家が少なくて、本当に優秀な人材は国家公務員上級職などで実務を支えている不思議な国なので…。
    江戸時代のダメ藩主を支える優秀なお役人と同じ構図。

    前作の『死都日本』よりは「物語」が多めに描かれていたけれど、政治家や警察と結託した悪いヤクザに娘さんをボロボロにされたおじさん主人公とその父親、殺された娘さんの彼氏のテンションが微妙に冷静過ぎるのが少し気になりました。

    特に彼氏さん。
    クールさが求められる警察官とは言え、結婚直前の彼女があんな殺され方(自殺だけど…)をしているのに感情が見えなさ過ぎだし、作者さんは性暴力で女性がどれだけ傷つくかがイマイチわかっていないのかな…と違和感でした。

  • 震災の怖さ、人間の業、復讐。
    序盤の最初はかなり次の展開を期待したが、序盤の終わりで胸糞悪くなった。ヤクザって何してんの?

  • あの事件は、女性(読み手)としては嫌な設定で、小説にはありがちな事ではあるけれど、家族の行動にも正直ガッカリ。 著者のコメントもきっちり読んだものの、でも何故こんな設定にしたのかアンビリバボ状態のまま、何とか読破。 石黒作品に教えられることが多いのでファンではあるが、死都日本のデキが良過ぎたのか、なんて思わずにいられなかった感あり。 

  • タイトルから、デビュー作「死都日本」のような小説を期待して手にとったんだが、、、
    はっきり言って、けったくそ悪い本だった。
    "震災列島"なんてタイトル、付けるんじゃねー!
    ぜんぜん震災列島じゃないじゃん!
    ヤクザとの抗争物語やん。
    もう一度言う。
    地震の描写以外は、ただのヤクザとの抗争物語!
    読むんじゃなかった!

  • 火山関係の本を読んでいると、「もし大噴火が起きたとき、どのようなことが起こるのか。それを見事に描いたのが石黒氏の『死都日本』」と書かれていた。
    早速図書館に行ったけれど、見つからず、この本を読みました。

    この本は東海地震と東南海地震の話し。
    地震に少し詳しくなれた気がします。

  • にゃごや。

  • ミステリーかと思って読んだら、ある家族の復讐劇を 描いた作品だった。やたらと地震の知識がつく。

  • 東海地震+西南海地震(?)が連続して起きるっていう近未来小説みたいな部分と自分の娘が殺されその復讐に萌える親子の部分が同時進行して、なかなか面白かった。
    地学用語は難しかったけど。

    日本に原発は合わないな。

  • やくざものなのか震災ものなのかどっちつかず感がいなめない。

    婦女暴行のくだり、不快。

    でも何より思ったのが、311は予想できたんじゃないかということ。
    舞台が若干異なるだけで、だいたいが同じようなことばかり描かれている。
    メルトダウン、液状化、津波etc・・・

    自然災害を防ぐことはできなくても、対策はとれたはず。
    危機管理の問題?

    みんな利己的すぎる。
    資本主義ってそんなに素晴らしいの?
    豊かになることが必ずしも幸せにつながるわけじゃない。

    なんだかなー

  • 東海地震、東南海地震を想定した話。
    以前に読んだことがある気がするのだが、全体的にぼんやりとした記憶しかなかった。3月11日のあと、この小説を開いてみれば、この人には全部わかっていたのかと思うほど、今年聞きなれてしまった単語ばかりが並ぶ。地震、津波、液状化、原発。著者に言わせれば、予知でもなんでもなく、今年起きたことは必ずいつか起こることで、起こるべくして起こったことなんだろう。でも、以前の私には現実感をもって受け止められず、記憶にもあまり残らなかったのだろう。
    娘をめぐる悲惨な描写が度が過ぎて、コミカル(を目指していたんだよね?)な復讐劇とテンポが合わず小説としての面白さはいまいちであるし、そのあまりにも大きな力にびびりながらも興味を持たせてくれる自然災害の描写は圧倒的に「死都日本」のほうが上だけれど、大震災を経験し、この先もいつかはまた大きな地震が起こることが間違いない日本に住む限り、読んで損はないと思う。

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著者プロフィール

1954年、広島県生まれ。医師、小説家。阪神淡路大震災に遭遇したことを契機に執筆を開始。地変国日本のあり方を問うた処女作『死都日本』(第26回メフィスト賞受賞作)でデビューし、その科学的根拠に基づいた緻密な構成力と、圧倒的なスケール感で、読者に異例の反響を呼ぶ。他の著書に、『昼は雲の柱』『樹の上の忠臣蔵』(ともに講談社)がある。

「2010年 『震災列島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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