一瞬の風になれ 第三部 -ドン-

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062136815

作品紹介・あらすじ

ただ、走る。走る。走る。他のものは何もいらない。この身体とこの走路があればいい「1本、1本、全力だ」。すべてはこのラストのために。話題沸騰の陸上青春小説。

感想・レビュー・書評

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  • 陸上青春三部作(非公認)読み終えましたー!!
    どなたかのレビューで

    中学→あと少し、もう少し
    高校→一瞬の風になれ
    大学→風が強く吹いている

    と書いてあってこれは是非読んでみないと!と思い図書館へ走りました。
    今更知った図書館のありがたさと、日本の素晴らしさね!

    佐藤多佳子さん、初読みでした。

    高校1〜3年生までを、3冊にわたって描く物語。
    サッカー少年だった主人公の神谷君とその家族、天才的スプリンターの幼馴染や情熱のある陸上部の面々との出会い。
    終始主人公の神谷君の砕けた語り口調で描かれており、クラスの男子と話しているような感じ。

    大人でも子供でもない高校生という舞台で、挫折をして自分の底や限界、努力だけでは報われないことも知り、それでも将来を展望する。仲間に救われ成長しながら感動の涙を流し、そして淡い恋の予感…♡

    的なね!それはもう、あまじょっぱい感満載でした!口からみたらしでしたね。

    3冊あって、長いのは長いです。でも、まわりくどく説明してる描写とかはなくて、むしろその大事な一本を数行で!?なところが多くありました。
    100メートル走の描写が主なので、誰かが走ってる時は息を止めながら読む感じ。リレーのところは400メートルずっと息止めして応援してました。

    先生がいい仕事してたなー、みっちゃん。普段厳しくはないけど、ちゃんと締めるところは締める。連君のところが感動したなぁ。
    最後もよかった。そこでー!!って終わって、それがよかった。もうちょっと見たかったけど。。

    勝手に三部作にして読んだ結果、よかったです!それぞれがそれぞれ本当によかった。スポーツ一切できない私もとても興奮したし、一緒に泣いてすでに(各)部の一員でした。

    • にゃんちびさん
      megmilk999さん
      コメントありがとうございます⭐︎
      陸上どころか、運動はからっきしのクセに勝手に『仲間』でした笑
      megmilk999さん
      コメントありがとうございます⭐︎
      陸上どころか、運動はからっきしのクセに勝手に『仲間』でした笑
      2022/02/20
    • hibuさん
      口からみたらし笑
      最高の誉め言葉ですね!

      淡い恋の予感がちょっとするのがいいんですよね〜
      口からみたらし笑
      最高の誉め言葉ですね!

      淡い恋の予感がちょっとするのがいいんですよね〜
      2022/05/05
    • にゃんちびさん
      hibuさん

      コメントありがとうございます♪

      高校生って絶妙ですよね、部活と恋…。
      大学生になっちゃうとまた違う感じになっちゃうし、中学...
      hibuさん

      コメントありがとうございます♪

      高校生って絶妙ですよね、部活と恋…。
      大学生になっちゃうとまた違う感じになっちゃうし、中学生程の甘酸っぱさとも違って…汗と涙が入り混じる甘じょっぱさ。もう、ステキっ!笑

      思い出してもだらだら(涎じゃなくて)出そうです!
      2022/05/05
  • 三部作のラスト作品。
    主人公・神谷新二の代になってから、二年生冬~三年生夏までが描かれている。
    三部作合わせて900ページくらいでしょうか、どっぷり物語に入り込んで楽しませていただきました。
    最後はシンプルに感動しました。競技は違いますが「風は強く吹いている」でもかなり感動しましたが、それに優るとも劣らない熱量。
    これだけの長編作品ということもあり、展開に無理がない、現実味のあるスピード、そして失敗と成功、挫折等を繰り返して少しずつ、しかし着実に成長してく姿に心を打たれました。
    そして、この作品の良いところは、個人だけじゃないというところですね。
    最後の最後は個人競技ではなくリレー。出る選手だけではなく、それを裏で支える選手の存在も含めて、何かしらの団体スポーツを経験した人間からすれば、様々な思いが頭を巡るのではないでしょうか。
    終わり方には賛否両論あるのかもしれないですが、私は良い終わり方だと思いました。あとはご想像にといった感じでしょうか。
    かなり長い作品ではありますが、読んでみて損はない作品だと思います。
    素敵な感動をありがとうございました。

  • 見えた!鮮やかに!
    南関東4継決勝、第7レーンに並んだ鍵山、連、桃内、新二の後ろに
    根岸、守屋、浦川、みっちゃん。。。と連綿と続く、春高陸上部のみんなが。

    先輩からの壮大なバトンパスを思い描きながら
    ジンクス王浦川手作りの(ありとあらゆる念がこもっていそうな)
    スカイブルーの鉢巻きをはためかせ、4人で走り抜ける400m。

    抜群のバトンワークと充分な走力を持ちながら、総体で勝てるチームという夢のために
    自ら身を引き、後輩に道を譲った根岸に見守られ

    他人の気持ちを全く斟酌しない問題児から、連の走りへの憧れを経て
    仲間と走る楽しさを知り始めた鍵山から

    お菓子が主食という超偏食ぶりだったのが嘘のように何でもしっかり食べ、
    全力で走ってライバルに勝つ!という闘争心を露わにするようになった連、

    問題児鍵山との確執をチタンテープと笑いで乗り越え、
    相変わらずのムードメーカーとして連と新二というツートップを支える桃内、

    「怪我はするな」という兄の言葉を深く胸に刻みつけて
    ひと試合ごとに驚異の成長を見せ、自分の走りをついに身につけた新二へと

    流れるようなアンダーパスで繋げられるバトンと想い。

    ページを捲る手が止まらなくて真夜中の3時に迎えたラストシーン、
    『ドン!』の合図で更なる高みへと走り始めようとする
    新二の前に現れた走路が放つ眩しい光に
    夜の闇が追い払われ、一気に朝が来たかのような
    爽やかな感動で胸がいっぱいになりました!

    • マリモさん
      400m、あっという間に終わってしまう数十秒の、0.01秒を縮めるための努力や葛藤。。
      読みながら感動がよみがえってきました>< あぁこのメ...
      400m、あっという間に終わってしまう数十秒の、0.01秒を縮めるための努力や葛藤。。
      読みながら感動がよみがえってきました>< あぁこのメンバーみんな懐かしいなぁ。
      素敵なレビューをありがとうございます^^

      私もこの本を読み終わったのは確か夜中でしたよー。
      真夜中ってすごい感情高ぶってしまいますよね!
      時々、本読み終わったあと興奮しすぎて寝つけず本当に朝を迎えてしまったりすることもあったり(笑)
      2012/10/04
    • まろんさん
      noboさん☆

      ほんとに、読み始めたら途中で小休止なんかできない本ですよね!
      娘には「さっさと寝なさい!」と言っておきながら
      こっそり灯り...
      noboさん☆

      ほんとに、読み始めたら途中で小休止なんかできない本ですよね!
      娘には「さっさと寝なさい!」と言っておきながら
      こっそり灯りをつけて夜中まで読みふけってしまったのはヒミツです(笑)
      息をとめて真剣にページを捲っているnoboさんが目に浮かぶようで
      またまたうれしくなってしまいました(*'-')フフ♪
      ほんとにかわいくてしょうがない高校生たち、
      もちろん新二や連もいいけれど、私としては
      守屋先輩、根岸、桃内の3人が特にお気に入りです♪
      2012/10/05
    • まろんさん
      マリモさん☆

      レースのシーンの疾走感も、そこに至るまでの気が遠くなるような地道な鍛錬も、
      不安やコンプレックスや怪我に押しつぶされそうにな...
      マリモさん☆

      レースのシーンの疾走感も、そこに至るまでの気が遠くなるような地道な鍛錬も、
      不安やコンプレックスや怪我に押しつぶされそうになりながら
      必死にそれを克服していく若い精神の伸びやかさも、
      ほんとうに美しく尊くて、感動の嵐でした!

      『風が強く吹いている』は舞台が大学だったので、
      ある意味自由というか、独特の「ユルさ」の中で物語が進んだけれど
      『一瞬の風になれ』は高校という、
      まだ大人として認めてもらえない不自由さの中に皆がいることで
      理不尽な大人への反抗とか、それを乗り越えた時の神々しいほどのストイックさが際立って
      春高のみんながひたすら愛おしくなりますね!
      忘れられない素敵な作品を紹介してくださって、ほんとうにありがとうございました♪

      私も真夜中に目がらんらんとしちゃって、
      「おお!今まちがいなく近来稀に見る量のアドレナリンが出てる!」
      と自覚できるほどの興奮ぶりでしたが、
      またそんな体験のできる本がありましたら、教えてくださいね!
      2012/10/05
  • 主人公は天才サッカー選手の弟。
    常に兄と比べられ、自分もサッカーをしていたが限界を知る。
    そこで高校から陸上を始めて・・・。
    非常にさわやかな、気持ちの良い物語でした。
    あだち充氏の「タッチ」のような感じでしょうか?
    ちなみに「タッチ」は子供に読ませようと保存していたので、全巻 持っています。
    子供には読ませたので、次は孫に読ませるために保存しようと思っています。

    この「一瞬の風になれ」は子供を含めみんなに読んでもらいたいと思います。

  • 3冊を一気に読んでしまいました。
    リレーは、面白い! 日本ガンバレ!
    本の内容も面白かった。

  • 連と新二の関係がいいなぁ。いわゆる親友だ。学生時代は仲間とかなりの時間を共有できたけど、大人になると仕事以外で仲間と共有できる時間は限られる。そう思うと部活って人生でも特殊な時間だったと思う。毎日、練習して、先輩にしごかれ、先生に叱られ、試合に勝ったり負けたり。そこで仲間と夢を共有できて、自分や仲間の成長が実感できたら困難なことにも向き合えて充実した毎日だろう。好きな異性ができたら更にドキドキワクワクな訳で。若い頃ってイイなぁと懐かしみつつ、今の自分もそうすればいいんだと思う。部活ではお金で買えないものが得られる、仕事はやり方次第でお金もお金で買えないものの両方を得ることができる。オイラは気がついたらお金だけをもらいに行ってる、家族のためとかを言い訳にして。青春って本人の心の状態なんだと思う。ネギや桃内みたいな仲間たちと悔しがったり、嬉しさで泣いてみたい(オイラ、嬉しくて泣いたことなんてないかも。ていうかそんなに頑張ったことがないってことか!)身体を内側から熱くしてくれるこの本とこの本を教えてくれたガキに感謝。

  • 精神的にも成長していく2人。
    やるときはやる、心は熱く、頭は冷静に、1本1本こなしていく。
    かっこいいなぁ。頼もしいなぁ。
    着実に強くなっていく彼らを見てると、私もがんばらなきゃって思うね。

  • ランナーズ・ハイみたいに、ただひたすら楽しいなあーっ!と駆け抜けるように読み終えた。
    まだ明日、次の勝負もあるけど、ここで、このリレーで終わっているのがすごく好き。
    途中までは、どう終わるのかな、やっぱり最後の勝負の途中、勝敗がわからないような形で終わりにするのかな、と思っていて、そのパターンは綺麗だけど、でもすっきりしないな…と(勝手に)もやもやしていただけに、このタイミングだったのがうれしい。
    本当に気持ちのいい青春スポーツ物語だった。

  • スポーツエンターテイメントの最高作じゃないか。作者は陸上の事をよく知っている、精神面も含めて。スポーツにはドラマがあると思うが、決してそれは頂点の一握りの人の話ではないと思う。それぞれの目標を持って競技に臨む人たちは、真剣に取り組んでいる人ならトップアスリートでなくても、多くのものを得られることを教えてくれる。谷口も監督のみっちゃんも(過去の選手時代も今も)、リレーメンバーに選ばれなかった人でも、それぞれ陸上にかける思いがあり、トラックで何かを得て成長していく。人生そのものという事かもしれない。

  • 青春だ。青春だ。青春だ。
    感動した。
    特に第二部が一番好きかも?
    けど、インターハイや谷口さんへの恋はどうなったのか?
    気になる。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。1989年、「サマータイムで」月刊MOE童話大賞を受賞しデビュー。『イグアナくんのおじゃまな毎日』で98年、産経児童出版文化賞、日本児童文学者協会賞、99年に路傍の石文学賞を受賞。ほかの著書に『しゃべれども しゃべれども』『神様がくれた指』『黄色い目の魚』日本代表リレーチームを描くノンフィクション『夏から夏へ』などがある。http://www009.upp.sonet.ne.jp/umigarasuto/

「2009年 『一瞬の風になれ 第三部 -ドン-』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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