恋する天才科学者

著者 :
  • 講談社
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感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062144391

作品紹介・あらすじ

天才も人の子だった!科学はあなたとつながっている。ダメ要素こそ男の魅力なり!こんな「偉人伝」いままでなかった。

感想・レビュー・書評

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  • 普通に科学者を紹介するだけでなく、著者が「惚れた」科学者を駄目な面や異性関係、下世話な面も含めて紹介するという内容。音楽家もそうだけれど、過去の有名人・著名人は、どうしても、いつもよく見る写真や肖像画(たいていは難しい顔)でイメージしてしまうので、本書のように違う角度からその人物像に迫ってもらえると親近感が湧く。このテイストの他のジャンルの有名人・著名人の紹介本も読んでみたい。関係ないけれど、有名人と著名人の違いが気になって調べてしまいました。

  • ニュートン、ダーウィン、ファーブル、ノーベル、アインシュタイン…。
    普通ではない頭脳をもった人々は、日々の生活や恋愛も凡人とは違っているわけで、そんな天才たちの変わったキャラクターやエピソードを、著者が独断と偏見で面白く紹介しています。

    各科学者の章の最後につけられたチャートが、これまた面白い。
    「叩き上げ系←→お坊ちゃん育ち」「家庭的←→浮気性」で2次元チャートが作られています。それによると、アインシュタインは超浮気性だとか…。

  • ファインマンに対して明らかにひいき目で、まずそこが微笑ましい。

    全体に、筆者自身の好き嫌いが臆面も無くにじみ出ていて面白い。

    ファインマン以外だと、アインシュタインを書いている時はきっと楽しかったんだろうな、と感じた。

    ただ、筆者自身も個人的思い込みであることをちゃんと書いているけど、虫屋以外の生物屋だって、相当変人ぞろいですぞよ。あの不等号の順番には納得しかねる(笑

    あと、E・ガロアに関しては名作マンガ「栄光無き天才たち」で読んだイメージが強かったのだけど、本書を読んでちょっと印象が変わった。

    全体的にさらっと書いていて、軽く読ませる文章だけど、これは相当ちゃんと調べて取りかかっているのではないかなー。


    ありそうで無かったタイプの本だと思う。

  • 家庭生活を科学するホームページ「カソウケン(家庭科学総合研究所)」を運営する著者のミーハー科学者列伝。
    まず科学者たちの肖像や写真は、有名な物ではなくイケメン時代をチョイス。(あくまで著者の嗜好ですが)
    ニールス・アーベル(数学者)とか完全に少女漫画のキャラクター(吉野朔美のとかに出てきそう!)
    基本は天才科学者たちの人生の経歴を、恋愛成分多目で紹介し、最後にいい男度2次元チャート(叩き上げ系-坊っちゃん育ち/家庭的-浮気性)をつけてあります。
    難しいことは書いてありません。
    出てきたとしても「えー、この勉強をしたことのない方にはなんのことだか意味不明ですよね。私も学生時代勉強をした覚えがあるのですが忘れました(!)。とにかく、このパウリの排他原理でノーベル物理学賞を得たというすごい発見なのです。」(ヴォルフガング・パウリの章)で済みます(笑)
    人物からアプローチするタイプの本ですが、ガールズトークが苦手な方にはオススメしません。

    装画・本文イラスト / 西谷 直子
    装丁 / 川名 潤(Pri Graphics inc.)

  • 装丁通りの想定内っていうか、軽くてチャラくて読み易かった。でも結構、巻末の参考文献が充実してて信用できる。しかし、日本人が南方熊楠だけ、ってのが寂しいなあ。

  • 文章ひどいし、こういう書き方嫌いなんだけど
    知らないエピソードがいっぱいあってそこは面白かった。
    日本人科学者ももっととりあげてほしかった。
    ボーアのコペンハーゲン精神から
    今の職場が生まれたと思うとちょっと不思議な気持ち…
    東大工学部の広報自由でいいな!
    あと、各章扉の下手くそな絵はいらないだろ。
    写真を下手に書くくらいなら写真だけで良い

  • 読書録「恋する天才科学者」3

    著者 内田麻理香
    出版 講談社

    p43より引用
    “そんなファラデーの奉公先は製本屋でした。
    これからお話しますが、彼の人生は大科学者
    になるために、「これでもか!」というくら
    い、いくつもの幸運が重なっています。”

    目次から抜粋引用
    “アイザック・ニュートン
     マイケル・ファラデー
     アンリ・ファーブル
     ニールス・ボーア
     リチャード・ファインマン”

     東京大学の広報室に勤める著者による、偉
    大な科学者達の私生活に注目した一冊。
     ニュートンからファインマンまで、偉人た
    ちの面白いエピソードが記されています。

     上記の引用は、マイケル・ファラデーにつ
    いて書かれた章での一文。
    本人の努力も必要でしょうが、良い環境に出
    会えるかどうかも、重要なのでしょう。
    しかし、彼の時代に比べると、数多くの知識
    をかなり手軽に手に入れることが出来るよう
    になっていますが、彼のような人物が沢山出
    てくる事がないところを見ると、本人の才能
    と努力もやはり重要ですね。
     大きな才能を持って生まれた人達は、色々
    と面白い話がありますね。天才であるからこ
    そ、許されるのであって、普通の人なら世間
    から爪弾きにされかねません。

    ーーーーー

  • 天才科学者たちの「人間的魅力(?)」を紹介する科学エッセー。
    業績についても触れられていますが、どういう人間であったか、とりわけ恋愛にフォーカスして紹介されています。
    教科書や論文などからはうかがい知れない、人となりを知ることができます。
    どの人たちも一癖あります。魅力的だと思う人もいれば、なんかこの人嫌い…と思う人もいるでしょう。

    文体は軽いです。狙って書いていると思うのですが、女子特有のキャピキャピした表現がときどき出てくるので、このあたりの表現は好みが分かれるところかもしれません(私はちょっと苦手)。

    掲載されているのは次の天才科学者たちです。一人あたり約15〜20ページが割り当てられています。

     アイザック・ニュートン
     ハンフリー・デーヴィ
     マイケル・ファラデー
     ニールス・アーベル
     チャールズ・ダーウィン
     エヴァリスト・ガロア
     アンリ・ファーブル
     アルフレッド・ノーベル
     南方熊楠
     アルベルト・アインシュタイン
     ニールス・ボーア
     エルヴィン・シュレーディンガー
     ヴォルフガング・パウリ
     ヴェルナー・ハイゼンベルグ
     ロバート・オッペンハイマー
     リチャード・ファインマン

  • パステル調の色合いの表紙がお上品で、読みやすそうと手にとった一冊。
    文系の私でも名前を知っているほど有名な科学者たちの生涯が、平易な言葉で紹介されています。
    女性の視点から見ているため、まずは見た目のチェックから。
    イケメンかそうでないかから、その人の話が始まります。

    名を残した科学者は、その業績だけは知っていても、どんな人生を送っていたのかは意外に知られていないものだなあと思いました。
    ニュートンは、子供の頃に伝記を読み、リンゴのイメージが強いため、清廉潔白な人物という印象を持っていましたが、かなり性格が悪く、女嫌いだったと知ります。
    科学者でありながら、錬金術にも熱中していたというのが驚きでした。
    おそらく当時は、科学の領域だったのでしょう。それは遺髪から高濃度の水銀が検出されたことで推測されたそうです。

    難しい法則を編み出した科学者といったら、足元にも及ばないような稀代の天才ばかりだと思っていましたが、電磁誘導の法則を生み出したファラデーは、忘れっぽい人で、自分も気にしていたんだそう。
    磁界の発生する向きを忘れないために、いつも電線を巻きつけた鉄棒をポケットに入れておいたというエピソードが微笑ましいです。
    本人は、その記憶の乏しさを埋めるために、マメな記録をつけていたとのこと。
    禍転じて福と為すというところでしょうか。
    また、彼は子供時代にまともな教育を受けておらず、数学を学ぶ機会がなかったというのは意外でした。
    なんと、生涯、微分方程式を知らなかったとのこと。
    それでも科学史に名を残す偉人となれるものなんですね。

    アインシュタインはファラデーの肖像画を書斎に飾っていたとのこと。
    彼も、数学があまり得意ではなかったのだそうです。
    文系からすると、数学ができる人は科学もできて当然だと思っていましたが、そんな単純な話ではないのだと気が付きます。

    家康の忍耐強さと計算高さを進化論のダーウィンになぞらえる著者の発想が面白く感じました。
    遅咲きのダーウィンと正反対だったのが数学者ガロア。
    20歳で亡くなった恋をめぐった決闘で死を迎えたという悲劇の人物だと知りました。
    この人の伝記はいつか読んでみたいものです。

    ファーブルは、母国フランスでは日本ほど知られていないというのも驚きでした。
    そもそもあまり昆虫自体が評価されていないのだそうです。
    日本も、特に好意的に取られているわけではありませんが、そうした国民性の違いにつながる差異にも興味を感じます。

    やさしい紹介文だったものの、もともと乙女的な視点から見ているため、人間性や女癖などに重きが置かれていることに、少しとまどいを感じました。
    そういったコンセプトとはいえ、見た目や恋愛模様などを精査する若干ミーハーな目線からだったので、閉口したところがあります。
    文章との相性もあるかもしれませんが、文末に「~」が多いことに、多少の読みづらさを覚えました。

    それでも、科学者ごとに「家庭的」「叩き上げ系」「浮気症」「坊ちゃん育ち」という4つのカテゴリに囲まれたフローチャートを挙げて説明しているのは、わかりやすくおもしろかったです。

  • 内容情報
    [日販MARCより]
    ダメ要素こそ男の魅力なり。女嫌いで喧嘩好きだったニュートン、親のすねかじりの野心家ダーウィン、科学界の光源氏シュレーディンガーなど、科学者たちの人間的な側面に焦点を当て、いい男度を独断と偏見で斬る。
    [BOOKデータベースより]
    天才も人の子だった!科学はあなたとつながっている。ダメ要素こそ男の魅力なり!こんな「偉人伝」いままでなかった。
    アイザック・ニュートン―女嫌いでケンカ好きの「政治屋」科学者
    ハンフリー・デーヴィ―異例の大出世、でも嫉妬に狂ってしまった美形化学者
    マイケル・ファラデー―大科学者なのに清廉潔白、実は…?
    ニールス・アーベル―少女漫画のヒーロー的な数学者
    チャールズ・ダーウィン―親のすねかじりの「家康的」野心家
    エヴァリスト・ガロア―絶望に縁取られた「間男」な天才美少年
    アンリ・ファーブル―元祖「昆虫くん」で超一級サイエンスライター
    アルフレッド・ノーベル―生涯独身・でも女に彩られたノーベル賞設立者
    南方熊楠―日本のレオナルド・ダ・ヴィンチ、奇人ぶりも超人的
    アルベルト・アインシュタイン―女グセが悪い暴言家
    ニールス・ボーア―心ここにあらず、でも物理学界でも家庭でも良きパパ
    エルヴィン・シュレーディンガー―科学界の光源氏
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著者プロフィール

サイエンスライター、東京大学大学院総合文化研究科特任准教授

「2023年 『科学コミュニケーション論の展開』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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