灰色のダイエットコカコーラ

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著者 : 佐藤友哉
  • 講談社 (2007年6月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062130639

灰色のダイエットコカコーラの感想・レビュー・書評

  • こんなに読み進めるのが苦痛な小説ってあるんだなぁと思った。
    肉のカタマリって何回言うねん。

    無意味にグロテスク。

  • この主人公、莫迦なの?
    そう思うのは簡単だが、果たしてそう云い切れるだろうか。

    単行本の評価はなかなかに厳しいし好き嫌い別れそうな話ではある。何せ虐殺だの暴力だの強姦だのが、さも当たり前の正義であるかのように語られるのだ。北海道のとある町、「覇王」と称した建築会社社長の祖父を持つ主人公は、覇王になるべく奮闘するのだが、その覇王は、なんでもない当たり前の日常を過ごす肉のカタマリを支配することが当然だというのだ。14歳から19歳にしては、あまり気持ちの良い目標ではない。

    だが「覇王」を目指す主人公を、「覇王」になることに取り憑かれながら何もできない主人公を、私は笑うことなどできない。将来の夢をさも当たり前に訊く現代では、何かになる、ならなければならないという概念が早い段階で要求されているように思う。覇王を目指し奮闘する主人公は、感覚は違うし具体的な目的はなくとも、ひとまずその夢にひた向かい、そして挫折するのである。

    個人的にはハサミちゃんという娘の変貌がおもしろかった。女性というものは、ある意味で簡単にそうして諦められるものなのかもしれない、柔軟に物事を変えられるのかもしれない、などと思えた。

    ところどころ顛末がまるでファンタジーだが、覇王を目指す主人公にあらゆる苦言を呈す肉のカタマリたちが及ぼす影響はなかなか見ていておもしろい。なんだかんだ主人公は覇王になることを自分に呪いかけているようにすら感じる。彼の虹は、最大に侮辱した肉のカタマリのなかにこそあった。

    主人公は祖父にもミナミ君にも憧れつつ、そのどちらにもなれないが故に、彼らのその夢にすがっただけだ。主人公は彼らの後を常について行くだけだった。彼はただ何かになりたいと足掻く、どうしようもない10代に過ぎなかった。

    彼が果たしてお父さんマシーンになれるかは、わからない。少なくとも普通に誇りを持っては生きることはないだろう。

  • ごめんね挫折(^^;;
    氏の著書で読破できたのは、初読みの『デンデラ』だけかも…。その後いろんな作品を手に取るも、あえなく挫折。いろんな意味でイタイんだもん。
    我が家にもこの予備軍になりそうな息子がいるようないないような(笑)。読んでるうちに今の息子にますます腹が立ってくるように思えたので、読むのをやめました┐(´ー`)┌

  • 「覇王」と「肉のカタマリ」という奇抜な語の二項対立が、帯から使われている。本書は、「覇王」を目指し、「肉のカタマリ」になることを忌避したことによる迷走の記録、というかたちをとっている。

    その主人公の迷走の内容も、露悪的かつ過剰なものである。エロは殆どないが、グロには注意が必要。

    だが大筋だけ見れば、一般的な青春小説の域を出るものではないと思う。「覇王」もそうだが、「肉のカタマリ」についてはとくに、思春期の子どもから見た”フツウの大人”という程度の定義しか与えられていないように思える。

    「特別になりたい、けどどうしたらいいか解らない」この点への共感と、露悪的な描写の過剰性への脅威、これらのバランスが本書の特徴といえるのだろうが。出版当初はともかくとして、現在では後者の、“露悪的・過剰な描写”はそれほど珍しいものではなくなってしまっている。

    その点、これらの描写に共感を持つ者でなく、かつ、こうした描写に比較的順応している私には、「ありふれた青春小説」という印象を与えるだけだった。

  • 灰色のダイエットコカコーラ
     『タンデムローターの方法論』同人誌 2002年11月
    赤色のモスコミュール
     『ファウスト』Vol.1 2003年10月
    黒色のポカリスエット
     『ファウスト』Vol.2 2004年3月
    虹色のダイエットコカコーラレモン
     <短縮版>として『ファウスト』Vol.3 2004年7月に掲載されたものに、加筆、訂正を加えて新たに書き下ろしたものです。

  • 2011 11/19読了。Amazonで購入。
    おそらくは自分の故郷でもある千歳が舞台の小説。
    地方都市の閉塞感とかそこで生きることへの葛藤・抵抗とか。
    ファスト風土化とかが頭に浮かぶ、ああなるほどこれは凄くゼロ年代っぽい・・・劇中は90年代だけど。
    自分は割りとさっさと千歳を出てしまってその後もふらふらしているのであまり感じないけれど、もしずっと残ってたら・・・とか考えるとグサグサと来る。

  • 青春真っ只中の奴は全員この作品を読め。
    青年は生贄を捧げて大人になる。
    人間は肉のカタマリ。糞袋。
    ただの赤い液体を入れる容器。
    下らないセンチメンタルなんて捨ててしまえ。
    無理解を理解しろ。非常識を常識しろ。
    攪乱して反駁して湮滅して嘔吐しろ。
    寂寥感を感じレゾンデートルを覚えても、
    結局、虚数を証明するような無意味さに似た、
    不必要な衒学を覚えるのだ。
    灰色な大人としての19歳は、
    アイデンティティがバグれて、
    熱暴走とショートの連鎖。
    電脳に浸ったところで、
    それは幽閉されていることにも、
    気付かずにコンピュータに殉教するのだ。
    自らを覇王と感じる中二病も、
    いかに正当なる根拠のなさ。
    如何せん、妄想と脳震盪の虚飾に溺れ、
    機械として生きる若人に、
    これからの日本をデペンドできるはずもなく、
    おのずから首をギロチンにかけるような、
    絶望感・自虐の繰り返しのニートと自殺者の、
    溢れ出した世界に未来もないのは正解だ。
    祝福でなく呪術を贈ろうと、
    下らない青春を送ろうと、
    意図している若輩者に、
    佐藤友哉はこの作品を描いたのかもしれない。
    佐藤友哉の虚無感と堕落は、
    精神病の如くのティーンエイジャーに、
    良く似ている。

  • 覇王である祖父の血を引く「直系」の僕。肉のカタマリ達をバカにしながら葛藤し続け、とうとう20歳の誕生日に肉のカタマリとなって幸せをつかむ。と言うお話。覇王になるのかなぁと期待したけど結局なれずかなり残念な終わり方…。2時間位で読む位のスピード感が無いと前半はしんどいかも。

  • 鬱屈した青年が、屈服した大人になる話。


    過去は、今に繋がっているんだな、と思った。

    祖父やミナミ君がいなければ、主人公は覇王を目指さなかった。
    覇道を進もうとしなければ、ハサミちゃんやユカちゃんに出会わなかった。

    自分は覇王じゃないと認めることで、主人公は大人になったんだな、と感じた。

    覇道は、青春と同義なのかな。


    祖父と同じになろうとした主人公は、結果的に祖父と違う人間になった。
    主人公に感化されたミチオも、主人公と違う人間になるんだろう。


    祖父ちゃんとハサミちゃんとユカちゃんが好きです。
    ハネダ家の娘さんも結構好きかな。


    所々表現が非現実的だけど、まあいいじゃん←

  • 青年期の鬱屈した心はよく書けてたと思います。
    私はハサミちゃん好きですねーかわいい。
    あと、おじいちゃんエピソードも好きでした。ファンキーで粋!
    ただ、なんか非現実的すぎて(出産と吐血のとことか)、
    こういうファンタジー性はどうなんだろうかと思いました。

  • なんだろう。なんでかこの人の文章に中毒してる。
    一文一文見たら絶対好きな文章じゃないんだけどなー。読書家っぽいけど浅薄な感じも(あえてそうしてる)否めないし。

    鬱屈が屈服に変わるまでを描いた青春小説みたいなかんじ。

  • 奥さんになると思いもしなかった数年前、島本さんの作品と同時に読んでた。その後この二人が結婚したと聞き、全く無関係の私が何故か得意気になったわ。

    あ、これ感想じゃないね。

  • 強くて無情で「覇王」とよばれ、街を力で支配していた祖父の直系であるという誇りや、自分が特別ではなく普通であることを自覚して自殺してしまう親友のミナミ君の想いを大切にし、他人を毛嫌い、「肉のかたまり」として見なし、大量殺戮をして、祖父のように「覇王」になろうとする。

    今まで沢山の本を読んだ中で、一番主人公が狂っています。(ある意味純粋です)また表現もグロテスクで、想像すると気持ち悪くなります。でも確かに境遇があのようだったら、こんな風になるのではないかとも思いました。少なからず人が嫌いになることがあると思いますが、あの考えを強く長く持っている感じです。

    一般にはオススメできません。しかし、猟奇的なもの、グロテスクな趣味、人間が嫌いだという人にはオススメです。

  • 2010/05/31
    厨二病が行き過ぎちゃった感じの話。
    ここまで大袈裟でないとしても、ここまで主人公の周囲に案外凄いひとがいなくても、自分も似たような感覚は経験があるので自分の黒歴史を見るようなつもりで。
    なんか色々と過去を引きずり出されるむず痒い話でした。

  • 幼くて単純で歯痒くて、でも必死って言い切れない。

    まさに、(非リア充の)青春。

  • 祖父みたいな覇王になれず、ミナミ君(友人)みたいな潔い死を選べず、焦燥感に駆られ、俺は覇王になる他の愚かな人間、肉のカタマリ、みたいには絶対にならない!というけど、結局何も出来てない19歳フリーター。
    普通だっていいじゃないか派の私は、肉のカタマリでいいです。

  • 自分は特別だと信じたい、でも根底では違うんだと知ってる判ってる。
    それでも信じたいという著者の愚直さと葛藤を感じた。

  • 美しい青春です。

  • 「1000の小説とバックベアード」も(皮肉でなく)素晴らしかったのですが私はもう圧倒的に「灰色の...」に傾倒してしまいます。「あの」「佐藤友哉」がこれを書いたということにひたすらに痺れます。詳しいことは書きたくないです。兎にも角にも読んで頂きたい(出来ればその前に佐藤友哉さんの他の著作を読んで)「逸品」。装丁もクゥルネスの一言に尽きるなぁ。

  • 図書館で借りた本。
    インターネットである方とお知り合いになれた
    わたしにとっては縁起のよい本

    佐藤友哉先生への思いが
    確実になった本。

  • 「覇王」であった祖父の血を受け継ぐと豪語するぼく、19歳。職業・フリーター。
     バカみたいに笑って日常を平穏に生きてる奴らはみんな負け犬。「肉のカタマリ」をあざ笑え。「特別な自分」を信じろ。だってぼくには才能がある。

     そんなロストジェネレーション。口先だけでなにもできない愚かな若者の虚無と再生を書ききった、非常に胸糞の悪い小説です。

     佐藤友哉は多くの場合なにかに喧嘩を売るような作品を発表しているような気がするのですが、つかれないのかな……と心配になることがあります。余計なお世話かな。

  • 祖父は覇王だった。親友は敗北して自殺した。「肉のカタマリ」になんてなりたくない、そう思う僕は十九歳で、まだ覇王にはなれていない。北海道に住んで、学もなく、才能もなく、あまりにも「普通」に過ごしてしまっている…覇王の血はどこにいったのだろう?

    すっごいつらい本だった。世の中には「特別な人」と「特別でない人」がいて、誰しも最初は特別になれると思っているのに、いつのまにか挫折している。だけど傍に本当に特別で例外な人がいて、その人生を見てしまったら、いつまでも「自分だって特別になれる」と思い続けてしまうのではないだろうか。
    一生をかけても叶わなかった夢の末路が悲惨で残酷であるように、挫折しながらも挫折できない人生は痛々しい。
    最後の最後「僕」がたどり着いた結末は、みんなが思っているようなことではあるけど、なんだかひどくかなしかったです。この逆カタルシスやばい。

  • 現代日本の「罪と罰」。それは我々の問題なのか?それとも著者の限界なのか?

    佐藤友哉は確かに才能があると思う。どうしようもないストーリーであっても、何か訴えかけてくるものがある。ただし、どうしても視野が狭いというか、著者自身の言いたいことの範囲というかフォーカスが狭いので、読んでる途中で飽きてしまう。ある世代によっては、そうだ、そうだと、俺もそうだと最後まで読んでカタルシスを得ることもできるのだろう。しかし、それではやはり多くの人に伝わらないし、できの良い漫画を読んだ方が時間を有効に伝えるだろう。333のテッペンには、とても可能性を感じたので、是非、著者自身が成長するなり、心を売って商業主義に走るなりなんでもいいので、読んで気持ちの良い小説を書いてもらいたいものだ。結局、この小説の主人公もそちらを選んだのだから、著者が選べないということはないだろう。

  • 2009.3
    失われた10年と呼ばれる時代があったことを初めて知った。
    のん気だわ。
    著者が同い年だったんだけど。
    恐ろしや。けど、わからんでもない。
    肯定的なわけじゃなくて。

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灰色のダイエットコカコーラの作品紹介

家族を笑え。恋人を捨てろ。社会人を見下せ。
――だって僕には“才能”があるんだ!
ロスト・ジェネレーション(失われた十年)を代表する記念碑的傑作がついに現れた!

「覇王」として君臨した祖父の高みに至るべく、「特別な自分」を信じ続けようとする「僕」。北海道の片隅で炸裂する孤独な野望の行き着く先は、「肉のカタマリ」として生きる平凡な人生か、それとも支配者として超越する「覇王」の座か?
――さあ、世界のすべてを燃やし尽くせ!

灰色のダイエットコカコーラの文庫

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