つながり 社会的ネットワークの驚くべき力

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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062147705

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  • P121読んでいるところ

  • 良い面でも悪い面でも、つながりは思いもよらぬところで発生している。

    友人の友人の影響を知らずのうちに受けていたりする。
    6人を経由すればだれとでも繋がれることは有名だが(6次の隔たり)影響を受けるのは3次の友達まで。

    ーーあなたが笑えば世界も笑うーーー

    笑いの伝染病がタンザニアで発生した。
    面白くないのに笑ってしまう病気。
    人から人へ移るものだった。
    これは、集団ヒステリーであった。
    人は感情を伝染を明示しようとする傾向があるせいで病的症状が発生してしまった。

    人は他人が示す感情に感化されてしまう。
    笑顔でサービスを受けるとチップを弾んでしまったり。

    これは、昔狩猟一族であった頃の名残かもしれない。
    表情が進化してきたのはコミュニケーションを図る要因も大きそうだ。
    同じ表情をするとその人がどう感じているかをなんとなくわかるはずだ。


    私たちは他人が行動している様子を見てもまるで自分がそれをしているような感覚に陥る。

    音だけでも感情を感じる。

    感情の伝染はだれもが経験する。
    感情の伝染はmpiという。
    集団でみんなで踊り狂う事例など。
    これは、よく毒素がばらまかれていたのでは、などがあると考えられるのだが、原因は心理的なものである。

    mpiが発生しやすいのは繋がりの濃ゆいコミュニティである。
    また、においが引き金になることも多い。また政府の力や警官などが関わってくると伝染は悪化する傾向がある。

    感情の広がりはネットワークを使って遠くまで広がる。
    他人の幸福が与える影響を調べてみた。


    幸福な人と幸福な人同市で群れを作っている。不幸な人は不幸同士で。

    ある人の幸福がその一時関係の友人も15%幸福になるらしい。
    お金をもらっても2パーセントしか幸福にならないことに比べると、幸福な人とお友達になる方が幸せになりやすい。


    近しい人が幸せになると自分も幸せになりやすい。
    距離としては1.6キロくらい。

    幸福は一時的にアップしたとしても基本的には元の位置に戻る。

    孤独も伝播をする。
    ただし、自分が意識して作った関係性のみで。
    孤独な人の友達は52パーセント孤独を感じやすくなる。
    これも、三時のつながりまで影響をする。


    どうやってパートナーを見つけるか?
    三時までの繋がりの中で否応なく狭まっていく。

    知り合いから紹介してもらうことが未だに一番効率が良い。

    幸福とは自分の知り合いよりも稼いでいるか、で決まる。
    絶対的な立場よりも世間での相対的な立場を機にする。

    周りが30万で自分が35万
    周りが45万で自分が40万であれば前者を選ぶ。

    パートナーを探すときはパートナーが属する組織の中で一番魅力的になれば良い。

    女性は、パートナーがいる男性の方を好ましく見る傾向がある。
    子育てに向いてるかなどはぱっと見ではわからないため。

    しかし、男性の場合は競争が起こりそうだと感じると魅力を感じにくくなる。


    他のみんなもやってるか、というのが大きい。

    離婚するかとかも周りにしてる人いるかどうかで決める。

    また、ゲイのカムアウトも1人いえばまた1人カムアウト、空がどんどん広がっていったりする。


    結婚すると健康になるのか?
    健康でなければ結婚できないのか?

    夫婦の片方が死んだ時もう片方が死んでしまう確率は半年後に40パーも高くなった。

    やはり、夫婦関係は健康で影響がある。
    結婚することで男子側は愚行をやめる、規則正しい生活を送るようになる。その結果7年も寿命が増える。
    女子は2年。

    これは、男性が女性から受けるものは社会との繋がり、精神的サポート、きちんとした家庭。
    女性が受けるものか遺産、家など。
    男性は家事をしてもらってる可能性がたかいから、健康的な生活が乱れてくるのだろう。

    また、女性の方が配偶者を社会につなげておく力が強いようだ。

    とある州で、ファミリー向けの州。
    なぜか性病が流行った。子供がすごい量の人と関係を持っていた。
    ネットワークを持っている子供がそれを別冊のグループにつなげていたからだ。
    それを解体すると自体は治まって行った。

    グループでつながっている場合と個人が繋がっている場合がある。


    行動も伝染する。
    例えば隣の人がもりもり食べていると自分もそうもりもり食べてしまう。

    ダイエットする場合に良いのは友達の友達まで巻き込むこと。そうすれば元の生活に戻ろうとする圧が減るから。


    ーーお金の行方ーー

    世界的な金融危機がおとづれ、イギリスのノーザンロック銀行が営業停止から、取り付け騒動が発生。
    いとも簡単にパニックに陥る。
    金融恐慌は感情や情報が人から人へ伝わった結果起こるのかもしれない。

    じょーじはどこに、、というサイトがある
    それの経路とsarsの感染経路がとても似ていた。


    雄牛の競売、平均するとだいたい正しい値段に落ち着いた。
    しかし、これは特殊事例。
    株などは他人がこれをどう見るか、で変わる。
    また、決定が一度にされるのか連続でされるのかにもよって変わってくる。
    連続だと前の人の判断正しいだろと従ってしまう。

    弱い絆の強み。
    それは集団同士を結びつけて大きな共同体を作ること。
    弱い絆の強みは、新しい情報の宝庫である。
    自分の知らなかった世界に連れて行ってくれる。
    また職場を見つける時などは、弱い絆を使うことが以外と多い。
    弱い絆をたくさん持っている人はネットワーク全体で中心的な位置を占めるようになる。


    ネットワークの創造性
    はやるミュージカルと流行らないミュージカルがあるのはなぜか。
    これは社会的ネットワークのせいではなかろうか。共同制作を以前に行っているかがキーであった。
    また、逆にずっと一緒に仕事をしすぎたチームも成績が芳しくなかった。


    友人には何かの価値がある
    グラミン銀行は貧困層へ貸し出しを行っている銀行である。
    グループでの貸し出しを行うことで、焦付きを最低限に抑えている。
    仲間内のネットワークを元に、うまく回っている

    ーー政治的につながって
    オバマの成功要因は?
    額に汗して働く人たちは、わずかな蓄えから献金を行ってくれた。
    成功要因は彼らがオバマとのつながりを実感できたこと。

    オバマはインターネットサイトを開き各地でイベントを開いた。
    直接の交流を生ませた。

    投票の1票に価値はあるか?
    合理的に言えば、ない。
    選挙に行くとなると、実際に行くコストがかかる、また決めるための情報収集も必要となる。
    どのような場合に投票するのが合理的か。とても割合の低い賭けのようなものだ。

    しかし、投票というものは一人でするのではない。
    メディアが有効なのはオピニオンリーダーがそのメディアの影響を受け、周りの人に影響を与えていた時。

    また、自分が投票をしたということは他の人に影響を与える。

  • いかに人が人を伝わって影響をうけるのかと、環境によって人格が形成される事を改めて認識した本

  • 課題本。社会的ネットワークについての考察であり、博士の共著なため、読みこなすにはハードルが高かった。フォトリーで。

    3次のつながりまでは有効。
    ことわざの、朱に交われば赤くなる、というのも納得できる。肥満、お金、幸福感など、影響される。
    恋愛と就職先は、濃いよりも、ゆるいつながりの方が有効とのこと。今の仕事も紹介が有効なので、そこは実感。

    異業種交流会はあまり好きではないが、勉強会など、思い切って顔を出して行くのも(ハズレも多いけど)大切だなーと思った、

  • これまで、ネットワーク効果の恩恵を受けた経験は少ないと思います。ネットワーク効果を得るには、どうしても人との交流は避けられません。人との交流に時間を割くということは、自ずと自分の時間、つまり、一人で考え事をしたり、勉強したりする時間が削られることを意味します。

    自分の殻に閉じこもっていては考え方が偏ってしまい、多様な考え方を持てなくなるのは否めません。本で他人の考えに接するにしても、ある程度自分の考えが反映された本を選ぶので、どうしても思考範囲が限られてしまいます。

    多様な考え方を得るために、しゃにむに人と接しようとは思いません。性格なのか、一定時間以上のコミュニケーションはストレスになります。

    フェースブック、ミクシー、ツイッター、大いに結構だと思います。自分にとっては、コミュニケーション過剰です。時間は有限です。人との交流を楽しむか、一人勉で強するか、を選ばなければならないとしたら、今は後者を選びます。

  • 影響が与えられるのが、自分の友だちの友だちの友だちまで(三次のつながり)。でも、インフルエンサーだと、その影響は計り知れない。

  • 再読
    自分だと思い込んでいるものは、実は自分のネットワークによってつくられたものかもしれない。
    社会的な生き物である人間はネットワークなしでは生きられない。人間はネットワークによって作られてきた生き物だ。
    ネットワークは、政治、経済、福祉、どれにとっても有効な研究対象だ。

  • 人的ネットワーク論の現代的知見が縦横無尽に紹介されている。応用したい気分に駆られるが、適用可能は難しいだろう。それにしても、つながり=有機的ネットワーク、恐るべしある。遺伝子にも残されているとは。

    本書の白眉は、幸福、孤独、肥満、自殺かな。

    ・6次の隔たりと3次の影響。
    ・表情が人間の気分に有益な影響を及ぼす。
    ・感情の経路で最も強力なのは、娘から両親に向かうもの。反対に親の感情は娘に影響しない。父の感情は妻と息子に影響する。
    ・クリケットの試合で一人の幸福度の増加がチームのパフォーマンスを向上させた。
    ・不幸な人は不幸な人同士、幸福な人は幸福な人同士で群れをつくる。不幸な人はネットワークの周縁に位置する。
    ・1次の人が幸福な場合、あなたは15%幸福。2次は10%、3次は6%。
    ・1984年に5000ドル余計にもらっても幸福になるチャンスは2%しか増えなかった。
    ・ある人が幸福な友人を持つとその人が幸福になる可能性は9%増大。不幸な友達は7%減少。
    ・あなたの友人が多くの友人を持てば持つほど、幸福になる可能性は高まる。
    ・1.6キロメートル以内に暮らす友人が幸福になると、自分が幸福になる可能性は25%増加。対照的に1.6キロメートル外は何の影響もない。夫婦にも当てはまる。
    ・幸福、不幸な出来事の後、1~2年で幸福水準は元に戻る。
    ・長期的な幸福の50%は遺伝、10%は環境、40%は考え方に依存。
    ・より多くの友人を持つ人は孤独を感じる機会が少なくなる。1年で2日減る。平均孤独な日は年に48日ある。
    ・たえず孤独を感じている人は、2~4年で平均して8%の友人を失う。孤独はつながりを失う原因にして結果。
    ・1次の人が孤独ならば、あなたは52%余計に孤独。2次の場合は25%、3次の場合は15%。
    ・20歳に達した時点の男性の比率が高いほど、男性の寿命は短くなる。
    ・結婚で男性は7年長生き、女性は2年長生き。
    ・人がリスクにさらされるかどうかは、その人がどんな人であるかより、誰と知り合いであるかで決まる。
    ・互いが認め合う友人が肥満になると、自分が肥満になるリスクは3倍。
    ・肥満の広がりは、配偶者同士よりも友人同士の方が影響が大きい。
    ・優れたダイエットは、友人に友人リストをもらい、その人たちをランニングクラブに誘う。
    ・過去に一緒に仕事をしたことが無い人たちのチームはうまくいかない。全員がずっと一緒のチームもダメ。新しいメンバーの多様性と古い関係の安定性を結びつけるバランスが制作では重要。
    ・玄関で投票を依頼された人は10%多く投票した。家の中にいた家族も6%多く投票した。
    ・インターネットでの政治に関する情報は、異なる意見の交換ではなく、既存の意見の強化に使われている。
    ・部外者との接触が多い集団ほど、向社会的行動をとる。協力性、潔癖性が増す。
    ・類似性を高めるのは一卵性という遺伝子のあり方で、一卵性であるという意識ではない。
    ・人間の脳に見合う社会集団の規模は150人=ダンバー数。
    ・信心深さによって幸福度が増す度合いは、信心深さの平均値が高い国ほど大きい。
    ・人は誰かによって親切にされると、その後、他の人に親切にする。
    ・社会の不平等に立ち向かうには、肌の色や懐具合よりもつながりが重要。

  • 社会的ネットワークとしてのさまざまなつながりを考察している。肥満や自殺なども人のつながりによって、伝染する。オバマの勝利は、SNSを上手く活用した有権者同士のつながりにあったとする。ホモ・ディクティアス(ネットワーク人)やホモ・エコノミクス(経済人)が、人間社会の特徴と捉えているようだ。

  • ネットワークから受ける影響は私たちが思っている以上に根深いみたい。想像しやすい現象もあり、予想外の心理もあり、とてもおもしろかった。

    特におもしろいと感じたのが、自分の周囲のネットワークに属する人間として、神を考えに入れている点(p304)。なるほど、神を擬人化すれば、自分は決して孤独ではなく、共通の「友人」をもつ人々とのつながりが大きく広がる。宗教をこのように考えることができるのだな。

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