- Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062133241
作品紹介・あらすじ
俺は絶望してるがゆえに俺なのだ
'00年代カルチャーを縦横無尽に疾走する若手女流作家の長編小説!
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
一発屋芸人のその後を描いたような小説。
都会を歩けばどこでも見知らぬ他人からひそひそ「終わった」と囁かれる。
深い絶望から不眠症になった戸越は、ひょんなことからとあるホームレスの実家に居候し、憎きディレクターへ復讐の時を告げる伝書鳩を待つこととなった。
しかしたどり着いた家では、すでに勝手に暮らしている不思議な女シズミがいて……。
戸越が「自分は絶望しているのだ」という事実に固執している姿が哀れで愛おしかった。庄司唯生として生活を始めることになり、田舎の人間にも歓迎され馴染みだしてしまっても、シズミに指をにぎられ安らかな眠りの波がこようとも、それに自ら抗っていくスタイル。これはだいぶこじらせている。
又吉直樹「劇場」や「火花」と通じるものを感じた。ままならない人間の深淵をみせられているよう。
-
不幸って何だろう。あの芸人がちらつく設定が好き。
-
人生ドン底w
ってな事で、本谷有希子の『ぜつぼう』
う~ん、タイトルに惹かれ本谷節を切望して読んだけど、ぜつぼう感はそれ程でも……
集中して読めなかったからかな……。
ちょっと有吉を思わせる感じと、その後の期待みたいなので期待外れとラストも個人的にはイマイチじゃったかな
2019年10冊目 -
これやっぱり、モデルは猿岩石なのかなあ。
こんな風にいろいろめんどくさく考えて、身動き取れず、どこにも行けなくなってしまう感じ、自分でも覚えがあるけど、いやなものだなあ。 -
絶望をぜつぼうと表す事で、なにか少しの余裕を感じます。不眠が続く事に安心するといった状態から。
また、最後に手を差しのべたのはシヅエなのか、あるいは、自分がそうありたいという妄想なのか、疑問が残りました。シヅエで二人共幸せになる設定でいいと思います。
-
人の人生を笑ってはいけない。それが滑稽でも。滑稽に気づく方がいいのか逆がいいのかそれもわからない。だが面白い作品。
-
一過性のブームを起こした元芸人で不眠症で通院している戸越に刺さる人目がつらい。伝書鳩に拘るホームレスに導かれた家に勝手に住んでいた女性との田舎暮らしや田圃作業の中で薄れる絶望と、絶望に酔っている訳ではない、今も絶望の只中だというしがみつき。過度に重苦しくはなく簡単に癒やしに向かわない所に個性が光る。