小説家

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062136259

感想・レビュー・書評

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  • 2016年11月27日

  • 南アフリカ、ケープタウンなどを舞台とした作品です。

  • ★「純文学」作家の苦悩★著者についてはバイオレンスエロス小説家ということだけを知っていた。量産するだけの作家だと思っていたが、小説に対する確固たる心掛けがあった。代表作を先に読んでおけば、なおさら落差は大きかっただろう。高校を中退して炭鉱で働き、妻子を捨てて不倫相手と東京に出て、そこでさらに別の女と暮らす。事実だけを並べれば破滅型の大衆小説家も思えるが、純文学を志して中上健次が抱える書く理由と迫力に押され、森敦の文学観が理解しきれないとおののく。トラック運転手をしながらも毎朝5時に起きて小説を書き続けたことが示すように、決して器用ではなく真面目なのだろう。自分の揺らぎを70歳を過ぎても赤裸々に示すところが、この半生記の肝となる。食べるために純文学を捨てて現在のスタイルを選んだ。そこに誇りを持つために本名で書き続けるさまにも、著者の心根が表れている。

  • 昔は純文学、私小説が偉くて、娯楽小説は只の暇つぶしと思われた気がする。文学のためには、家族も何もかも犠牲にし、うだうだと不幸自慢のような小説を書くと、偉いと思われてた気がする。この作家は、その時代を引きずってる方ですね。なんか読んでて、文体や内容が懐かしい気がしました。石田衣良さんは、女性関係に着目してましたが、私は売れ過ぎてからうつ病になった時の話しを中心に書いたほうが、面白いのではと思いました。

  • まだ買ってないが。

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著者プロフィール

1932年、東京生まれ。さまざまな職業に就きながら、同人誌『文藝首都』で執筆活動を続け、74年に「寝台の箱舟」で小説現代新人賞を受賞。『獣たちの熱い眠り』がベストセラーとなり、以降、官能とバイオレンスを軸に著作は300冊以上。70代で発表した自伝的な作品『小説家』は読書界で大きな反響を呼び、その後も『死支度』『秘事』『叩かれる父』などを上梓。20年3月、逝去。最新作は遺作となった『落葉の記』(文藝春秋)。

「2021年 『家族会議』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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