すらすら読める枕草子

著者 :
  • 講談社
3.33
  • (0)
  • (3)
  • (6)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 70
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062131186

作品紹介・あらすじ

「春はあけぼの」だけが『枕草子』ではない 男と女のエチケット、人づきあいのマナー、感動を呼ぶ折々の記に再構成。現代にも十分に通用し、現代人も共感するエッセイを、わかりやすい現代語訳と解説で紹介

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 女性ならではの細やかな視点と、揺れ動く心の描写が上手く、
    起こっている現象からちょっと意地悪な裏読みをしたりするのが面白い。
    かと思うと、保守的な男性のようなことを言ったり、身分の低い者を見下したり。
    清少納言はあまり性格は良くないのかもしれないけど、
    裏を返せば良くも悪くもすごく女性らしくて正直な人だったんでしょうね。

    山口先生の通解と時代背景や当時の文化などの噛み砕いた解説があり、
    古典が苦手な私でもとても分かりやすかった。
    女性の感性は今も昔もそう変わらないものですね。

  •  NHK Eテレで放送中の「100分de 名著」シリーズは、今月は清少納言の「枕草子」である。講師は国語のエキパート山口仲美先生だ。若々しく見えるが御歳70歳になるそうだ。普段学生たち若者と接しているからなのか、本当に若く見える。

     実は初版を買って読んでいるから、今回読むのは二度目である。そして気が付いたのは、先日読んだ「100分de 名著」のテキストは、この「すらすら読める枕草子」からの抜粋であった。ほとんどそのままだ。「100分」のテキストの1~3章までが「すらすら」からの抜粋で、たった最後の第4章だけがオリジナルのようだ。先生ちょっと手を抜いたかも。

     だから今回読んでいても「あっ、これ昨日読んだじゃん」ということになり、何だかみんな二番煎じである。それでも語っていることは良いことを言っているので、そこは我慢して読むことにした。

     結局読後感は「100分de 名著」のレビューと同じになってしまう。ということで山口先生もお許しくださるだろうと思う。

  • 冲方丁の『はなとゆめ』を読んで、清少納言のイメージ変わったから枕草子読みたくなって読んでみた。
    元々の高飛車というか自信たっぷりなイメージがはなとゆめによって覆されて、謙虚な人なのかなあって思い始めてた。だけど枕草子を抜粋して解説を加えたこの本を読むことで、やっぱり自信家だよなあと思えてしまった。

    とはいえ、この本はただ訳が載ってるだけじゃなくて、どういう心境でこう書いたんだろうとか、こう言うところが現代にも通ずるとか、そういった記述が詳しくて読み進めるのが楽しかった。

  • 著者は明治大学国際日本学部の教授で、『すらすら読める今昔物語集』も執筆されている。また、2007年には日本エッセイスト・クラブ賞を受賞されているだけあって、とても読みやすい文章の書き手である。

    この『すらすら読める枕草子』では、『枕草子』を三つのテーマで15のシーンに分けて組み直したものを、本文と現代語訳それに解説を付してまとめてある。そのスタイルとしては、酒井順子さんの『枕草子REMIX(リミックス)』と同様のもの。

    この作品の素晴らしいところは解説部分。古典の授業では味わえない面白さや奥深さがギュッと詰まっているところ。抄訳本ではあるが、これだけ味わい深い作品に巡り会えたことに感謝すらしたくなる。

    酒井順子さんの『枕草子REMIX(リミックス)』も面白く読めたが、こちらはそれを凌ぐ読後感。『すらすら読める今昔物語集』も読みたくなってしまった。

    「BOOK」データベースより
    忍ぶ仲のマナー、人としてのエチケット、他を思いやり、感動する心。現代にも共通する大切なことは、みな、清少納言が書き留めていた。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

一九四三年生まれ。お茶の水女子大学卒業。東京大学大学院修士課程修了。文学博士。埼玉大学名誉教授。文化功労者。古典語から現代語までの日本語の歴史を研究。特に『犬は「びよ」と鳴いていた』(光文社)、『ちんちん千鳥のなく声は』(大修館書店)など、擬音語・擬態語の歴史的研究は、高く評価されている。論文「源氏物語の比喩表現と作者(上)(下)」で日本古典文学会賞、『平安文学の文体の研究』(明治書院)で金田一京助博士記念賞、『日本語の歴史』(岩波書店)で日本エッセイスト・クラブ賞受賞。また、「日本語に関する独創的な研究」が評価され、二〇二二年に日本学賞を受賞。二〇〇八年紫綬褒章、二〇一六年瑞宝中綬章を受章。

「2023年 『日本語が消滅する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山口仲美の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ヴィクトール・E...
三浦 しをん
村田 沙耶香
村上 春樹
又吉 直樹
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×