指し手の顔 下―脳男2

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 265
感想 : 57
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  • Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062143271

作品紹介・あらすじ

心を壊された体が暴れだす。悪魔の犯罪を操るのは誰か。舞い戻った「脳男」が動く。

感想・レビュー・書評

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  • ★2014年10月7日読了『指し手の顔 下 脳男2』首藤瓜於著 評価B+
    上巻に続き、高まった物語のリズムが最高潮のまま、最後まで一気に突き進む。

    結局、或る人物からスクープのネタをもらって、地方新聞に精神病者の犯罪を煽り立てた記者は、茶屋警部の追跡を振り切って、報酬をもらいに或る人物に接触するが、惨殺される。

    一方、精神病者を拉致、監禁していた小屋には、警察の監視カメラが密かに設置されていた。このビデオ記録から、犯人は若い長身の女であることが分かり、茶屋警部は、街の若者を使って、その女イヴを追い詰めていく。

    イヴは、脳男であった鈴木一郎を診断した精神科医の鷲谷真梨子の拉致を狙って、彼女の自宅に侵入するが、不在。しかし、避難先を把握し、翌日鷲谷の友人、乾櫻子宅へ侵入。鷲谷は東京へ黒幕と見られる人物の過去を調べに出かけたため、捕まらなかったが、櫻子はイヴに捕らわれてしまう。

    鷲谷は、東京で或る人物ドクターハンの米国での過去の真実を知り、脳男=鈴木一郎と彼女の関係を知る。
    地元へ戻った鷲谷は、思いがけずドクターハンからの連絡で、彼女の自宅へ赴くのだが、、、、、

    上巻で張られた伏線がしっかりとそれぞれ回収、収斂して、一気に大団円に持ち込まれていくこのスピード感はなかなかのもので、さすが、首藤氏と感心する。

    惜しむらくは、前半のもってまわったような回りくどい伏線がもっとすっきりしていたら、脳男1のような切れ味鋭い作品となったのにと悔やまれる。
    とはいえ、最後の部分では、鷲谷医師が、ドクターハンの自殺に、鈴木一郎の影を見て、対決を決意する。よって、またこの先の続編は期待できると思って良さそうである。

    • g2altさん
      たしかに上巻の伏線がくどい。イブが実は男なのではと思ってました。続編に期待ですね。
      たしかに上巻の伏線がくどい。イブが実は男なのではと思ってました。続編に期待ですね。
      2014/11/13
  • 鈴木一郎が潘を殺した意味がよくわからなかった。拷問シーンは、残酷でした。
    長かったけど、読み切った。

  • どうやって手のがさっぱり分からないのだが、まあ読ませる。

  • 脳男?の下巻

    殺害現場に鈴木一郎の痕跡を残し、犯人に仕立てようとする真犯人の女とその黒幕。

    黒幕の存在が浮かび上がるにつれ、連続した殺人事件の動機が浮かび上がる。

    警察や精神科医・鷲谷真梨子も犯人に迫るが、鈴木一郎の戦いでもあった。

    過去の清算がなされるクライマックス。


    鈴木一郎の15歳からの過去が暴露される。

    中盤から一気に収束していく事態に熱中して読みました。

    続編がありそうな感じですが、発刊からだいぶ時間がたっているので、どうなんだろう。

  • 鈴木一郎の活躍が余りなかった。これは次作への前振りか?新たなるライバル 真梨子を作り出すための物語だったのか。

  • 殺しすぎじゃぁないかい。

    すごく力があってこわいんだ、それがさ、ちょっとひいちゃうぜ・・・。

  • 結局鈴木一郎はハン・マーシーを滅ぼすために生きてきたのでしょうか?
    でも、鈴木一郎がハン・マーシーと出会っていた頃にはまだ重度の自閉症であった時期であった筈なのになぜハン・マーシーを滅ぼそうと思ったのでしょうか?
    動機がいまいち掴めなかったのは私の読解力不足のせい?(¯―¯٥)

  • 上巻で広げた風呂敷のたたみ方がお見事。
    精神医療の蘊蓄が少々冗長で難解ではあるが、精神病患者と犯罪というテーマは興味深いし、小説として前作(脳男)より面白くなっていると思う。上巻では主要なテーマの一つと思われた警察内部の対立が下巻ではややフェイドアウトしたことと、イブについてもう少し書き込みがあってもよかったかなというところが残念。
    脳男暗躍の意図とその結果はラストで明らかになるが、彼の内面はまだ謎に包まれたままで、続編をにおわせる終わり方なので次作が楽しみ。

  • 上巻がビミョーだったので下巻に期待しましたが、前作に比べてイマイチでした。
    何度も言いますが、鈴木一郎の出番が少なすぎ。
    鈴木一郎が結局何がしたかったのかもよく分かりませんでした。(@_@。

  • もっと鈴木一郎を出して欲しかった‼︎次回作に期待‼︎

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著者プロフィール

1956年栃木県生まれ、上智大学法学部卒。会社勤務等を経て、2000年に『脳男』で第46回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。他著に『事故係 生稲昇太の多感』『刑事の墓場』『指し手の顔 脳男2』『刑事のはらわた』『大幽霊烏賊 名探偵面鏡真澄』がある。


「2021年 『ブックキーパー 脳男』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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