苺をつぶしながら

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 364
感想 : 63
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062141284

作品紹介・あらすじ

これが日本の恋愛小説の底力。
田辺聖子「最高傑作」3部作 復刊第3弾!

人は自分が愛したもののことは忘れても、自分を愛した人のことは忘れない。
結婚生活から「出所」して、ふたたび1人に。乃里子、ピッカピカの35歳。

感想・レビュー・書評

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  • 最後はいい感じ。

  • 「まーなんとゆーことでしょー」が好き!

  • 人生のうちのどの時期を取り出しても輝いているもの…っていうことがリズムの流れのような文章の中で感じられた。ワクワクするような文章のリズム。
    それにしても田辺聖子の描く世界は時代を超越している。全く古さを感じさせない。女性の生き方の描き方に本当に感動する。

  • 時代背景は今と比べてだいぶ異なるのに、通ずることが多くて驚く。
    天真爛漫な、何歳になっても「女の子」の乃里子が羨ましくなった。人生のいろいろは、捉え方次第。楽しんだモン勝ちなのかもしれません。

  • 「出所」した乃里子の天真爛漫さがとても新春に相応しかったです。最後の方の頁では、今後の生き方、剛との新しい関係性でもって希望に溢れていて、清々しい気持ちになっています。
    美人になれそうな本。

  • 一作目のがいっちゃん好き。
    元旦那が結婚したら、やさぐれていくのではと勝手な想像と余韻。

  • 大好きなのりこシリーズ。
    2巻はあまり好みではなかったが、こちらはまたもや引き込まれた!
    そういう締めなのか。。

    ただ、女性としての生き方、様々でありながらも自分の行く道を芯を持って選んで行きたいと思える。また出会いを大切にそこから学び、学ばれる関係でいたい。

  • 軽やかな文体。一気に読んでしまった。感情をぴょんぴょんと素直にあらわす乃里子さんが可愛らしい。

  • 同い年の35歳女性が主人公ということで、内容を知らずに読んだ。

    30年前の小説であること、
    3部作の最終話であること、
    何も知らずに読んで…

    うーん、真ん中くらいで飛ばして…最後を読む。
    ちょっと文体も苦手かも。

    自分が独身だからか、あまり共感できず入り込めず。
    活き活きしていいなとも思えず…
    友人の死によって、〈ひとりで死んでいく〉現実をつきつけられるのも…当たり前すぎて…微妙。

    別れた夫との関係は、純粋な友情になりにくいものではないか。どういう形であれ、いちど男女を意識した関係から友情のエッセンスだけ抽出するのは難しい。そして、その友情に見える関係のここちよさって…どうなんだろう?

  • 乃里子三部作の最終巻。
    晴れて刑務所を「出所」し、シングルに戻った乃里子が羽を伸ばして幸せを謳歌しているところから物語は始まる。
    もともとおしゃべりな乃里子はこの最終巻でかなりの饒舌になっており、読んでいるとだんだん疲れてくる笑
    また、乃里子が同性である女性の魅力に開眼したこともあり、まるで女子会でのマシンガントークを一冊に収めたよう。

    ちょこちょこ男友達が出てくるが、いずれもじっくりとクローズアップされることはなく、今回はかなり男の影が薄い。
    元旦那・剛との再会、友人の死など、事件は起こるものの、全体的には特に起伏がないまま物語が終わってしまった印象。
    一部と二部が強烈だったからかな?笑

    剛はあいかわらずムカつく男だけど、最後に乃里子の間に友情が芽生えて少しホッとした。私だったら一生顔も見たくないと思うだろうけど、乃里子のように、瞬間瞬間の感情を大切にして、思い出も大切にして、という風に気長に人と付き合えば(優しすぎるだけ、優柔不断なだけ、とも言えるけど…)、この二人のように新しい関係が生まれたりするのかな。

    思いがけずラストには「独身女性の最期」というとても重いテーマが待ち受けていた…。乃里子はこれでまたひとつ、人間として女として成長したんだろう。

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著者プロフィール

1928年3月27日生まれ、大阪府大阪市出身。樟蔭女子専門学校(現・大阪樟蔭女子大)卒業。1957年、雑誌の懸賞に佳作入選した『花狩』で、デビュー。64年『感傷旅行』で「芥川賞」を受賞。以後、『花衣ぬぐやまつわる……わが愛の杉田久女』『ひねくれ一茶』『道頓堀の雨に別れて以来なり 川柳作家・岸本水府とその時代』『新源氏物語』等が受賞作となる。95年「紫綬褒章」、2000年「文化功労者」、08年「文化勲章」を受章する。19年、総胆管結石による胆管炎のため死去。91歳没。

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