樹の上の忠臣蔵

著者 :
  • 講談社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062143981

感想・レビュー・書評

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  • 霊を呼び寄せる体質の娘が別邸として父親が作ったツリーハウスの上で江戸時代の霊を呼び出し、忠臣蔵と幕末の真相を霊から聴くという体裁の作者による忠臣蔵および幕末に関する歴史レポート一幕モノ。

    これは帯に短し襷に長しで、ある程度の歴史を知らないと霊に名を借りた作者の論理についていけないし、ある程度の歴史マニアだともっと掘り下げて欲しいと思ってしまうしで、中高生の歴史の副読本としてならなかなか良いのだが…と思ってしまいました。

    ただ、幕末や太平洋戦争末期に日本に大地震(トラフの連続系)が起きたことは事実で、自分も前々からそれらが幕府や戦争が終焉を迎えざるを得なくなった大きな要素の1つだと思っていたので、なんで学校の歴史はそのへんに言及しないのかな~と思っていました。

    だから、もっと地震ネタを引っ張った話にするなり、小説とて人間ドラマを描くなりして欲しかったんだけど…。

    石黒さんは理系の方(お医者さん)だからか、客観的資料による現象の分析などは本当に他の本も含めて素晴らしいんだけど、人間ドラマがヘタだよね。

    なので、この本も悪くはなかったけれど、小説としてはどうなの?ってことで、☆2つ!

  • 大阪に住むある一家が近くの山の樹の上にツリーハウスを作ると、そこに元赤穂藩士の幽体が現れ、忠臣蔵の真相を語り出す…。
    現代の日本に赤穂藩士の幽体が現れるという奇想天外な設定だが、忠臣蔵事件の真相とその後の明治維新につながるという壮大なストーリーは史実を的確に押さえながら興味深い内容になっていた。

  • 途中まで読んで放置中。
    どうやら、著者は忠臣蔵も好きらしい。

    どうしてやめちゃったのか思い出せない。忠臣蔵に思い入れが無いからかな?
    いつか読むかな…?>自分

  • 医師にして作家,地学と生物学に感心有り,地震学の素人研究家たろうとしている~町工場経営の私は祖父が残した大阪平野を見渡せる土地の楠にツリーハウスを建て,娘達と一晩過ごそうとすると,幼い桜はコックリさんで誰かの霊を呼び出す。荘右衛門を名乗る死霊は,赤穂の城代家老の大野黒兵衛の家来であるで,大石と協力して,藩の再興を画策していたが,過激浪士に嫌われ,本当の敵は幕府だと考えて,百年先の倒幕のため,旗振り信号を用いて相場で儲け,長州藩に目を掛け,倒幕へ導いていったと語る~前半部分は面白い展開なのだが,子どもたちが飽きてきて聞いていない部分は,著者が調べた事から類推して,吉良亭討ち入りと明治維新を結びつける論を展開させている。だから,後半はだれる・だれる。表紙は紗月と桜に討ち入り装束の浪士達,裏表紙は両親と旗振り信号という具合の装丁で,凝っている分,中身が・・・

  • 読了 2008年 5月 (借:大村市民図書館)(31/119)

  • 大野九郎兵衛の家来が幽体となって現代に現れ、赤穂事件の真相や、子孫による倒幕運動の裏面を語る。

  • ウーン。。「ほっほーっ」等と思いつつ一気に読めた。けれど、こういう形の小説にあまり魅力は感じないかな。

  • 歴史小説が好きな人で忠臣蔵に詳しい人は面白いかもしれない。あんまり詳しくないので思ったより楽しめなかった・・・。

  • あの忠臣蔵の新説が樹の上で明かされる…。「石黒耀の新刊だぁ…しかも地震モノじゃないんだぁ…」との期待を胸にパンパンに詰めて読むが…。忠臣蔵に関する素養を身につけてからリトライします…。 出直します…。

  • 石黒版忠臣蔵アナザーストーリーですが、話しは忠臣蔵だけにとどまらず、幕末まで続きます。異聞ありーの、石黒らしく自然災害ありーの、蘊蓄タップリで読ませます。最後の1行が素敵すぎです。

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著者プロフィール

1954年、広島県生まれ。医師、小説家。阪神淡路大震災に遭遇したことを契機に執筆を開始。地変国日本のあり方を問うた処女作『死都日本』(第26回メフィスト賞受賞作)でデビューし、その科学的根拠に基づいた緻密な構成力と、圧倒的なスケール感で、読者に異例の反響を呼ぶ。他の著書に、『昼は雲の柱』『樹の上の忠臣蔵』(ともに講談社)がある。

「2010年 『震災列島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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