- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062145947
感想・レビュー・書評
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さらば財務省 高橋洋一 講談社
官僚全てを敵にした男の告白だと
格好いいこと言っているけれど
中身はどっちもどっちと言うことで
竹中平蔵に取り込まれ安倍を巻き込み
謀反を起こした高橋洋一が
ハシゴを外されどうやら負けたと言う話
面白いけれど所詮内部紛争の
負け犬の遠吠えか詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
高橋先生の、初々しい一冊。
小泉政権から安倍政権の裏側、官僚とのやりとりが生々しく。
原理原則できちんと仕事をすることが、こんなにシンプルで、こんなに難しいことなのか。
そんなにシンプルにできる、著者の才能というか、能力の高さかが毎度すごい。
竹中平蔵さんの評価ってのが自分の中では、よく判らないのだが、そこにも興味が出て来た。 -
政治の裏話として読むのはいいのですが、胸にくる箇所は少なかったように思います。
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以下、昔はてダに書いていたレビューの転記。
これ書いた後、色々ありましたねえ、このお方。
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筆者が大蔵省に入省してから小泉・安倍内閣を経て退官するまでの間に見た官僚の実態を赤裸々に告白した本である。
普段縦割りで縄張り争い意識が強い官僚たちが、既得権益の危機が起きると一致団結する姿には、何か物悲しいものを感じてしまう。不思議に思ったのは、大蔵省官僚でも数字に弱い、ということ。言われてみれば、金融監督庁に転じた私の会社の同期も、確かに数字には強くなかった気がするが・・・
物語は、安倍総理辞任の実情について、から始まる。
安倍総理については、改革を投げ出して突然辞任した政治家、という程度の認識しかなかったのだが、どうもそうではなかったらしい。小泉との比較をするに、政治家としては立派だが、官僚を相手にするには実直すぎたことが改革が進まなかった一因だったということがわかる。
筆者がコンテンツ・クリエータとして重要な役割を果たした小泉・竹中の改革については、多くのページが割かれている。官僚との戦い、竹中平蔵氏との関係など、改革の内部にいたからこそ書ける話が満載で、非常に興味深い。
筆者は官僚の身でありながら、(普通の)官僚と対立するような改革案を手がけることが出来たのには、ひとつは筆者が官僚世界で言うところの「変人」であったことが大きいのだろうと思う。官僚の主流に属さなかったこと(本人は属する気もなかっただろうが)で、外部から問題を見る目を失わなかったことが大きかった。もうひとつの要因としては、筆者自身も霞ヶ関に染まるつもりもなく、いつ官僚を辞めても良いくらいの気持ちだったので、改革にフルコミットすることが出来たという点があるだろう。
特別会計の積立準備金、いわゆる「埋蔵金」の実態についてもひとつの章を割いて述べられている。私が埋蔵金について知ったのは、4/11の日経朝刊「経済教室」の筆者のコラムを読んだからであった(それが本書を読むきっかけにもなったのだが)。
一般企業でこのような過剰な準備金を引き当てていたら、投資家・ファンドからの批判を浴びることになるだろうに。市場基準・世界基準で物を考えずに霞ヶ関基準でしか物事を判断できないのだろう。そういう意味では、埋蔵金の話はJ-Powerの話にも通ずるところがあるような気がする。 -
国家の政策がどのような過程で立案されて行くのかが、生々しく描かれている。
特に、郵政民営化、こんなにドラマが隠されていたことを感心しました。
それにしても、霞ヶ関が、省利を追求している事に、腹が立ちました。
お役人は、なんのために、働いているか。
「お客様」はだれなのが、まったくわかっていない。
非常に優秀な人たちだけに、恐ろしさを感じたな。
埋蔵金の話も面白い、予算が足りなくなると困るから、ちょっと多めにしておくと、だんだんそれが溜まってくる。
貯まったお金は、もちろん国民のものだが、いつのまにか、省庁のものになってくる。
このことを国民は知らない。
ここでも、国民不在だ。
国システムをシンプルにして、コストがかからない、だれでも簡単に理解できる、国家運営をしてほしいな。 -
「庶務権」が面白い。事務局さえ握れば勝ちだ、という観察だ。
「たとえば会社の会議で、方向性や議論すべき内容を記したペーパーが配られると、その枠組みを越えて議論をするのは心理的にもむつかしくなる。このフレームづくりをするのが事務局なのだ」(p-94)
まことにそうだ。加害者にもなったことあるし、被害者にもなったことある。 -
小泉内閣の竹中大臣に仕えた財務省官僚の著書。
著者は、財務省官僚の中では異質の存在で、小泉・竹中両氏の小さな政府、新自由主義の政策の実現のためのブレーンとして活躍した。
著者の能力はすばらしかった、財務省文化とは肌が合わなかったらしい。
官僚のテクニックとして、審議会を手なずけるものがある。たとえば、はじめに議論ポイントを作成すると、人は心理的にこれを全く無視できなくなり、思った流れに誘導できる。
議事録を少しづつ改ざんしておく。
議題を多数作っておく。そうすると議論がまとまらない。
多人数を会議参加させると、少しづつしか発言できず、これまたまとまらない。
うるさ方の日程の悪い日の会議を設定する。
郵政民営化では著者が大活躍したが、当時、相当の抵抗があったが、理論で論破した。たとえばシステム構築について、完全なシステムを構築すると相当の年月がかかるが、重要なもの、根幹的なものから整備すると数年で完了すすという提案を行い、抵抗勢力を黙らせたりしている。
著者は基本手kに上げ潮派。埋蔵金議論についても、各特別会計に存在するという。それは完了の理論として、収入不足を機雷、自己保身に走る官僚の性質上、結果的に余剰金が生じたのだという。
財務省は巨額の財政赤字をあおり、増税に誘導使用とするが、国有資産が500兆円で債務が800兆円。そんなに深刻なレベルではないという。財務省が試算して財政収支のシナリオは意図的に悲観的なものにしている。
小泉氏、竹中氏、中川秀直氏の政治家としての誠実さ、凄みを感じる。
日銀はいやでもインフレ政策(国債の買い取り拡大)をしないらしい。それは財務省に屈することになり、日銀のプライドが許さないのだという。愕然とする。
役人の御用学者があまりにも多い。
如何に強権でものごとを進める人でも大義名分がなければ負ける。
ニュースネタの少ないときに自分の意図通りに進めようとして、マスコミに情報をリークする官僚もいる。
著者は不良債権処理しない銀行経営陣は背任になると刑事所倍の対象となる理論を述べ、これが後に東京地検の理論的バックボーンとなる。 -
財務官僚の権謀術数好みが、被害者である著者の視点から、リアルに伝わってくる。一方、中央官僚にも技術を自分自身の力で理解できる真のテクノクラートが必要であろうことがわかる。
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経済学の基礎がないので、ちょっと難しい本でしたが、これを読んで最近ニュースで見かける公務員制度改革や地方分権に関心がわきました。
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2008/12/19購入