あじさい日記

著者 :
  • 講談社
3.42
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本棚登録 : 117
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (510ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062143196

作品紹介・あらすじ

結婚して15年の川嶋省吾と志麻子。妻の寝室で、夫が偶然見つけた1冊の日記帳。そこに記されていたのは、男が気づかぬ女の本音だった。やがて彼女は、思いもかけぬ変貌をとげる…。男と女の深淵を描いた文芸大作。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。
    時代遅れの不倫夫。日記を読まれることを意図して、夫を誘導する妻。文才があり過ぎる。

  • 相手に対して思っていたり感じていることは、日記や心の中で思っているだけでは何の変化にも繋がらない。

    素直に話してぶつかることもあるかもしれないけど、それも受け止めることが自分を大事にすることなのかな。

    夫婦だけに限らず、どんな人間関係にもいえることだなと感じました。

  • 医者 45歳 省吾 と 志麻子 の夫婦。
    新宿に 診療所があり、高級な億ションから通う。
    娘に 夏美 息子に 裕太 という二人の子供がいる。
    裕福な家庭で 表面から見ると全く幸せそうな家庭である。

    省吾は書斎にベットを持ち込み 眠っていて
    妻 志麻子は 夫婦の部屋で眠っている。
    二人は セックスレスの生活をしている。

    夏の日 書斎のクーラーが壊れて 志麻子のいない 志麻子の部屋で
    眠ったら・・・志麻子の日記を 見つけることから始まる。
    その 日記には 表紙には 紫陽花の花があり・・・

    省吾は 紫陽花日記 と呼ぶ。

    紫陽花日記は 7月20日から始まる。
    7月20日
    夏美が オーストラリアに語学研修に行くところから 始まる。

    携帯電話が あやしい と志麻子は思い始める。
    ストラップが 花柄のもので・・・
    電話があったときに不自然で・・・
    そのうえ、パスワードまで設定してある。

    その日記には 何が書かれているのであろうか?

  • 渡辺淳一の作品ってさ・・・
    結婚生活にキボーが持てない結末が多いね。
    盗み見、他人の秘密というのは蜜の味であると言う点には同意。

  • 確かに人の日記は読んでみたくなる。
    でも自分の批判があったら次からは読まないと思うけどな

  • 仮面夫婦とは「お互いが相手の立場をいかに寛容に理解し、許し合え」、「そうすることが、社会の枠組みのなかで円滑に家庭生活を続けていくための知恵なら」それはそれでいいということか・・。最後に「ときどき日記帳を盗み見ていた夫も・・」とあり、予想された展開である。相変わらずの渡辺淳一ワールドという一冊である。

  • 本当にこんなふうに不倫してる夫婦っているのだろうか。
    周りにいないからわからない。本当なのか。
    でも実際こんな感じでとても裕福で幸せそうにしてる夫婦でも実は不倫してるっていう人たちがいるんだろうな。
    だからはたからみただけでは何もわからないってことなのかな。

    お金に不自由なくセレブな生活には憧れるけど、やっぱり浮気などせず仲のいい夫婦でいたいな。そんな夫婦になれるかな。

    やっぱり結婚しても仕事はしたいな。ただ夫や子供の帰りを待つだけだと嫌になりそうだし、刺激があったほうがいいだろうなってすごく思った。

    結婚かー。いいなー。いつになったらできるんだろう。

    さらっと読めた。気楽に読めて面白かった。久しぶりの恋愛もの。不倫だけど。

  • 渡辺淳一さんは、女性がわかってないなーと失礼なことをずっと思っていたけれど、この本でちょっと見方が変わった。日記は女性の視点で書かれている。相変わらずの渡辺ワールドではあるけれど、ラストも予測はつくものの、うまい。でも、やっぱり昼メロみたい。

  • 産経新聞に連載された小説です。妻の日記につづられる浮気中の医者の夫に対する気持ち、それを読みながらあれこれと思いをめぐらす、というなんか寂しいような、笑えるような、そんな小説でした。

  • ただただ面白い

  • とても面白かった。結構分厚い本でしたが、続きが気になってどんどん読めた。
    この夫の勝手な言い草は許せん!女を、妻を、一体何だと思ってるんだ!
    しかし、女は強いな~。
    こういった形の夫婦って意外と多いんじゃないかと思った。
    渡辺淳一さんの小説は、女心を鋭く突いていてすごい!と思う。
    印象に強く残る小説だった。お勧め。

  • 不倫を疑い夫の行動を観察し日記に書き留めたりと、現実から離れた内容だったが、実際にこんな話もあるのだと思うと怖くなった。自分は男性なので、女性が何故このような行動をとるのか、理由がわからなかった。観察とかされるような行動はしないよう心がけようと思いました。女が怖いと感じました。

  • おもしろかった。
    こんなこと、きっとあるって感じです。

  • 読みやすくオモシロい。40代夫婦の話。

  • 率直な感想。この物語の時代っていつ?2007年に発行。ってことは今の話だよね〜
    登場人物も私とほぼ同じ年代。それにしては、皆セリフのいいまわしが古いような。。
    今の時代にそんなこというかぁ?って感じ。まぁ作者が御大老だから仕方がないのか。笑)

    それはともかく、このご主人は家庭人として非常にマズイ。

    スタッフ20数名を抱える都心の一等地でクリニックを営んでいる。自ら医院長として
    患者を診ながら、スタッフの教育もし経営者としての手腕も奮っている。
    相当多忙で心労も溜まる日々だ。

    そんな彼が若い女性と恋をすることで、リフレッシュして仕事への意欲を
    高めている。
    彼の友人達も仕事で成功し、大きな家に住み、素敵な奥さんと可愛い子供達がいる。
    しかしそんな申し分のない家庭を客観的にみて、まだ足りないものがあるという。
    それは「若い女」なのだそうだ。

    仕事をバリバリこなし、社会的にも認められ、人並み以上に稼ぐ力がある
    エネルギッシュな男性というのは、そういう性質があるのは確かだろう。
    まさしく英雄色を好むといったところだろうか。

    しかし自分の裁量で浮気をしたとしても、それが奥さんにバレてしまうのはマズい。

    仮にも夫、家庭人という立場ならばそのへんを上手く立ち回れる配慮がなければ、浮気を
    する資格がない。まして離婚をする気がないのなら、ことさらだ。

    奥さんに対して思いやりのかけらもない。
    ただ自分のしたいことだけをする独裁者だ。

    自分の浮気はいいが妻のそれは絶対許せない。

    浮気がバレてからも奥さんに何のフォローをしないまま、こっそりと奥さんの日記を読んでは
    その文面に離婚の文字や他の男性に恋をする妻の変貌を見ては、あたふたするだけ。カッチョ悪い〜。

    まぁ、奥さんに対しても言いたいことがいっぱいあるんだけど、それはまたの機会にするとして。。
    突き詰めると、この夫婦は長年、本当の会話や心の触れ合いを疎かにしていたんだよね。

  • 【あじさい日記】を読み終えて
    まさに友達オススメの【恋愛脳】黒川伊保子/著
    を読んでみたいと思いました。

  • 久々に読んだ気がする、この筆者。なんだかなーの展開。新聞小説かぁ、で納得。夫が妻の日記を読んでいたことを妻が知っていた、というオチになるのはミエミエだったし。できれば、全部作り話!くらいのオチにしてみろ。それはそれで面白くないだろうけど。妻の日記内容は、よくある熟年夫婦の妻の愚痴。それにしても、最近、多すぎる、この手の愚痴。

  • 07年12月。
    結婚して15年の夫婦。妻の寝室で夫が偶然見つけた日記帳には、夫の不倫を疑う妻の気持ちと夫の行動が事細かに書かれていた。
    あんな詳細に話し言葉まで日記に書くなんて事は実際はないだろうから非現実的だと思って読み進んでいたけど、女の強さと恐さを見せられた。ラストはやっぱりねと言う感じ。妻はしたたか。

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著者プロフィール

1933年北海道生まれ。札幌医科大学卒。1970年『光と影』で直木賞。80年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で吉川英治文学賞受賞。2003年には菊池寛賞を受賞。著書は『失楽園』『鈍感力』など多数。2014年没。

「2021年 『いのちを守る 医療時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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