名作はいつもアイマイ

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 118
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062147293

作品紹介・あらすじ

『ゆれる』の西川美和監督初のブックレビュー。書き下ろしエッセイ「もう夢は見ないけど」収録。

感想・レビュー・書評

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  • 読後、ちょっと考えてしまうような面白い名作が並んでいるので、
    初めて読む人は楽しめると思います。

    残念だったのは、名作のいくつかが抜粋した状態で掲載していたこと。
    なんで切るかなぁ。オススメだったら全部載せてほしかった。
    まぁ、気になったなら自分で本探して読めってことなのでしょうが。
    これでは『太巻き寿司のこの具が美味しいから、この具だけ食べて状態』だよ。

    でも最後の編者のエッセイは面白かったです。
    映画監督の目線が垣間見え、この人はエッセイの方が自然体を表現できると思いました。

  • 取り上げられている作家は文豪とよばれる方ばかりですが、読んだことがない作家も多かったので、西川さんの視点を通すことで読んでみたいと興味を持ちました。
    巻末の書き下ろしエッセイの中で触れていた向田邦子のエピソードが印象的でした。

  • 読みたいと思いつつ機会がなかったものや、
    何となく敬遠していたものを一部も含めて読むことができた。
    わからないからこそ面白いものもある。

  • やはり印象に残ったのは、
    ・「隣の犬」向田邦子 一度も名前を呼ばれたことのない(名前も付いてなかったのかも)多分愛情ももらうことなく保健所に連れていかれることになった隣の犬を思ってその夜は絡む悪いお酒になってしまったエピソード。
    ・「トロッコ」芥川隆之介 行きはよいよい帰りは怖いをまさに地でいく話し。主人公の良介の心細い不安な気持ち、
    これは大人になってもふと何かの拍子に思い出してしまう強烈な出来事だったろう。
    ・「海と毒草」遠藤周作 人間失格の葉蔵を思わせる戸田、
    抜粋部分だけでは物足りない。全編通して読みたくなった。
    ・「メリイクリスマス」太宰治 何年か振りに偶然会った少女だった女性。母親とも懇意にしてたらしく会いにいくことに。でもその母親は広島の原爆で死んでいたことを告げられず…。母親の好きだった鰻を三人分頼んでまるで存在しているかのように振る舞う太宰(私の中ではもう同一人物)
    心に沁みる短編だった。

  • 西川美和さんがどう思って「名作」を読んでいるのか、垣間見えて面白かった。

  • 【いちぶん】
    しかし余りの豊かさに私は溺れ、のめりこみ、幾日も日常に戻って来れないほど、その森は深かった。

  • 紹介作品が、いくつかは一部だったけれど一緒に収められているのがとても良かった。書評なんかで興味を持っても実際に手に取るまでに間が空いてしまったり結局忘れてしまったりするので、並べてもらえたおかげですぐに作品の世界に飛び込めた。しかもどの作品も本当に魅力的。有名な作品というのはやはり読むべきなのだなあと認識させられました。

  • 019

  • 文学を文学足らしめる要素とは、人間を描くことに他ならぬことを改めて実感。正解のないアイマイさ、彼岸と此岸を揺れ動くその危うさを愛でる行為こそ"文学的"なのだ。西川美和さんのセレクトとレビューは悔しいぐらいのセンスに溢れる。
    それにしても半分は読んでるはずなのに、綺麗さっぱり中身を忘れていて初見の新鮮さを味わえてしまった。中高生時代に読み流した名作の数々を、オトナになった今腰を据えて再読したら。きっとより人間の曖昧な妙を愉しめるに違いない。

  • 主として男性向けの雑誌に、「授業」という形で連載された文章であるせいか、西川美和さんの文章がそこはかとなく色っぽい気がします。

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著者プロフィール

1974年広島県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。在学中から映画製作の現場に入り、是枝裕和監督などの作品にスタッフとして参加。2002年脚本・監督デビュー作『蛇イチゴ』で数々の賞を受賞し、2006年『ゆれる』で毎日映画コンクール日本映画大賞など様々の国内映画賞を受賞。2009年公開の長編第三作『ディア・ドクター』が日本アカデミー賞最優秀脚本賞、芸術選奨新人賞に選ばれ、国内外で絶賛される。2015年には小説『永い言い訳』で第28回山本周五郎賞候補、第153回直木賞候補。2016年に自身により映画化。

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