制服のころ、君に恋した。

著者 :
  • 講談社
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感想 : 56
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062137713

感想・レビュー・書評

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  • 高校生の頃に、同じクラスで出会ったシンタ。

    彼との思い出が詰まった高校に、養護教諭として再び訪れることになった28歳になった奈帆。

    あの頃大好きだったシンタは、18歳で海の事故で亡くなって
    奈帆の心は10年前で止まってしまっていた。

    どういうわけか、保健室に姿を現したのは、あの頃のシンタで、彼が当時、奈帆と付き合う前からの気持ちを知ることになった。

    10代だった自分たち。
    シンタに対する思いと、彼が奈帆に抱いていてくれていた気持ち。

    進路で気持ちのすれ違いを感じていた当時は知ることもなかった、シンタの真剣な気持ちを、あの頃に知ることもなく彼は死んでしまった。
    それを、10年経ってようやく知ることができたときに溢れた奈帆の思い。

    死んでしまった恋人、ありがちだねって思った。
    どこか冷めた気持ちで読んでいたのだけど

    最後、もう助からないシンタと再会したときの記憶のフラッシュバッグみたいなところから
    奈帆が次の恋へと進むらへん、悲しかったね。

    悲しくて泣いたわ。不覚にも。
    どこにもぶつけようかない気持ちだけ残って、
    ただ思い出を抱きしめることしかできない感じが
    悲しくて、読んだ後もひたすら悲しかった。

  • 天国の郵便ポストにほんのちょっぴり出てくる奈帆のお話。
    マッキー先生はこっちでもチョイ役。(笑)

    奈帆とシンタの関係ってみんなの憧れ。
    誰かをそこまで想えたら本当に素敵。
    殺伐とした社会に生きてると、すごく幸せなお話だと思う。
    例えそれが切ない結末だったとしても。

    ck oneってどんな香りだろ?気になる。

  • 高校生いいなあ。

  • 素敵でした。設定やストーリーにきゅんきゅんしたし、登場人物たちの真っすぐで一生懸命なところに勇気を貰えた気がします。一応まだ高校生なので(笑)、頑張りたいなぁ~って思いました。

  • 2009/09/17読了

    タイトルと表紙で読んでみた。憧れの恋そのものがそこにあった気がする。時を超えて、本当のことを知って、変えようとした切ない思い。
    こんなに苦しくて優しいストーリーって、あんまり見かけないなあ。

  • 司書さんに勧められて読んだこの本は淡々とした文だったので読みやすかった。切ない!

  • 久しぶりに折原さんの作品を読んでみました。
    ピュアな作風は相変わらず素敵です。

    文章にひねりが無く単調で少し物足りないかなーという感じではありますが…

  • 海が近い学校に通いたい…!高校生に戻りたい。

  • 漫画家さんの小説です。

    制服のころ恋した人との突然の別れが、彼女の内にいつもあって、この状況を脱しなきゃいけないけれどでも忘れられない、という誰もが経験する切ない恋心とファンタジー(?)が織りなす物語。

    誰もが迎えるたくさんの「初めて」をひとつひとつ丁寧に追っています。

    海の見える学校にあこがれていたので、こんな学校恋愛してみたかったです。

  • 折原みとさんの大人向け小説第一弾。
    死んだ恋人のことをひきずっている、という題材はあんまり好きじゃないんだ……。前向きじゃないから。
    でも、モチーフとしてはすごく「物語」的だし、こうして死んでしまった恋人を振り返る=自分の青春時代をもう一度見つめ直すっていうのとかぶせてる構造は、やっぱり受ける題材なんだろうな。

    漫画家らしく、短いポエティックなセンテンスや効果音を重ねて、情感をもりあげるところ。
    視覚イメージに訴えかけるようなところは、やっぱり独特。
    そしてかなりアマアマな恋愛も折みと風。
    告白、初めてのデート、初めてのキス、初体験、卒業後の進路と、ケンカ、別れ。
    それを大人の私が振り返る。昔の恋の傷を乗り越えていく……。
    「ごめんね。私、上手く、恋ができなくて」この一言が青春を物語ってるなー。
    必死で頑張るのに、何事もうまくいかないのだよ、青春時代は。

    ずーっと湘南の海をモチーフに物語が展開するところは素敵、私もこんな感じで書いてみたい、一つのモチーフの連続性。
    湘南、江の島、鎌倉という限定的な舞台で展開する物語。舞台の雰囲気や描き方も素敵。
    私もこれくらいの感覚で書いてみたい、奈良や上海や、他のすてきな舞台で。
    いろいろな土地を、愛情を持って見ておくことった大事だよね。
    折原みとさんのブログ読んでると、すっごく湘南を愛してて、毎日変わるその風景を大切に見て過ごしてる。
    そういう感覚が小説に生きるんだよね。

著者プロフィール

1985年に少女マンガ家として、87年に小説家としてデビュー。91年刊行の小説『時の輝き』が110万部のベストセラーとなる。講談社ホワイトハートの人気シリーズ『アナトゥール星伝』や同コミック版(ポプラ社)、KCデザートコミックス『天使のいる場所~Dr.ぴよこの研修ノート』『永遠の鼓動』、小説『制服のころ、君に恋した。』『天国の郵便ポスト』『幸福のパズル』(以上、講談社)『乙女の花束』『乙女の初恋』(ポプラ社)といったマンガ、小説の他、エッセイ、絵本、詩集、料理本、CDなどで幅広く活躍。2017年に小説家デビュー30周年を迎えた。


「2023年 『きみと100年分の恋をしよう きみがいるから』 で使われていた紹介文から引用しています。」

折原みとの作品

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