- Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062126731
感想・レビュー・書評
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R3.9.2 読了。
少し変わった家族の物語。家族の形ってどんなものがいいのかな?
うちの家族には無いものがたくさんあり、読んでいて温かい気持ちになれました。詳細をみるコメント1件をすべて表示-
theamaries1994さん家族のかたちに関わらず、その大切さは伝わってくるお話だと思いました。家族のかたちに関わらず、その大切さは伝わってくるお話だと思いました。2021/09/03
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「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」
春休み最後の日、朝の食卓で父さんが言った。
主人公・中原佐和子の父親が仕事の教師を辞め、そして父親も辞めると宣言する。
これが物語の始まり。なかなかインパクトのある出だしに、少々、父親の無責任さに苛立つ。
当然ながら『お父さんを辞めるなんて、なんて無責任な父親なんだ!』と思ってしまう。
しかも兄・直は、憤りも動揺もなく「いいんじゃない?」の一言を発したのは、この兄の思考は?と疑ったのち、学年トップの成績で英検1級、漢検1級であることを知ると『そうなんだ』と逆に落ち着いた思考だと感心してしまう。(すごい先入観だ)
自殺未遂の父、夫の自殺未遂に病んでしまい家を出た母(家を出た後は生き生きしているようだ)、天才児で大学を中退し農業をする兄、父の自殺未遂のショックから梅雨時期に具合が悪くなる佐和子。これが中原家である。
「うちの家庭って崩壊してるのかな?」
私がプリンにスプーンを突き刺しながら言うと、母さんが目を丸くした。「どうして?恐ろしく良い家庭だと思うけど」「父さんが父さんを辞めて、母さんは家を出て別に生活してる」
(中略)
「でも、みんなで朝ご飯を食べ、父さんは父さんという立場にこだわらず子どもたちを見守り、母さんは離れていても子どもたちを愛している。完璧。」
良い家庭の基準はその家族が決めるものである。側から見ていて崩壊していても(笑)、その家族がいいと思っていれば、これが普通だと思っていれば、それでいい気がする。
仮に中原家が崩壊していたとしても、私がこの家族を良い家族だなぁと思えたのは、家族が家族のことを考えていることだ。
佐和子が高校になってつき合った大浦君が、亡くなった時、佐和子を支えたのは家族であった。直ちゃんが、小林ヨシコに振られそうになった時に一緒に悩んだのは佐和子だった。
「幸福な食卓」の定義、この本を読んで、タイトルの意味がわかる。家族が揃って食事ができることが何よりの幸福ではなかろうかと同意する。少なくとも中原家においては… -
ごく普通の家庭がそれを守ろうとするがあまり壊れそうになる前に、それぞれ、あるがままのかたちで受け入れようとする姿を描く。
しかし、最後が悲しすぎて…。
なぜそうしなければいけなかったのでしょう、瀬尾さん!と問いたくなる。
中学校の国語の教科書にも紹介されていたが、確かに中学生以上向けだと思う。 -
ある日、父が「今日で父さんをやめようと思う」と言った…
軽いタッチでさらさらと話は進むけどなかなかの高カロリー展開。家族の関係やその他諸々考えさせられた。
でもやっぱり私は瀬尾まいこ先生が好きだ。 -
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私のレビューに”いいね”をいただき、ありがとうございました。
この作品は、最後の落ち、というかあまりの急展開にびっくりしましたね。
えっ...私のレビューに”いいね”をいただき、ありがとうございました。
この作品は、最後の落ち、というかあまりの急展開にびっくりしましたね。
えっ!!!!!
と開いた口がふさがらず、その後は涙涙でした。
一応、結構たくさんのレビューを面白おかしく書いているので、是非ほかのもお読みいただければありがたく。<(_ _)>2020/08/27 -
コメントありがとうございます。
いやほんと、全然構えてなかったので。
むしろ、この先どうなっていくのかなぁと期待していたところだったので...コメントありがとうございます。
いやほんと、全然構えてなかったので。
むしろ、この先どうなっていくのかなぁと期待していたところだったので余計に衝撃でした。2020/08/28
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いやあ、反則ですよ、瀬尾さん……。
「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」の書き出しで始まるこの作品。
さすが「坊ちゃん大賞」受賞作家。
毎度毎度の事ながら、一気に読者を魅きつける書き出しだなと思い、読み出した。
いつものように飾り気のない素直な文章が心に染み入る。
「ホントに彼女の文章はほんわかして心がほのぼのしてくるよなあ」と、映画「テルマエ・ロマエ」を観て大笑いした後に帰宅し、部屋で横になりながらこの本を読んでいた。
「最後は今回どんな終わり方なのだろう?」とのんびりした気持ちで読んでいたのだ。
最終章『プレゼントの効用』に入っても。
「中原さんも大浦君も微笑ましいカップルだなあ。大浦君は何をプレゼントし、何を中原さんに要求するのだろう?」
とワクワク、ウキウキしながら読んでいたのだ。
ところが、まさかの急展開。
そんな……。
一気に涙が零れ、気が動転してしまった。主人公の中原さんのように。
そんな馬鹿な……。嘘でしょう?
涙が止まらなくなった。
「反則だよ、瀬尾さん」と心の中で思わず呟いてしまったのだ。
思っていた以上に懐の深い作家でした。瀬尾まいこさんは。
泣かされました。やられました。参りました。お手上げです。降参です。
また、次の作品が読みたくなりました。それしか言えません。
映画化され、DVDも出ているようです。
しかも、昨日観ていたDVD『武士道シックスティーン』に出演した北乃きいちゃんの映画デビュー作だって。
そのうえ、この映画で第31回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞だそうだ。
中原さんのイメージにぴったりだよなあ。観たい……。
おそらく映画を観ても、ラストは泣いてしまいそうな私です。はい。-
こんばんは。『幸福な食卓』のレビューに温かいコメント、ありがとうございました!
佐和子と大浦くん、ほんとにほほえましくて、いつまでも見守っ...こんばんは。『幸福な食卓』のレビューに温かいコメント、ありがとうございました!
佐和子と大浦くん、ほんとにほほえましくて、いつまでも見守っていたいような二人だったので、
あの展開には涙、涙でした。。。
大浦くんとの出逢いのおかげで、佐和子のトラウマが薄れてきていた矢先だったのに。
でも、少しずつ浮上しかかってた佐和子の心が、大浦くんのことでまたどん底まで沈んだのを、家族や友達や、ガサツなヨシコまでもが、それぞれ自分のやりかたで引っ張り上げようとする、そこがまた瀬尾さんらしくて素敵でしたよね。
映画も張り切って観に行ったので、その感想は映画のレビューのほうに。。。2012/05/10 -
koshoujiさん、はじめまして。
「幸福な食卓」へのコメントありがとうございました。
koshoujiさんのお名前、私もフォローしている...koshoujiさん、はじめまして。
「幸福な食卓」へのコメントありがとうございました。
koshoujiさんのお名前、私もフォローしている方のところで 拝見させていただき、レビューも読ませていただいてました!!これからはフォローさせていただきますね。
私にとって 瀬尾さんはこれが初めての作品なんですが、いやぁ~やられましたね・・
koshoujiさんは 他の作品も読まれているんですね。私も他のを読みたいのですが、、ただいま
図書館の予約待ち。。いつになることやら。
映画は皆さん、おすすめしてくださっているので是非、この夏休みに見てみようとおもってます。
今後ともよろしくお願いします!!2012/07/23
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もういい大人なのに、190ページにさしかかった途端に声をあげて泣いて、
娘にあきれられた、記念すべき作品。
「家が遠いのに自転車でかわいそう」的発言をしたために、主人公佐和子に頭が貧困と言われ、早速次には自転車に乗ってきて(しかもお金持ちなので電動自転車!)、帰りには電池切れで押して帰っていく大浦くんの後ろ姿。
初めて彼氏の家を訪れるときに、手土産にお歳暮かお中元でもらったサラダ油セットを持ってきたヨシコが、傷ついた佐和子のために作ったかすかすのシュークリーム。(ときどき卵の殻入り。)
そんなひとつひとつのエピソードがたまらなく愛おしい、大好きな一冊です。-
まっき~♪さん、コメントありがとうございます(*^_^*)
本嫌いの子を持つ母、ってとこまで一緒だなんて、ほんとにご縁を感じます!
よく育...まっき~♪さん、コメントありがとうございます(*^_^*)
本嫌いの子を持つ母、ってとこまで一緒だなんて、ほんとにご縁を感じます!
よく育児書に、
「子供を本好きに育てるには、親が楽しそうに読書する姿を見せるのが一番です」
みたいに書いてあるけど、ぜったい嘘ですよね?!
映画版『幸福な食卓』は、登場人物が絞られてて
大浦くんが2人分のエピソードを背負ってたりするけれど、
原作の雰囲気を壊さず、とても誠実な仕上がりになってるので
思う存分浸って泣ける時に、観てみてください♪
私としては、脳内キャスティングしてた、兄役の平岡祐太くんが
本当にその役で画面に出てきたので、感激でした!
2012/05/29 -
わー、映画もよさそうですね!
映画のページで見たのですが、佐和子に北乃きいちゃんはぴったりだなぁと思いました。
二人分のエピソードを背負う大...わー、映画もよさそうですね!
映画のページで見たのですが、佐和子に北乃きいちゃんはぴったりだなぁと思いました。
二人分のエピソードを背負う大浦くんとのことですが、頭の中でイメージしてみると、大浦くんと鯖のエピソードの組み合わせは「あり!むしろすごくあり!」です(笑)
2012/11/20 -
マリモさん☆
北乃きいちゃんをはじめ、キャスティングがとても良くて
瀬尾さんファンも納得♪の仕上がりになっているので
マリモさんも、お時間...マリモさん☆
北乃きいちゃんをはじめ、キャスティングがとても良くて
瀬尾さんファンも納得♪の仕上がりになっているので
マリモさんも、お時間があったら、ぜひぜひ!
ラストで流れるミスチルの曲を、瀬尾さんのために
受け持っていた生徒たちが歌ってくれたというエピソードをエッセイで読んで
そこでもまた泣いてしまった私でした。2012/11/21
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瀬尾まいこさんの本は今回2冊目
瀬尾さんの書く物語の女の子はいつも何かに守られてる気がする
女の子は弱く壊れやすく守らなければならない存在
そんなイメージ
「幸福の食卓」を読んでいると小川糸さんの「ツバキ文具店」の世界に近いなと感じた -
主人公を取り囲む人々は、とても不器用だけど温かくて思いやりがあって、主人公も読者の私も救われます。
瀬尾さんの文章は、簡潔で軽やかですっと頭に入ってきます。とても好きです。 -
つらいことがあった時も
悲しいことがあった日も、
朝は変わらずやってくる。
食卓に並ぶのは家族の優しさ。
けれど家族を縛っているのはそんな食卓の決まりごと。
お父さんは自殺に失敗して
お母さんは家出した。
私は梅雨が苦手になり、いつからか兄は真剣さを捨てた。
それでも家族は繋がっている。
みんな気付かないところで悩んで傷ついて。
そして気付かないところで想われて守られて…
どうかこうあればいい、きっとそんな物語。
***
たぶん現実にこんな家族はありえない。でもありえそうだと思うほど、どこかが限りなく現実に近い。
ふわりと暖かくて、ちくりと悲しい。そんな物語です。 -
ちょっと変わった家族の話。ひとりひとり、個性があるがいい味出してんだなぁ。初っ端の唐突さから始まり単なるソフトな破天荒家族の話かと思いきや、徐々に色々な事情が出てくる。暖かく面白く、それでいてしんみりさせる。が、最後はまた暖かさで締める。展開も上手いがテンポも良い。登場人物も好きだわ。非常に気に入りましたわ。
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みんなに会ってみたい。
温かく、気持ちよく生きている。
泣いた。自然と涙があふれてくる。 悲しみが素直に伝ってくる。
でも、最後には上を向いて歩いていける。
きっと、幸せな道が開いている。開くことができる。待っている。
瀬尾まいこさん、すばらしいです。 -
感想になってないけど
自分の生きている生活の中で感じられないものを感じられるのが本のいいところだと思う
みんな愛に溢れていて、それでもうまくいかないこともあって、悩みがあって、救いもあって、人生なんだろうなと
ハッピーエンドを求めてしまう性分で
佐和子には幸せになってほしいなーと思う
愛すべき登場人物ばかりでステキな本でした -
幸福な朝食
父親が「父さん」を辞めることを宣言。変わった家族の形。
バイブル
頭の良い兄は彼女が出来ても長続きしない。なんてだろう…。
救世主
うまく行かない高校生活。学級委員とかやりたくないし。
プレゼントの効用
クリスマスのために大切な人にプレゼントを送ろうとする。
主人公は、中原佐和子(中学~高校)。
兄は頭がめちゃくちゃ良いが大学には行かず、
農業の道へと歩む。
父は学校の先生だったが退職し、さらには父親という役割も
辞めようとする。
母は一緒に住んでおらず、たまに中原家にご飯を作りに来る。
けど、一緒に食べることはない。
そんな家族関係。
不思議な家族関係だけど、それがまたありそうで、
すんなり読める作品だったよー。
佐和子が中学のときに、よく話していた転校生の坂戸くんや、
塾が一緒だった大浦くん。
(のちに、大浦くんと佐和子は付き合うー!!)
佐和子の身近にいる男子がまた、良い味を出してる。
まったり読める話だなーって思っていたら、
「プレゼントの効用」でやられた…。
「えっ!?そんな!?えっ!?えっ!?」と自分の感情を
揺さぶられたよー。
正直ショックな話だったけど、でもそこから佐和子が
未来に歩いていく様子も感じられたから良かった。
ネタバレなるから、これくらいにしておくよー笑
とにかく、最初は☆3くらいだっけど、
最後の最後で☆4にランクUPしましたー!! -
予想外に、読み終わったあとの、ずどんって感じがすごい。
タイトルの「幸福な」っていうのが、救われる気持ち。 -
悲しい。大浦くん大好きだった。必要な人だった。でも、彼の死もまた必然だったのかもしれない。みんなが普通ではないのに、楽しい、どの家庭よりも楽しく振る舞う家族。それを普通に戻すべきなのか…、結論は分からない。 ただただ大浦くんに感謝した。
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映画がとても面白かったので読んでみたところ、映画では本当に内面描写等をかなり省略していたのだということがつくづくわかり面白かった。
ほかにも、大浦くんが最初は違う少年でしかもイガグリ頭だったり、佐和子が直ちゃんにいろいろと作戦を伝授していたり、父さんが3回受験に失敗していたり。
お母さんが家を出た理由がきちんと描かれていたりと、映画だけではモヤモヤしていた点が解消されて気持ちがいい。
欲を言えば、父さんが大学を目指した理由や心情、直ちゃんの色恋以外の人生ついてももうちょっと知りたかったところ。
小説としてどうこういうわけではなく、どうやら僕はこの小説の登場人物たち(家族+大浦くん+ヨシコ)のファンになってしまったようなのだ。
大浦くんの性格には親近感を感じる。また、映画を先に見たせいもあってか、各々の人物の外見や仕草もとても魅力的に感じる(小説を先に読んでいたら、お母さんを思い浮かべるときに石田ゆり子ではないただの子ども思いのオバサンを思い浮かべてしまったかもしれないし)。
続編があったら読んでみたいけれど、きっと蛇足になるだろうからないほうがいいのだろう。
でも、佐和子が母であり妻になったときの家庭の話ならいいかもしれない。
※文庫版の解説も読了。
4
(2012.3) -
淡々と続く生活、様々な出来事、あったあった、私の過去にも!という学生生活を送る主人公。
友達関係、成績、バイト、兄弟の中で起きるなんともない些細な事件が続き安心しきったそんなラストの章で、突然待ってる落とし穴。
目の前が真っ暗になりました。
本当、このまま幸福なままめでたしめでたしかと思ったよ。
本当。目の前が真っ暗になる。という体験を読者という形で出来る一冊です。
オススメ!!!