腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

著者 :
  • 講談社
3.37
  • (43)
  • (83)
  • (161)
  • (28)
  • (11)
本棚登録 : 560
感想 : 116
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062129985

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • タイトルにインパクトがあり、前々から気になっていた作品、ふと手に取る。

    舞台でのストーリーが本になった経緯なんだね。賛否有りそうな作品だが、舞台も見てみたいと思った。

    売れない女優が田舎に帰ってきて、兄や妹と掛け合いながら進むストーリー。

    強烈な感情の表現方法が渡の心には刺さったな。主人公の中に私を見てしまう。

  • お姉ちゃんがとにかく気が狂ってるが、出てくる人、皆、狂っとる。
    タイトルが良い。

  •  2004年11月10日~14日「劇団、本谷有希子」第8回公演「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」@青山円形劇場の後に発行された小説です。
     2004年の公演は未見ですが、昨年9月にNHK-BS2で放映されたときに、エアチェックしていました。
     公演の「腑抜けども・・・」、小説の「腑抜けども・・・」、それぞれに独立の作品、別物として、それぞれに魅力があることが分かります。
     また、小説を読んだ後に、再度、公演を観てみると、初見の時とは違う観方ができました。

    ストーリー 
     うだるような夏の暑さに閉じ込められた山間の集落、赤戸前村。
     ここで一組の中年夫婦が道路へ飛び出した猫を庇い、ダンプに轢かれ死亡した……。両親の訃報を受け、東京から六年のあいだ音信不通だった長女が和合家へと帰って来る。
     「あんた、本当は二人が死んだことも漫画のネタになると思って喜んでるんでしょ?」
     おびえる次女にそう微笑む長女。困惑する新妻の待子が夫の穴道から厳守するよう誓わされた一家の掟は次の三つだった。

     『一つ、長女の澄伽には何があっても逆らってはいけない』
     『一つ、次女の清深には決して心を許してはいけない』
     『一つ、長男の穴道に一切の恋愛感情を抱いてはいけない』

     やがて自由にふるまう澄伽によって、和合家の日常は大きく歪み始める。
     それぞれの思惑が交錯し、空回り、事態は一層の泥沼へと嵌まり込んでいき───。

  • 映画を先に見たのですが、原作もなかなか。
    ただ映画があれだけ濃い内容量だったのに対し、原作は少々あっさり。原作つきの映画って殆どが原作の内容を削られる作品ばかりだけど、この作品は補足されてく映画だったなぁ、と。さそれは作者が劇作家であり演出家であるからなのかと思う。一応本として出来上がったけど、そこには演出が必要で、つまりこの本は台本の延長線上である、と私は思います。
    上から目線だけど、とても可能性が感じられる作品だなぁ、と思いました。

  • 面白くて、怖くて、一気に読みました。
    登場人物みんな個性的で、そして怖い。
    最後のどんでん返しが良かった!
    本谷有希子さんの人を惹きつける力、すごいです。

  • タイトルに惚れた。
    1人1人の個性が立っていたのが良い。
    誰を主人公においても面白いと思います。

  • 面白かったー
    「コインロッカー•ベイビーズ(村上龍)」を読み返そうかな。

    図書館にて。

  • 最後の方の「……あ、ない!」っていうセリフが凄く違和感というか、なんか受け付けなかった。そこだけ。
    映画も見てみようかなって思った。

  • 間違った自意識の怖さ。
    人間って怖すぎる。

  • 凄いうにゃ、ってなる終わり方で、全体的な話の作りもそれで?みたいなかんじだったんですけど、
    兎に角宍道と待子がツボ。此の関係がツボ。
    この二人の遣り取りというか、そういうのがもっとあったら嬉しかったなー、とおもいます。これだけでもう星5つつけていいくらいに。
    何となく主題がぼやけているような印象は、ありましたね。
    結局は妹頭オカシイ。姉も頭オカシイ。っていう感じで。
    現代的な小説ではあると思います。
    描き方もですけれど、登場する人物も。
    特に清深ちゃん。えげつないなあ。
    自分は特別な人間って思い込むのもなかなか難しいし、清深ちゃんが妹でさえなければまだマシな人生だったんじゃないかな、とおもいます。
    きっと清深ちゃんは待子さんのこととか、宍道さんのこととか平然とマンガで書いちゃうんでしょうね。
    正直待子さんには本気でしあわせになってもらいたかったのですが、残念でした。

著者プロフィール

小説家・劇作家

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」

本谷有希子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×