灰色のダイエットコカコーラ

著者 :
  • 講談社
3.28
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本棚登録 : 352
感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062130639

感想・レビュー・書評

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  • 「1000の小説とバックベアード」も(皮肉でなく)素晴らしかったのですが私はもう圧倒的に「灰色の...」に傾倒してしまいます。「あの」「佐藤友哉」がこれを書いたということにひたすらに痺れます。詳しいことは書きたくないです。兎にも角にも読んで頂きたい(出来ればその前に佐藤友哉さんの他の著作を読んで)「逸品」。装丁もクゥルネスの一言に尽きるなぁ。

  • 図書館で借りた本。
    インターネットである方とお知り合いになれた
    わたしにとっては縁起のよい本

    佐藤友哉先生への思いが
    確実になった本。

  • 「覇王」であった祖父の血を受け継ぐと豪語するぼく、19歳。職業・フリーター。
     バカみたいに笑って日常を平穏に生きてる奴らはみんな負け犬。「肉のカタマリ」をあざ笑え。「特別な自分」を信じろ。だってぼくには才能がある。

     そんなロストジェネレーション。口先だけでなにもできない愚かな若者の虚無と再生を書ききった、非常に胸糞の悪い小説です。

     佐藤友哉は多くの場合なにかに喧嘩を売るような作品を発表しているような気がするのですが、つかれないのかな……と心配になることがあります。余計なお世話かな。

  • 祖父は覇王だった。親友は敗北して自殺した。「肉のカタマリ」になんてなりたくない、そう思う僕は十九歳で、まだ覇王にはなれていない。北海道に住んで、学もなく、才能もなく、あまりにも「普通」に過ごしてしまっている…覇王の血はどこにいったのだろう?

    すっごいつらい本だった。世の中には「特別な人」と「特別でない人」がいて、誰しも最初は特別になれると思っているのに、いつのまにか挫折している。だけど傍に本当に特別で例外な人がいて、その人生を見てしまったら、いつまでも「自分だって特別になれる」と思い続けてしまうのではないだろうか。
    一生をかけても叶わなかった夢の末路が悲惨で残酷であるように、挫折しながらも挫折できない人生は痛々しい。
    最後の最後「僕」がたどり着いた結末は、みんなが思っているようなことではあるけど、なんだかひどくかなしかったです。この逆カタルシスやばい。

  • 現代日本の「罪と罰」。それは我々の問題なのか?それとも著者の限界なのか?

    佐藤友哉は確かに才能があると思う。どうしようもないストーリーであっても、何か訴えかけてくるものがある。ただし、どうしても視野が狭いというか、著者自身の言いたいことの範囲というかフォーカスが狭いので、読んでる途中で飽きてしまう。ある世代によっては、そうだ、そうだと、俺もそうだと最後まで読んでカタルシスを得ることもできるのだろう。しかし、それではやはり多くの人に伝わらないし、できの良い漫画を読んだ方が時間を有効に伝えるだろう。333のテッペンには、とても可能性を感じたので、是非、著者自身が成長するなり、心を売って商業主義に走るなりなんでもいいので、読んで気持ちの良い小説を書いてもらいたいものだ。結局、この小説の主人公もそちらを選んだのだから、著者が選べないということはないだろう。

  • 2009.3
    失われた10年と呼ばれる時代があったことを初めて知った。
    のん気だわ。
    著者が同い年だったんだけど。
    恐ろしや。けど、わからんでもない。
    肯定的なわけじゃなくて。

  • 歴史はとまってしまった。これからの僕は何も手にしないだろう。すべて他者のもの。言葉も、人生も、太陽も、世界も、僕以外の誰かのもの。あるのは美しすぎる過去だけだ。
    (P.98)

  • 偉大なる祖父と自分を比べ、あまりにも自分が卑小なことに悩む主人公。

    祖父を超える覇王となるため、肉のかたまりにならないために藻掻き苦しむというストーリー。

    とにかくいろいろ飛び抜けていて、絶対に飽きさせない作品。

    ラストが、とても気にくわなかったが、それは僕も覇王になる夢をまだ見ているからだろう。

  • 地方出身者の鬱屈というものが私には分からないんだけど、なんだかなぁ。ラストは私が予想したのと180度違ってちょっと自分の性格の悪さが気になった。

  • 出だしがよかったのに失速してる感がいなめない(´・ω・`)

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著者プロフィール

1952年北海道釧路市生まれ。
1974年に北海道教育大学札幌分校特設美術課程卒業(美学・美術史専攻)。1976年に北海道教育庁北海道新美術館建設準備室の学芸員、翌年には北海道立近代美術館学芸員となる。1985年北海道立旭川美術館学芸課長。1990年からは北海道立近代美術館に戻り、2004年同館学芸副館長。2012年から2022年まで札幌芸術の森美術館館長を務める。この間、それぞれの美術館で数多くの北海道ゆかりの作家の個展や現代美術展を企画開催。
現在、AICA国際美術評論家連盟会員、北海道芸術学会会員、北海道美術館学芸員研究協議会会員。また旭川市中原悌二郎賞、札幌市本郷新記念札幌彫刻賞、ニセコ町有島武郎青少年公募絵画展、北海道陶芸展などの審査員を務める。

「2023年 『北の美術の箱舟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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