ロック母

著者 :
  • 講談社
3.07
  • (14)
  • (59)
  • (222)
  • (38)
  • (12)
本棚登録 : 659
感想 : 122
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062140331

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 真っ黒な本。
    怖そうだなと思いつつ、気になって仕方がないので読んだ。

    7つの短編が収録されている。
    「ゆうべの神様」が1番ダーク。
    装丁のイメージはこの話から出来あがったのではないかと思う。
    他人を見下すことに喜びを感じているような村の人達も、毎晩喧嘩を繰り返す夫婦も、みんなどこか歪んでいる。
    自分の周りの人達を嫌悪する「マリ」も。
    彼女が1番嫌いなのは自分自身なんじゃないか。
    いろんな問題を他人のせいにしがちだけど、自分がしっかりしていれば、人間は崩れないんじゃないか。
    そういうことを考えさせられた。

    装丁に引きずられたのか全体的に暗い印象を持ったけれど、あとがきの文章はとても素敵だった。
    先にあとがきを読んでいたら小説の印象もちょっと変わっていたかもしれない。

    • 円軌道の外さん

      こんばんは!
      お気に入りポチ
      ありがとうごさいました(^O^)

      角田さんはボクシングしてるし、
      ロック好きでもあるんで
      ...

      こんばんは!
      お気に入りポチ
      ありがとうごさいました(^O^)

      角田さんはボクシングしてるし、
      ロック好きでもあるんで
      お気に入りの作家だけど、
      コレはまだ読んでませんでした(汗)

      タイトルからして
      どっちかっていうと
      熱い話なのかなって勝手に思ってたけど(笑)
      意外やダークな感じなんですね(^_^;)


      けどレビュー読ませてもらって
      余計に興味津々になったし、
      今度本屋でチェックしてきまーす♪


      2012/06/15
    • takanatsuさん
      こんばんは。
      コメントありがとうございます。
      もう、私の中では角田さんは勇者です。(エッセイとか読んで形成されたイメージ)
      ボクシング...
      こんばんは。
      コメントありがとうございます。
      もう、私の中では角田さんは勇者です。(エッセイとか読んで形成されたイメージ)
      ボクシングも最初は意外だと思いましたが、今は似合ってるなと思います。

      表題作の「ロック母」はそんなにダークじゃないです(汗)
      ややこしい書き方してすみません。
      洋楽詳しい方なら作中の歌も分かってより楽しめるんだろうな‥と思いながら読みました。
      (たぶんすごく有名な曲だと思われますが、洋楽本当に知らないので分からなかった)
      2012/06/15
  • 少し古い本だけれども、もし帯つきで入手したならばその文言に注視いただきたい。
    真っ黒なジャケットに
    「1992-2006 」と大文字。
    その下に小さく
    「芥川賞候補作品から川端賞受賞作品まで15年にわたる代表的短編小説7編を収録」とある。

    ブンガク的な激情バンドの初期ディスコグラフィ編集盤、みたいな雰囲気があって、それだけでもうOK!といった感じである。
    初収録の「ゆうべの神様」はさながらボーナストラックといったところだ。

  • あとがきで「本にするには値しない」と書かれていたが、私は今回の短編では『ゆうべの神様』が一番好きだった。
    父と母の喧嘩のスピード感と力強さ、田舎特有の陰鬱とした閉鎖的環境、思春期の無力感、葛藤。すべてが濃密で色濃く見える。
    他には『父のボール』で、父の死後に入った中華料理屋での出来事が、印象的だった。

  • 「ゆうべの神様」「緑の鼠の糞」「爆竹夜」「カノジョ」「ロック母」「父のボール」「イリの結婚式」
    が読める短篇集です。

    私の好きじゃないエグさがちらほらあって、
    大好きな短篇集!という風にはなりませんでした。
    でも、やっぱりこの人がもってる独特のユーモア、
    人間がやっちゃう極限のバカバカしさみたいなものは好きです。
    ただなー、なんかどの短篇読んでも、主人公が似てるんですよね。
    それは仕方が無いのかもしれないけど。
    みんな角田光代の分身なのかもしれないですね。

    「ゆうべの神様」は良い意味で後味が悪い。スッキリしない。けど、それが良いのだろうと思いました。

    「カノジョ」が私の中では一番面白かったです。

  • 角田光代さんの本を初めて読みました。若さ故のヒリヒリとした感じを思い出しながら読み、本から離れているときでもあれこれと思い返してこの作品に浸りました。ゆうべの神様、父のボールが好きですが、イリの結婚式、爆竹夜、緑の鼠の糞を読んでいるときは間違いなくアジアを旅していました。何度も読み返したくなる名作ばかりです。

  • 角田さんの94年から06年に書いた短編集。

  • 著者の1992-2006年までの短編集。芥川賞候補になったけれど著者や編集者は評価していなかった「ゆうべの神様」川端賞受賞の表題作「ロック母」収録。確かに芥川賞、川端賞候補にされそうなクセのある登場人物、文体。複雑な親子関係がテーマの作品が多い。評価の分かれそうな本。

  • 短編集。仲の悪い両親の凄い喧嘩だったり離婚した前妻の残した家具だったり。

  • 最後のハムスターに関する所に共感した。

  • 表題作はそれほどでも。
    父のボール、が面白かったかな。

全122件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

角田光代の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×