天山の巫女ソニン(3) 朱烏の星

著者 :
  • 講談社
4.01
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本棚登録 : 352
感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062144858

作品紹介・あらすじ

イウォル王子と共に"巨山"へと向かうソニン。国境付近で捕らえられた"森の民"を救うためだった。一方、自分の将来を考え始めている親友ミンや、兄王の傍らで着実に仕事をこなすイウォル王子を見ているとソニンは自分が取り残されていくように思えてしまう。やがてソニンはこの北の国で孤独で賢明な王女イェラに出会う…。「講談社児童文学新人賞」「日本児童文学者協会新人賞」受賞の長編ファンタジー、いよいよ佳境へ。

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ3作目は巨山でのお話。

    これで三国全ての内情が出そろったわけですが。
    それぞれの国でそれぞれの価値観、国王の人柄があって国を運営している。
    イウォル王子やソニンと出会った全ての人、国が都合のいいように変わるはずもなくてそういう現実的なところもまたおもしろいです♪
    今回はイェラ王女という、これまた魅力的な人物と出会うソニン。
    今後の三国関係、イェラ王女の成長もまた楽しみのひとつとなりました^^

  • 「イウォル王子と共に"巨山"へと向かうソニン。国境付近で捕らえられた"森の民"を救うためだった。一方、自分の将来を考え始めている親友ミンや、兄王の傍らで着実に仕事をこなすイウォル王子を見ているとソニンは自分が取り残されていくように思えてしまう。やがてソニンはこの北の国で孤独で賢明な王女イェラに出会う…。「講談社児童文学新人賞」「日本児童文学者協会新人賞」受賞の長編ファンタジー、いよいよ佳境へ。」

  • セオ、ここで!?
    イェラ姫が凛々しい、さらなる成長に期待。

  • 江南から帰国して半年が過ぎ、新しい年を迎える準備に大忙しの沙維の国。
    新年を迎えれば、ソニンは数えで14歳となる。天山を下山して1年が経つ。このへんの時間の流れを把握するのが、わたしはどうも苦手だ。

    さて、もう一つの隣国、巨山は、先の戦争から国交が途絶えたままでしたが、イウォル王子とともにソニンも彼の国へ赴くことになりました。
    江南への留学とは違い、国交回復の足がかりともなる外交の一歩となります。

    さて、国交が途絶えたと言っても、イウォル王子たちを出迎えた巨山の民人たちは皆穏やかな様子でした。
    それは現代社会を投影しているようです。
    ソニンたちと同世代の巨山の王女イェラと出会い、お互いがそれぞれ他者を見ることで己を知るという成長をしていきます。

    ソニンの成長は、巫女見習いとして過ごした12年間を否定するのでなく、そのことがあるから今があるという自分への肯定の物語。
    結果として失敗に終わったとしてもそれまでの努力は無駄ではないんだよ、とソニンは教えてくれます。

  • 第三巻。天山から帰らされた巫女のソニンは、王宮の末王子であるイウォル王子に請われて侍女となって暮らしていた。巨山と沙維の間の地域に暮らしている山間民の「森の民」が巨山の役人に捕まってしまった。沙維王が何度も民の解放を望む書簡を出しても返事がなかった。「森の民」が巨山をスパイしているのではないかと疑っているのだ。ようやく返ってきた書簡には、沙維王か王子が迎えにきたら解放しようとあった。そして、イウォル王子が巨山に出かけることとなった。もちろんソニンも一緒に。巨山ではどんな出来事が待っているのだろうか。

  • 4:3作目。大きな戦を仕掛け、しかもそれに敗れたというのに民から絶大な支持を得る王の国、巨山へ向かうソニンとイウォル。前回のクワン王子もだけど、一連の出来事の後に登場人物みんながソニンとイウォルと仲良しこよしになるわけではない、というシビアさがすごく好きで、今回は特にこの一面が強調されていたように思います。今後の展開が楽しみ!

  • 表紙の絵が好きで読み始めた本ですが、どんどんはまっていきます。ソニンも好きですが、ミンも素敵な子です。自分の立場を理解して、そこからよくなろうと努力していく姿がいい。手を差し伸べてくれる人はいるけど、それに甘んじるのではなく、自分の力で進むところが好きです。イウォル王子もずいぶん成長していい青年になってきた。

  • 今回は隣国・巨山を舞台に繰り広げられる権謀術数に巻き込まれるソニンとイウォル王子。
    ソニンも少しずつ人間らしくなってきて、王子もまた名君になるべく成長を遂げている…。
    そしてどこまでもレンヒさんの幻影が現れるのな…。

  • 2017/12/6

  • イウォル王子がどんどん器が広く、頼もしくなってきた。そんな姿を見て置いていかれたようで焦るソニン。いろいろな経験をして学び、自分を見失わない、そう生きることが大事だと伝えてくれる。狼殺しの王は国民から慕われているけど、綻びはあり、娘を使って評価を高めるなど策略家で、でもそれも政策で、なにをもって国を統べるのか難しい。

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著者プロフィール

1969年、福島県南相馬市生まれ。2002年、「橋の上の少年」で第36回北日本文学賞受賞。2005年、「ソニンと燕になった王子」で第46回講談社児童文学新人賞を受賞し、改題・加筆した『天山の巫女ソニン1 黄金の燕』でデビュー。同作品で第40回日本児童文学者協会新人賞を受賞した。「天山の巫女ソニン」シリーズ以外の著書に、『チポロ』3部作(講談社)、『羽州ものがたり』(角川書店)、『女王さまがおまちかね』(ポプラ社)、『アトリと五人の王』(中央公論新社)、『星天の兄弟』(東京創元社)がある。ペンネームは、子どものころ好きだった、雪を呼ぶといわれる初冬に飛ぶ虫の名からつけた。


「2023年 『YA!ジェンダーフリーアンソロジー TRUE Colors』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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