大前流心理経済学 貯めるな使え!

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062141260

作品紹介・あらすじ

貯まりに貯まった個人金融資産1500兆円。それを繁栄の「最後の切り札」とできるか?日本人よいまこそ不安心理を捨て去ろう。

感想・レビュー・書評

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  • 『世界では高齢者になると金融資産は目減りしてくのだが普通だが、日本人は高齢になればなるほど資産が増え、最後には平均3,500万円もの金融資産を残して死んでいく。』

    デフレから脱却できない。金利を限りなくゼロに近づけてもダメ。お金をばらまいてもダメ。お金が回らない。国民の貯金1,500兆円は、一向に塩漬けのまま。

    どうしてこうなってしまうのか!?

    大前氏は、その理由こそが、ケインズの経済学などでは説明できない”日本人特有の心理”だと言う。

    『すべて、「日本人固有の心理」が原因である。強いて言えば、そうした心理を正しく導くことができず、数十年にわたって国民をミスリードしてきた政府の責任である。』(本書より引用)

    すなわち、感情が反映されていない数字だけを追いかけて「あーしろ、こーしろ」と主張する経済専門家の話など聞いても全く無駄で、その裏に潜む心理を理解した上で処方箋を考え、実践しよう。

    これこそが、まさに”大前流 心理経済学”だ。

    本書の特徴は、先述のように従来の経済専門家が気にかけてこなかった”日本人の心理”に分析の視点をおいていること、そして、それに基づいて7つの具体的な解決策を示していること・・・この2つにある。

    7つの具体的な解決策は大前氏らしい。大局観を捉えた大胆かつユニークな提案が多い。

    景気は停滞。日本の借金は膨らむばかり。国際的な地位は低下する一方。政治は迷走。

    本当に暗い話ばかりが続く日本だが、「まだ1人1人の人生を豊かにするチャンスは十分に転がっている」

    そんなことを感じさせてくれる一冊だった。

    (書評全文はこちら → http://ryosuke-katsumata.blogspot.jp/2012/08/blog-post_16.html

  • 国民の貯蓄資産1,500兆円を有効に使って、日本を変える方法を説明している。ユーロ危機や昨今の円高は、さすがに予想していなかったようだが、本当に考えさせられた本です。

  • 日本人の不安心理が経済の一番のネックです。
    平均給与グラフが落ち目の時でも貯蓄額が右上がりなのは、さすがと言うほかないですね。

  • 心理経済学・・お金を使いたくなるような心理を刺激しよう、日本でお金を持っているのは年配の人が多いのでこれを動かして活性化させようというお話。後半はなにやら日本批判が展開されているが、大前研一氏の他の著書でも指摘されていることが再度言われている。

    金利を下げるとお金を借りやすくなるというのはわかり易い話だが、在庫を買い溜め・作り溜めしておくという理念が過去にあったことを初めて知った。個人の”ネットワークス”を知れというのは確かにその通りだなと思った。年取ってきたので少しまじめに考えないと。

  • 財政累積赤字が巨額に膨らむ一方で少子高齢化が進む日本はこれからどうなるのか。大前さんは、普通預金や郵便貯金として眠っている1500兆円に達する日本人の金融資産を運用に回すことができれば、まだまだ日本経済は活性化すると解く。資産を流動化させるための相続税の改正や、国家ファンドの設立まで、政策も具体的に提案されている。
    日本人は、お金を持ってお金を生む投資、運用という発想をどちらかというと嫌悪する傾向がある。一方で一つのきっかけで簡単にブームが起こるのも日本の傾向である。大前さんの言うとおり、ここは資産運用をブーム化させるような心理的な仕掛け作りが必要なんでしょうね。

  • 資産に対する彼我の差を分からせてくれる本。リーマンショック前に書かれたものだが、今でも十分に通用するところがすごいしさすがだ。

  • 07年の著作であり、リーマン・ショック、東日本大震災以前に書かれたものなので、その内容は現在の状況とは必ずしも一致するものではありません。
    ただ、著作の主張、自分の頭で物事を具体的に考えろ、ということは、色褪せるものではないかと思います。
    個人的には、「日本人は『いざというとき』のために貯蓄するが、その『いざというとき』が具体的にどういう場合でいくらかかるのかわかっていない」といった部分などは身につまされました。

  • 20150219 日本に眠っている資産を日本人の心理を刺激して活用しようという本。この本で紹介されていたBTTの資産形成講座に興味を持ったが、結構なお値段。ボーダレスは日本にとって脅威であるため、危機感を持って果敢に先手を打たないといけない。

  • 2007年に日本を復活させるための方策を提言している本です。2007年も既に7年前。リーマンショック直前で、サブプライムローン問題がそろそろ頭を持ち上げている時期。要は、日本人がこれまで貯め込んだ1500兆円の個人資産の一部でもまともな投資や豊かな生活のために使えばいいのだ、というもの。基本的に小さな政府を推奨。何も考えずに将来が不安だなんて言ってないで、日本人も欧米なみに個人でしっかりとライフプランを考え、資産の運用を行うようになればいいのだ、金を使え!グローバル化して現在、日本円をまともに世界に投資すれば、これまで貯め込んだ資産で日本は豊に暮らせるのだ!といった主張です。本書の提言も少しは現在の政策に取り入られているようにも思う。考えさせられる部分は多い。しかし、賢い人(著者)が「何でこんな簡単かことが分からないんだ」と、頭の悪い人達にいらだっているような様子も窺える。現実的にはここの書かれているようなことを出来る人はそう多くないことが問題なんだと思う。

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著者プロフィール

1943年、福岡県生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、東京工業大学大学院原子核工学科で修士号を、マサチューセッツ工科大学大学院原子力工学科で博士号を取得。(株)日立製作所原子力開発部技師を経て、1972年、マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク入社。 以来ディレクター、日本支社長、アジア太平洋地区会長を務める。現在はビジネス・ブレークスルー大学学長を務めるとともに、世界の大企業やアジア・太平洋における国家レベルのアドバイザーとして活躍のかたわら、グローバルな視点と大胆な発想で、活発な提言を行っている。

「2018年 『勝ち組企業の「ビジネスモデル」大全 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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