「日本一の村」を超優良会社に変えた男

  • 39人登録
  • 3.56評価
    • (1)
    • (7)
    • (8)
    • (0)
    • (0)
  • 6レビュー
著者 : 溝上憲文
  • 講談社 (2007年8月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062142052

「日本一の村」を超優良会社に変えた男の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 「「日本一の村」を超優良会社に変えた男」を本棚に登録しました。/ http://booklog.jp/item/1/4062142058
    読了。

    もったいない。読後、そのような想いをまずもった。

    本書で取り上げられている岩手県滝沢村の元村長柳村純一氏の講演を先日、聞く機会があった。その日は、複数の登壇者があったが、私がもっとも関心をもったのは柳村氏で、さらに深く滝沢村や柳村氏のことを知りたくなり本書を手に取った(私は政策よりも人に関心がある。他の登壇者の皆さんも立派な方々だったが私の食指が動いたのは柳村氏だった)。

    日本一の人口を誇る村、滝沢村の行政改革がどのように進んでいったのかを知る上では、入門編のテキストとしてよく書けた内容だと思う。柳村氏の講演では聞けなかった行政改革に関わる実践やエピソード、氏の来歴(氏が社会党の労組出身で社会党公認の村議だったということには驚いた)などいくつかの知りたかった点について知識を得ることができた。

    しかし、ほぼ政策が成功した面だけに視点をあてて記述が進むため、滝沢村の行政改革について多面的な見方ができなかった。例えば、反対者はどのような人々だったのか、誰が強硬に抵抗したのか、その理由は何か、特に地方自治体の運営を考えるときに重要な存在であるはずの議会についての描写が、薄かった。ひょっとしたら書くことがなかったのかもしれないが、仮にそうだったとしても村議の名前が一人も出てこないのは不自然すぎる。国、県、近隣市町村との関係、県内の政治家との関係なども見えなかった。

    また、失敗した施策、例えば民間人助役の登用については、触れられるもののあっさりとした書き方で終わっている。失敗から学ぶことは多いと思う。多くが記されていないのは残念だ。滝沢村がどんな村であるのかについての説明も十分とはいえない。読者が自分で調べればいいのかもしれないが、簡単にでも滝沢村の歴史を記しておけば、行政経営・ニューパブリックマネジメント導入の先駆事例?としての滝沢村のイメージをよりはっきりさせることができたのではないか。

    別に私は荒さがしをしたい訳ではない。ただ、単なる成功談として終わらせるのはもったいないのではないかと感じるだけなのだ。岩手県滝沢村と元村長柳村純一氏は、もっと掘り下げることができる取材対象ではなかったのかとの思いが消えない。

  • たとえ手段をまねたとしても それだけでは同じ道はたどれない
    大事なのは、内部の改革
    ひとりひとりが 内に秘めた熱い何かに気づき、変わらなければ、いくらイイコトを真似ても、それは「かぶれてる」だけ。

    真似るのは手法ではなく 信条と心情
    それが根本になければ 金と時間と労力を無駄に使うだけ

    みんなのなかにくすぶってる 熱い気持ちに 火を放つ、そんなリーダーを待ちながら、自分自身を変えていこう。

  • 岩手県滝沢村の2000年代に起きた「復活」事例。

    1:連結実質赤字比率…2008年導入の自治体の財政健全度を測る指標。
    赤字比率が25%を超えると財政破綻した自治体との烙印を押される。

    2:滝沢村はパソコンの導入をかなり早い段階から取り入れている。しかも全社単位で。そして、教える→教えられるの関係が世代の垣根を超えてとっぱらわれたので、潤滑なコミュニケーションが増えたらしい。

    3:公務員は今より仕事を増やしたくないという気持ちが基本にあります。

    4:最近は、欧米の自治体経営の考え方である「ニューパブリック・マネジメント」という言葉が良く使われる。

    これは、公共・行政という管理志向の組織に民間企業が行っているような経営の考え方を導入し、多様化するニーズに対し少ない財源を効果的に活用するもの。

    5:公私融合の考え方。
    公務員は役場という組織の一員であると同時に村の構成員でもある。かつての行政と住民のように施す側と享受する側という関係ではなく、住民の目線に立って思索を考え、行政マンとして与えられた職務を全うせよ。

    6:一般的に経済的に余裕のある人は精神的に余裕はあってもボランティアなどには積極的ではない。→金銭欲求の先にある自己実現欲求の欠如

    7:大正期の社会主義者片山潜→まちは株式会社なんだ!
    「しかし、市政というものは政治団体というよりもむしろ、行政団体である。財団法人の会社である。市長は事務員にして、市民は株主なのだ」
    と言っている。

  • 岩手県滝沢村、元村長の柳村純一氏の経営に関する本。行政をここまでドラスティックに変えようと動き、結果を出した功績が凄い。ここが村という小さな単位だからできたことなのか、時代の流れがそうさせたのか、本人の実力なのか、村全体の人々の力なのか、どれが本当の意味で寄与したかは分からないが組織論に富んでいて面白かった。以下、柳村氏の理念、経営法に関するメモ。

    ・情報公開
    ・経営品質賞→サービスの向上と組織化
    ・フラットな組織(階層をなくす) ex)係長をなくす、マネジメントを減らす
    ・課長投票制
    ・降格制度
    ・役員早朝ミーティング
    ・チェック機能
    ・意識改革→予算に対する優先順位
    ・行政にとっての顧客とは?→住民、村に資産を持つ人、企業とつながりのある海外地域・・・etc
    ・行政経営理念→①行政経営理念、②経営の姿勢、③職場の有り方、④行動指針
    ・10カ年計画→将来の基本構想(最適化条件、代表指針、達成度)、基本計画、実行計画
    ・年収500万円以上の人は自立してください、むしろボランティアしてください
    ・市長は事務員にして、市民は株主である(片山潜)

  • 書籍番号
    M110129-031-9784062142052

  • 本書は、岩手県滝沢村の元村長である柳村純一氏の滝沢村役場改革の成功談と失敗談が綴ってあります。柳村氏は、現在のように行政経営というものが騒がれる前から、行財政改革に着手しており、当時の反発は酷かったと想像できます。しかし、そのような環境で、情報公開、組織のフラット化、ISO取得、行政経営品質向上運動等の取り組みを行ってきたことは、柳村氏の尽力によるものです。このような改革派首長が、全国のいたる市町村で出現していけば地方分権の流れも容易になるのかなと感じました。もう少し、失敗談を載せて欲しかったと個人的に思いますが、内容としては申し分ない1冊です。

全6件中 1 - 6件を表示

溝上憲文の作品

「日本一の村」を超優良会社に変えた男を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

「日本一の村」を超優良会社に変えた男を本棚に「積読」で登録しているひと

「日本一の村」を超優良会社に変えた男はこんな本です

ツイートする