サンカの民と被差別の世界 (五木寛之こころの新書 6)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062129374

作品紹介・あらすじ

消えゆく記憶と、消してはいけない歴史

語られることのない、日本の歴史の深層を真摯に探訪する。
かつてこの列島には、土地に定住することなく、国家に帰属することもなく自分の身分証明をした人びとがいた。海の漂泊民「家船」と山の漂泊民「サンカ」である。そして関東には、江戸・東京を中心とした被差別の世界があり、社会の底辺に位置づけられた人びとがたくましく生きた。賤民を束ねたのが浅草弾左衛門、非人頭は車善七だ。

<著者のことば>
私は、隠された歴史のひだを見なければ、“日本人のこころ”を考えたことにはならないと思っています。今回は「家船」漁民という海の漂泊民から「サンカ」という山の漂泊民へ、そして、日本人とは何かという問題にまで踏みこむことになりました。それは、これまでに体験したことのなかった新しいことを知り、自分自身も興奮させられた旅でした。

感想・レビュー・書評

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  • 知らなければ小説で読む山禍をそのままサンカだと思ってたかもしれない

  • 漁民はせんみんだった。
    歴史を考え、日本人を考える。それは自分のアイデンティティとは何か、ということを知ることにもつながる。知るということは力になる。より深く知ることによって、自分はどのような日本人としてこの列島で生きていくのかという覚悟が決まってくる。

  • [ 内容 ]
    かつてこの列島には、土地に定住することなく、国家に帰属することもなく自分の身分証明をした人びとがいた。
    海の漂泊民「家船」と山の漂泊民「サンカ」である。
    そして関東には、江戸・東京を中心とした被差別の世界があり、社会の底辺に位置づけられた人びとがたくましく生きた。
    賤民を束ねたのが浅草弾左衛門、非人頭は車善七だ。

    [ 目次 ]
    第1部 海の漂泊民、山の漂泊民(海を住処とする「家船」の人びと 幻の「サンカ」を求めて 漂泊者の思想とその豊饒な文化)
    第2部 東都の闇に生きた被差別の民(「浅草弾左衛門」と呼ばれた賤民の王 生と死、聖と賤、美と醜の境界 「フーテンの寅さん」への憧れ)

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 家船についても少し触れてます。

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著者プロフィール

1932年、福岡県生まれ。作家。生後まもなく朝鮮半島に渡り幼少期を送る。戦後、北朝鮮平壌より引き揚げる。52年に上京し、早稲田大学文学部ロシア文学科入学。57年中退後、編集者、作詞家、ルポライターなどを経て、66年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、67年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞、76年『青春の門筑豊篇』ほかで吉川英治文学賞、2010年『親鸞』で毎日出版文化賞特別賞受賞。ほかの代表作に『風の王国』『大河の一滴』『蓮如』『百寺巡礼』『生きるヒント』『折れない言葉』などがある。2022年より日本藝術院会員。

「2023年 『新・地図のない旅 Ⅱ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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